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九州のど真ん中にある熊本県八代市。自然豊かなこの場所で「日本人のための新しい中国料理」をコンセプトにした人気の中国料理店があります。「新中国料理 謙張」。乾式タイルのシックでモダンな外観の町中華の魅力は豊富なメニューとその美味しさ。子どもから高齢者まで幅広い世代を虜にする味に地域の方々が足しげく通う実力店です。
創業は平成元年。30年以上にわたり八代の地で愛され続ける謙張の歴史と魅力について、2代目の松永大陽さん(23歳)にお話を伺いました。
松永さん:謙張は今年(2023年)で創業34年を迎えます。今は新中国料理と言っていますが、元々は父が24歳の時にオープンした小さなちゃんぽん屋でした。当時、僕は小さかったですが、座席数の少ない小さな店舗で父と母の二人三脚でやっていたのを覚えています。
松永さん:父は昔からちゃんぽんが好きだったようで、それが高じて自分でもちゃんぽん屋を出したと聞いています。ちなみに店名の「謙張(ケンチャン)」は母が父のことを「けんちゃん」と呼んでいたことが由来。謙は父の名前から、張はチャンと呼ぶ中国語からチョイスしたそうです。
松永さん:現在の場所にリニューアルしたのが2007年。僕が小学生の時でした。前の店に比べてかなり広くなったので子ども心にワクワクしましたね。それと最初は店内に僕の部屋があったのですが、予想以上に繁盛してしまっていつのまにかお客様用の個室として使われるようになったのは良い思い出です(笑)。
松永さん:八代は自然の恵みが豊かな土地なので、野菜や魚といった食材は基本的に地元産のものを仕入れています。特にこだわっているのは米。ウチは農家をやっている親戚が育てた「ヒノヒカリ」を使っています。粘り気があってしっとりしているのが特徴で、お客さんにもすごく評判がいいんですよ。
松永さん:やっぱり白米がウマいと食が進むじゃないですか。だから、最高の状態で炊きあがるようにこだわったのが水。いろいろ試してみて地元の地下水が一番合うと分かったので井戸も掘りました。
松永さん:1つ目は「美味しい料理はいっぱい食べられる」ということ。これは父からずっと言われ続けてきた言葉です。一口目の印象が強すぎる料理ってたくさんは食べられないんですよ。食べ進むと甘ったるく感じたり、塩辛くなったり、くどかったり・・・。だからこそ、たくさん食べられる料理はどんなものだろうと考えながら料理を作っています。
松永さん:2つ目は「飲食店は家庭の延長線上にあるもの」ということ。おなかをすかせた子どもが家に帰ってくると、親って料理をおなか一杯に食べさせるじゃないですか。それってお店とお客様との関係性に似てるなと思うんです。おなかがすいたお客様に美味しい料理を提供してたくさん食べていただく。「うまかった!また来るけん!」と言っていただくことにやりがいを感じています。
「家庭料理のように毎日食べても飽きない味がコンセプト。お客様の求める料理で満足していただけることが、飲食店や料理人の本質なんじゃないかと思っています」と人懐こい表情で話す松永さん。謙張の歴史を紡ぐ若き二代目のもとには、彼の情熱に魅せられた10~20代のフレッシュでエネルギー溢れる料理人たちが集っています。
「僕、この店が大好きなんですよ。自分の店だからということではなく、地域のお客様や頑張ってくれるスタッフ、応援してくださる人たちあっての謙張だと感じているから。そういう方たちの期待に応えられるよう、これからもしっかりやっていきたいですね」
取材・執筆/Komori Daigo
熊本県八代市横手町1680-2 ( Google MAP )
営業時間:
11:00~22:00(ランチ/11:00~15:00)
TEL: 0965-35-0575