閉じる
諫早市の市街地にある諫早公園から徒歩5分。長崎県内唯一の一級河川・本明川と並走する高城公園通りを東へ進むと、十字路の角に1軒の小さな白い建物が現れます。レトロなダークブラウンの扉を開けて中に入ると暖かみのある家具がお出迎え。こぢんまりながら落ち着いた雰囲気のおしゃれな空間が広がっています。
2020年1月にオープンし、美味しい料理が食べられる“まちなかの隠れ家カフェ”として高い評価を受けている「カフェトポールストア」。オーナー兼料理人として店を切り盛りしているのが久保進也さんです。「出身は諫早の多良見町。高校は長崎日大で、サッカーやってました」と少し照れくさそうに話す33歳の若きカフェオーナー。今回はそんな久保さんが料理に興味を持ったきっかけや独立するまでの経緯についてお話を伺いました。
久保さん:両親が共働きだったので小学生の頃から台所に立っていたんです。だんだんと料理がうまくなって、友達が家に来た時に簡単なものを作ってあげると喜んでくれたのが嬉しくて。それで進路を考えた時に自分の得意分野は料理だし、飲食に進んでみようかなと。実際に働いてみたら自分にはすごくあっていると感じましたね。
久保さん:はじめのうちは漠然と自分の店を持てたらいいな、くらいの気持ちでした。そこから約10年、和食や洋食の飲食店で働きながら調理だけでなく経営についてもいろいろと学ぶ中で「カフェをやろう」と決心。カフェで働いてコーヒーについて勉強する傍ら食品衛生責任者の資格を取得するなどオープンに向けてしっかりと準備を行いました。
久保さん:大きな理由の1つは「カフェの非日常的な空間と雰囲気が好きだから」ですかね。昔からカフェが好きでいろんなお店を巡っていたのですが、特に個人経営のお店はオーナーさんの想いや趣味嗜好がすごく雰囲気に出るんですよ。それがすごくいいなぁと。
久保さん:そうなんです。ウチの場合、私が料理から入ってきているので力を入れているのはフードメニュー。コーヒーは諫早のコーヒー豆専門店・naiで焙煎したオリジナルブレンドを使用しています。
久保さん:私自身、コーヒーの勉強をガッツリとしていたわけではなかったので身近にコーヒー豆のスペシャリストがいらっしゃったのはすごく心強かった。オリジナルブレンドの相談に伺った時も「深煎りで他にはないような感じで・・・」というふわっとしたオーダーにも関わらず、その日のうちにいい感じにしてくださいました。
久保さん:今年(2023年)の夏からはオレンジ、りんご、レモン、桃を煮詰めた自家製フルーツシロップを使ったフルーツソーダも提供を始めたんですよ。仕込みから完成まで半日ほどかかってしまいますが、手作りだからこそ細部まで味の調整が可能なんです。爽やかでおいしいと評判なので、ぜひ一度飲んでいただきたい自信作ですね。
「オープン準備は想像していたより大変でいろんな方に手伝っていただきました。手伝ってくださった方々には感謝しかありません」と振り返る久保オーナー。自分の作った料理で食べた人を喜ばせたい。そんな純粋な気持ちで料理人の世界に足を踏み入れた久保さんは、洋食・居酒屋・タイ料理・カフェと渡り歩き、その腕を磨き続けてきました。
「皆さんがおいしそうに食べている姿を見るのが、自分にとっての料理の楽しみですね」
久保さんの想いと好きがギュッと詰まった諫早の隠れ家カフェ。ハリーポッターの映画に出て着そうなレトロな扉を開ければ、ハイセンスなトポールワールドがあなたを待っていますよ。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県諫早市高城町8-17 ( Google MAP )
営業時間:
平日11:30~17:00、土・祝11:00~17:00(日曜定休)※予約不可
TEL: 050-1308-6489