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暮しを楽しむの手帖
あさころパン#4 開業5周年を振り返って

城下町の面影が残る大村市玖島の地で2017年に開業し、今年(2022年)9月にオープン5周年をむかえた「あさころパン」。
開業記念のイベントでは多くのお客様が来場してパンは完売。まちの小さなパン屋は大きな賑わいを見せていました。

開業から今日まで、コロナや食材の値上がりなど自分たちではどうしようもない壁に当たりながらも夫婦で経営を続けてきた北川さんご夫妻。5年間を振り返っての想いを北川麻衣子さんに伺うと、出てきたのはたくさんの感謝の言葉でした。

感謝の気持ちが紡ぐ地域とちいさなパンやの素敵な関係

9月の開業5周年はたくさんのお客様がご来店されていましたね。

北川さん:皆さん、トレーいっぱいのパンを買ってくださって。そのうえ「おめでとうございます」と声をかけていただいて、本当に感無量でした。

ここ数年は新型コロナウイルスの流行や食品の値上げなどの影響も大きかったのではないですか?

北川さん:そうですね。まだまだ乗り切ったとは言えない状況ですが、お客様からの励ましや「おいしい」の声が本当に支えになりました。ありがとうございます、で伝えられないほど感謝の気持ちでいっぱいです。

この5年間で印象的だったエピソードを教えてください。

北川さん:いっぱいありますね・・・。開業してから子どもが生まれたんですよ。
それからスタッフさんに入っていただくようになって本当に支えられました。
子どもを抱えながら仕事をしているとお客様が「見とってやるけん」と代わりにだっこしてくださったり、お客様が引っ越すときに手紙を書いてくださったり・・・。
しんどいこともありましたが、地域に根差したお店になりたい、安心安全なパンを提供したい、と信じてやってきたことが地域の方々に伝わったことが本当にありがたいですね。

客観的に見ても本当に地域になくてはならないお店になったと思います。

北川さん:ありがとうございます。常連さんの中には私たち家族を応援してくださっているんだろうな、と感じる方もたくさんいらっしゃいます。それからGoogleの口コミに「店員さんが良かった」と書いていただくことも多くて。おいしいパンを食べてもらいたいという主人の想いも叶っているし、お客様に楽しい気持ちでパンを買ってほしいという私やスタッフさんの想いも報われているし。励みになりますよね。

先ほどから、『感謝』や『ありがたい』というワードを頻繁に使っていらっしゃって、
本当に心の底からそういう想いがあふれているんだなぁと感じています。

北川さん:そうなんです!本当に感謝、感謝の連続で。お恥ずかしい話、若いころは「感謝とかダサい」と思っていた時期もあったのですが、今はもう真逆。感謝マジ感謝、とかありがてぇ~とか毎日思っていますし、言葉に出していますね(笑)。

それだけ人や地域に密接に関わっていらっしゃるということなんですね。
では最後に、これから先の展望・目標をお聞かせいただけますか。

北川さん:1つ目標にしているのは、冷凍のパンをしっかりと商品化したいということです。
実は既に食パンは冷凍商品化して販売を行っているのですが、長期で保存できることや美味しさが変わらないことから好んでお買い求めいただくお客様もいらっしゃるんですよ。

おいしい冷凍パン、とても魅力的ですね。

例えば、地域の一人暮らしの高齢者の方や仕事と子育てで忙しいお母さんが、ふとした時に冷凍庫に入っている冷凍パンをおいしく食べることができる。そんな風に地域に役立つことができるのではないかと考えています。

地域の方々からいただいた応援を何か感謝の形で地域に還元していきたいんです、と語る北川さん。
移住してきた若い夫婦が営む小さなパンやさんの感謝の気持ちとそんなふたりを受け入れて応援する地域の素敵な関係が、あさころパン見えない隠し味なのかもしれませんね。

※取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
あさころパン

長崎県大村市玖島1-62-6 ( Google MAP

営業時間:

9:30-19:00(定休日:日、月、祝/時々不定休)

TEL: 0957-54-3525