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暮しを楽しむの手帖
あさころパン#1 夫婦で営む大村の小さなやさしいパンやさん

戦国大名・大村氏の居城「玖島城」の城下町として栄えた長崎県大村市。
現在も文化財や日本遺産が多く見られる歴史の街に、2017年、1軒の小さなパン屋さんがオープンしました。

あさころパン。オープンキッチンと売場だけの10坪ほどの店内にはたくさんのパンが並び、毎日、笑顔のお客様が来店しています。経営しているのは北川智浩さん、麻衣子さんご夫婦。30代のふたりが独立し大村という場所で開業した理由は何なのか。奥様の北川麻衣子さんにインタビューしました。

パンに向き合い、地域に向き合う。パン職人・智浩さんの想いが反映された小さなお店

大村で開業されたのが2017年ですが、その前はおふたりともどんなお仕事をされていたでしょうか。

北川さん:主人の実家は佐世保でパン屋を経営していましたので、主人はそこでパン職人として働いていました。私は長崎で印刷系の仕事をしていて、結婚を機に少しだけ主人の実家が経営するパン屋で1年ほど働きました。その後、デザインの仕事に復帰したのですが主人の独立をきっかけにパン屋一本でいこう、ということになりました。

大村を選んだ理由は何だったのでしょうか。

北川さん:最初は県外での独立を考えていて福岡や武雄(佐賀県)で物件を探していたのですが、これといった場所が見つかりませんでした。そこで、長崎県内で探してみようと訪れたのが大村でした。この店舗を見たとき、周辺に幼稚園や学校があってとても素敵だな、と感じたことを覚えています。

ご主人の反応はいかがでしたか。

北川さん:実は、主人は小さいころに平戸に住んでいたので、城下町の雰囲気が似ているということで気に入ってくれました。

おふたりとも玖島を気に入ったということなんですね。ところで、あさころパンはベーカリーの中でも比較的小さい店舗だと思うのですが、ちいさくしようと思った理由は何だったのですか?

北川さん:小さいパン屋、というコンセプトでやっていますが、実は最初から小さいパン屋にしようと思っていたわけではないんです。独立するにあたっての主人の希望が、自分の作りたいパンや気持ちが私やスタッフに伝わるくらいの規模にしたいというものでした。それを逆算していくと今の規模に落ち着いたという感じです。

結果的に小さいパンやになったと。

北川さん:そうですね。パン作りに集中したい、しっかりお客様に向き合いたいという想いが強かったんだと思います。

パン職人、という言葉がぴったりのご主人ですね。
オープンキッチンにしたことにもこだわりがあったりするのでしょうか。

北川さん:最初は壁にしようかと思ったんですが窮屈な感じがしたのでオープンキッチンにしました。お子様連れのお客様がいらっしゃると、小さい子が作っているところをジッ~と見ていて、かわいいなぁと思いますね。

そういってほほ笑む麻衣子さんの笑顔を見ていると、こちらも思わず笑みがこぼれてしまいます。
北川さんご夫婦やスタッフさんの人当たりの良さも地域に愛される理由の一つだなと感じました。

オープン当初はご夫婦二人三脚で経営していましたが、麻衣子さんのご出産を機に現在はスタッフの手を借りながら愛情込めたやさしいパンを毎日焼き上げているあさころパン。地域の方に愛される店内には、香ばしいパンの香りとたくさんの笑顔があふれていました。

次回は、そんなあさころパンで人気のパンやこれからの季節限定パンなど、自慢の商品についてお話を伺っていきます。

※取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
あさころパン

長崎県大村市玖島1-62-6 ( Google MAP

営業時間:

9:30-19:00(定休日:日、月、祝/時々不定休)

TEL: 0957-54-3525