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暮しを楽しむの手帖
旬魚季彩一誠#4 みんなを笑顔にし、楽しませる。それが料理の醍醐味。

熊本県八代市の中心地にある本町アーケードに店舗を構える「旬魚季彩一誠」。地元の旬の魚介類を使った絶品メニューや辛子蓮根、馬刺し、赤牛など熊本の郷土料理をリーズナブルに味わえると連日多くのお客様で賑わっています。

代表を務める料理人・一司誠二さんが居酒屋「旬魚季彩一誠」をオープンしたのは2012年。以来、10年以上この場所で「地元のうまかもん」を提供していますが、その間には熊本地震や集中豪雨、コロナ禍などさまざまな逆境が訪れたといいます。そんなピンチをチャンスと捉えて創意工夫を行ってきた一司さんに、「旬魚季彩一誠」の“これまで”と“これから”を語っていただきました。

自然災害やコロナ禍を通じて生まれた心境の変化

2012年にオープンして昨年(2022年)10周年を迎えられました。振り返ってみていかがですか?

一司さん:あっという間の11年。今は安定していますが、オープン当時はハプニングの連続でした。オープンした時に27歳だった私もアラフォーの仲間入りですよ(笑)。

2010年代の熊本は地震や大雨といった自然災害も多かったと思います。

一司さん:熊本地震が起きる前日から熱を出していたんです。そんな時に熊本では珍しい大きな揺れが起きました。体調不良の身で地震後の対応をすることになったのですが、もちろん仕事に集中なんてできません。そんな私を気遣ってスタッフたちが率先して店のことをやってくれてすごくありがたかったのを覚えています。

皆さんで協力しながら困難を乗り越えられたわけですね。2020年代にはいると、新型コロナウイルスという未知の感染症が大流行しました。

一司さん:時短営業やアルコールの提供自粛など影響は大きかった。ただ、それまでやっていなかったテイクアウトやデリバリーを始めたり、タッチパネルで注文できるセルフオーダーシステムを導入したり、新しいことに取り組むきっかけにもなったと思います。

ピンチをチャンスに変えられた、と。

一司さん:タッチパネルは本当に便利でスタッフの負担がぐんと減ったので導入して良かったです。コロナ禍を乗り切るために始めたお弁当もおかげさまで注文がどんどん増加。元々、弁当はコロナが落ち着くまでの限定サービスのように考えていたのですが、多い時には100個近くご注文いただくこともあり通常サービスとして継続しています。

一司さんご自身の気持ちの変化はありましたか?

一司さん:一歩立ち止まって考える時間の大切さに気付きました。それまでは日々の営業に追われてバタバタ働いていたのですが、コロナ禍で休業したりお客様が少なかったりする中で自然と自分の考えを整理することができた。今でも“何もせずに考える時間”を意識して働くようにしています。

最後に、一司さんにとっての「料理」とは。

一司さん:私にとって料理とは「みんなを笑顔にし、楽しませること」。旬魚季彩一誠にお越しいただくお客様はもちろん、大切なスタッフや家族など私に関わる人たちが幸せになれるよう日々努力を続けていきたいと思います。

「私含め、スタッフ全員がお客様へ笑顔で接客するように心がけています」とほほ笑む一司さん。せっかくなので出勤しているスタッフの皆さんで写真撮りましょう!、と声をかけるとわきあいあいとフレームに収まってくださり、雰囲気の良さが伺えます。

自然災害やコロナ禍という逆境を嘆くのではなく、成長の糧にして前に進んできた「旬魚季彩一誠」。会計を済ませて「ごちそうさま。おいしかったです」と挨拶をしながら店を出ていくお客様の満たされた幸せそうな表情が印象的でした。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
旬魚季彩 一誠

熊本県八代市本町1丁目10-44 ( Google MAP

営業時間:

12:00~14:30/17:30~22:00(不定休)

TEL: 0965-31-0700

URL:http://shungyokisai-issei.com/