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暮しを楽しむの手帖
ミカマーレ#4 どんな困難な道でもやり遂げる意志さえあれば必ず道は開ける。47才のオーナーシェフが描く未来とは

「旬の野菜や魚の美味しさを引き出して丁寧にお料理されている感じがしました」

「店内の雰囲気も良く、接客もとても丁寧」

「器もオシャレにこだわっていてパスタは凄く美味しかった」

口コミやSNSで高い評価を受けている長崎市矢上町にあるレストラン「ミカマーレ」。オーナーシェフの迎雅光さんの腕から生み出されるクオリティの高いイタリアンが話題をよび、たくさんの人が足繁く通う東長崎エリアの新たな名店となっています。

2023年10月にオープンして8ヶ月。「自分の店を持ちたい」という20年来の夢を叶えた迎さんに、これまでの手応えとミカマーレの今後の展望を伺いました。

何度も足を運んでくださるリピーターさんは心強い存在です

現在の手応えはいかがでしょうか。

迎さん:おかげさまで悪くはないのかなと思っています。40歳すぎて妻も子どももいる中での独立だったので、事業計画を作りながら「地域の方々に受け入れてもらえるのか…」「この金額設定で大丈夫か…」と不安も大きかった。ですが、スタートからたくさんのお客様に来ていただいてすごく嬉しかったのを覚えていますね。

オープンから8ヶ月ほどが経ちましたが、変わらずたくさんのお客様が足を運んでいらっしゃいます。

迎さん:基本的に一人でやっているのでランチは1日あたり20〜30名くらい。夜はコースでのご予約が多くなってきていますね。売上も計画していた数字が継続してあがっているので、まずはこれをキープしていきたいなと思っています。

ミカマーレの開店から今までを振り返ってみて印象的なことがあれば教えてください。

迎さん:とあるお客様からいただいた「今まで食べたパスタの中で一番おいしい」という一言ですね。私は「おいしい」という評価は個人的・相対的なものだと考えているのですが、そのお客様にとってミカマーレのパスタが数ある名店の中でもちょうどよかったと感じていただけた。それは料理人冥利につきますよね。

料理の味、店の雰囲気、シェフのお人柄に皆さん惹かれているんだと思います。

迎さん:ありがとうございます。あとはやっぱりリピーターさんですね。オープンから2ヶ月目くらいまでは知り合いが来てくれたり、SNSで話題になったりしていたので3ヶ月目以降が勝負だなと考えていました。だから、こんな小さな店に何回も通ってくださるのはとても嬉しいですし、本当に心強い存在だなと感じています。

この地域に住んでいる人たちの日常にある店になっていきたい

これからチャレンジしてみたいことはありますか?

迎さん:テイクアウトですね。独立する前の店で培ったノウハウと経験を生かして、お弁当やオードブルを提供していけたらなと。実はお客様からも要望が多くて、この地域にニーズがあるのは把握しているので、ゆくゆくはイベントや年中行事の時に対応できればと考えています。ただ、ネックはひとりでやってることなんですよね。

お客様の期待に応えたいけれど、ちょっと時間がかかりそうだと。

迎さん:今の営業と並行した場合、私、ほぼ寝れなくなっちゃいますから。やるとなればレギュラーの調理スタッフを雇うことになるので、テイクアウト以外にもランチでピザを出したり、自家製ベーコンに挑戦したりすることもできる。しばらくは今のままのスタイルでいきますが、いつか実現できるよう頑張っていきたいと思います。

では、最後に今後の展望をお聞かせください。

迎さん:いろんなパスタが気軽に食べられるランチに、季節の食材を丁寧に調理したコースが味わえるディナー。まちの洋食屋さんのような、カジュアルすぎず堅苦しすぎず、ゆったりとイタリアンを味わっていただける店にしていきたいです。

なるほど。

迎さん:そのためにも、地域の方々の認知度をもうちょっと上げていきたいなぁという思いはありますね。目標は、どの世代の人にも外食する時の選択肢のひとつにあがるようなお店になること。5年、10年と営業していくうちに、この店に来たことがない人にも「あそこにあるよね」「悪くないらしかね」と知られているような、東長崎エリアに住んでいる人たちの日常にある存在になりたいですね。

目を輝かせながら自分の店の未来を話してくださった迎シェフ。その人懐っこい笑顔と朗らかな人柄に接して、ミカマーレのファンになった方も多いのではないでしょうか。そんな迎さんが座右の銘は「Where there is a will, there is a way」。アメリカ合衆国第 16 代エイブラハム・リンカーンの言葉です。

「中学生の頃に塾の先生が言っていて、気になって意味を調べたらいい言葉やなって。それ以来、私の人生の道標になっていますね」

どんな困難な道でもやり遂げる意志さえあれば必ず道は開ける。

この想いを胸に47才の新米オーナーは、今日も厨房で腕を振るいます。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
mica male(ミカ マーレ)

長崎県長崎市矢上町32−13田川ビル 101号 ( Google MAP

営業時間:

11:00~16:00、17:00~20:00(不定休)※P2台のみ

TEL: 095-894-5881