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2023年6月、長崎県大村市に1軒の炭火焼ハンバーグ店が誕生しました。「BurgるBurg(ばーぐるばーぐ)」と名付けられたその店は、牛肉本来の味わいを楽しめる「牛100%バーグ」と溢れ出る肉汁の旨味がたまらない「牛豚MIXバーグ」で、訪れた大村市民の舌を唸らせています。
厳選したお肉を店内でミンチ状に挽いて形成したパテを炭火で焼き上げている「BurgるBurg」。こだわりの製法でお客様に最高のハンバーグを味わってほしいと、日々食材と向き合っているのが代表を務める梶原達也さん(40歳)です。
愛媛県出身で20代前半は東京で働いていたという梶原さん。長崎にほとんど縁もゆかりもなかった梶原さんが大村市でハンバーグ屋をやることになった経緯をお聞きすると、ワーキングホリデーとコロナ禍で体験した2度のターニングポイントを教えてくださいました。
梶原さん:20代中盤にワーキングホリデーという制度を使ってオーストラリアで過ごした経験が大きいですね。私が渡航した頃は日本食ブームで、現地には寿司屋、居酒屋、ラーメン屋といった和食の店がたくさん。さらに自分が滞在した2年の間に、吉野家や丸亀製麺のような有名チェーン店も次々とオープンしました。
梶原さん:そういう一点特化した飲食店が流行しているのを見て「自分も海外で日本食の店をやりたい」と思うようになったんです。和食やイタリアンを極めるには広く深い知識・技術・経験が必要。でも1品に絞ったお店であれば20代からでも勝負できるのではないかと考え、日本で経験を積むことにしました。
梶原さん:帰国後、日本では全国的にブームになっていた唐揚げに注目。生まれ故郷・愛媛で唐揚げ専門店「からあげジャック」を運営する会社へ入社しました。仕事にも慣れてきた頃、長崎へ出店する計画が立ち上がり移住。全国唐揚げグランプリで金賞を受賞した商品を武器に、10年で時津、銅座、滑石と店舗を増やしました。
梶原さん:やはり新型コロナの流行ですね。テイクアウト需要の恩恵を受けた一方で、対面での小売販売に限界を感じて今後を思案した時期でもありました。唐揚げに変わる商品はなんなのか。ソーセージやハムといった加工食品を検討する中で辿りついたのがハンバーグでした。
梶原さん:そうですね。理由は大きく2つあって、1つは大村にハンバーグ専門店がほとんどなかったこと。もう1つは冷凍加工食品として販路を広げたいと考えたこと。今手掛けているメニューが、ゆくゆく“BurgるBurgの冷凍ハンバーグ”として他の飲食店やスーパーに卸売できるようになればすごく魅力的だなと感じたんです。
梶原さん:ハンバーグって本当に奥が深くて、肉の部位や挽き方、割合、焼き加減等で味や食感がすごく変わる。なので、当店では一頭買いした牛肉を店内でミンチにして形成し炭火で焼き上げ。一番おいしいタイミングでお客様に食べていただくために、スキレットや鉄板に乗せて提供しています。少しわかりづらい場所にありますが、ぜひ一度、足を運んでいただけたら嬉しいですね。
九州ガス大村支社のほど近く、カラオケ店や居酒屋が軒を連ねる国道34号沿いの商業スペースにあるBurgるBurg。店の外壁には炭火焼とスキレット、そして店名の「る」を強調したお洒落なロゴ看板が掲げられています。
「名前の由来ですか?いろいろ考えたんですが、シンプルにわかりやすさと響きが重要かなと思って。最初はバーグバーグが候補だったんですけどググったらすでに使われていたんですよ(笑)。じゃあウチは“る”でブランディングしようと考えてBurgるBurgという屋号に決定しました」
梶原さんのワーキングホリデーとコロナ禍という大きな経験から大村に誕生した「BurgるBurg」。ハンバーグ屋をやりながら自社の冷凍食品を作るという大きなチャレンジを見据える梶原さんの目は、確かな手ごたえを感じているようでした。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県大村市水主町747-1 ( Google MAP )
営業時間:
11:30~14:00、17:00~21:00(月曜定休)
TEL: 0957-47-9056