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突然ですが、皆さんは「全国七大やきとりの街」をご存知ですか?
北海道美唄市・室蘭市、福島県福島市、埼玉県東松山市、愛媛県今治市、山口県長門市と並び、九州で唯一名を連ねているのが福岡県久留米市。串に刺して焼いたものは全て「久留米やきとり」と称するメニューの豊富さが特徴で、久留米ラーメンと並んでご当地B級グルメとして知られています。
そんな久留米やきとりをルーツに持つのが諫早市東小路にある「炭火焼鳥ひよっこ」。気軽に足を運べるリーズナブルな価格帯ながら、炭火を使った本格的な焼き鳥が味わえる人気店です。
久留米市内の焼き鳥店で修業を積んだオーナーの宇土達也さんが焼き上げる豊富な串物はウマいの一言!
今回のインタビューでは諫早市民の胃袋を掴んで離さない「炭火焼鳥ひよっこ」の美味しさの秘密に迫ってみたいと思います。
宇土さん:私が久留米の焼鳥屋でずっと修行していたので、その経験が基になっています。久留米やきとりの特徴は何といっても種類の豊富さ。具材をベーコンなどで巻く「巻物串」も久留米が発祥と言われているんですよ。
宇土さん:お客様からも「串のメニューが多かね」とよく言われます。開業当初はもっと少なかったのですが10年やっていくうちにどんどん増えていきました。人気なのは「ねぎま」「とり皮」「せせり」あたり。オープンからのオリジナルメニュー「自家製こてつさん」や「キムチ巻」もよくご注文いただきますね。
宇土さん:久留米やきとりでは一部の串物の名前がドイツ語由来なんですよ。「ダルム」はいわゆる白モツのこと。特徴はプリプリとした食感。表面をカリッと焼くこと生まれる香ばしさと噛むごとに口の中で広がる脂の甘味はビールのお供に最高です。
宇土さん:実は、タレにもすごくこだわっているんですよ。現在使っている甘い醤油ダレも久留米から仕入れた材料を混ぜ合わせて作った自家製。砂糖を上白糖や黒糖に変えてみたり、醤油・酒・みりんの分量を変えてみたり・・・。オープンから10年、試行錯誤をしながら改良を続けている自慢のタレなのでぜひ一度味わってみてください。
宇土さん:ひとつは串の刺し方。焼き鳥って頭(串の先端)の方が熱の入りがいいんですよ。だから比較的小さめのものから順番に刺していくことで火の通りが均一になる。ほかにも具材によって刺し方を変えたりして、一番おいしい状態をお客様に提供できるようにしています。
宇土さん:あとは炭火かな。ウチの焼き鳥台は特注品で、一般的な物に比べてちょっと高めにしているんですよ。理由は「遠火の強火」。炭火の遠赤外線で熱を通すことで食材の水分を飛ばさずにきれいに焼くことができる。ふっくらジューシーな食感に仕上がるだけでなく、時間が経ってもおいしさが変わらないのが特徴ですね。
宇土さん:やっぱり鮮度。例えば、鶏肉はブロイラーを育てている養鶏農家と直接契約をして朝締めのものを仕入れています。鮮度の良い鶏肉はみずみずしいハリがあるのが特徴。ドリップも出ていないので臭みもなく、ほどよい弾力と脂の旨さを楽しんでいただけます。
宇土さん:朝締めの新鮮な鶏肉を部位ごとに丁寧にさばいて、1本1本心をこめて串に刺していくのがひよっこ流。ぜひご来店いただいて味わいと食感を確かめてほしいですね。
個人経営の焼鳥屋ながら約50種類の串物のほかに、とんぺい焼きやレバニラといった焼き物、唐揚げやチキン南蛮などの揚げ物、刺し身にサラダ、ご飯もの、おつまみ、ドリンクと豊富な居酒屋メニューを提供している「炭火焼鳥ひよっこ」。備え付けのタブレット端末で注文ができるため、初めてのお客さまでも画像を見ながら選べる新設設計となっています。
「2年前にリニューアルして店舗が広くなってからは、私自身がお客様へ接客する機会は減ってしまったのですが、スタッフたちが自分で考えて動いてくれているので信頼して任せています。でも、帰り際に『今日もうまかったよ!』と言ってもらえるとやっぱり嬉しいですね」
新鮮な食材を1本1本丁寧に。お客様へ美味しいものを届けるために技術を磨き、味の探求を続ける宇土さんは「この店をやるのは本当に楽しいですね」と目を細めます。その表情からはオーナーの焼き鳥への深い深い愛情を感じずにはいられませんでした。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県諫早市東小路町13-11 ( Google MAP )
営業時間:
17:30~00:00(火曜定休)
TEL: 0957-47-6972