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暮しを楽しむの手帖
旬魚季彩一誠#1 昔ながらの商店街で“季節の旬の食材を器に彩る”居酒屋オーナー

西に八代海(不知火海)、東に九州山地が広がり、古くからの干拓で開かれた平野部には日本三大急流のである1つ球磨川が流れる熊本県八代市。豊かな自然の恵みに囲まれたこの街の中心部にある昔ながらのアーケード商店街に1軒の居酒屋があります。

「旬魚季彩一誠」。2012年にオープンした一誠を代表として運営しているのが、生まれも育ちも八代という一司誠二さんです。学生時代に料理人を志し、10代で飛び込んだこの世界。20年というキャリアを積み重ねながら、八代の旬の食材でうまいものを作り続けている一司さんに料理人を目指したきっかけや料理人として大切になさっていることをお聞きしました。

おいしさを追求したいからこそ信条はもたない

料理人になろうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。

一司さん:10代の頃の夢は「将来は自分で会社や店を立ち上げたい」だったんです。ただ、漠然とした将来のビジョンだったので、自分でも「何がしたいのか」ははっきり見えていなかった。でも、高校生になって地元の居酒屋で厨房スタッフのアルバイトをしたことで飲食業界に興味がわき、料理人になろうと決意しました。

旬魚季菜一誠をオープンするまでにどのようなキャリアを積まれたのですか?

一司さん:高校卒業後すぐに地元の日本料理店で2年間の修業。その後、熊本市にあるホテル日航熊本の寿司橘で7年学び、2012年に念願だった八代に自分の店をオープンさせました。コンセプトは“季節の旬の食材を器に彩る”。
店名の「旬魚季菜一誠」にも、その想いを反映させています。

20代で独立という大きな決断なさったわけですが、開業場所として本町一丁目商店街を選ばれました。

一司さん:この場所は元々、高校時代にアルバイトをしていた居酒屋の2号店だったんです。ただ、居酒屋の旦那さんが亡くなられて2店舗を見ることが難しくなってしまったということで、「この場所を借りてやってみないか」というお話をいただいたんです。

料理人の世界に誘った恩師が大事になさっていた場所を受け継ぐ・・・。なんだかとてもドラマチックですね。

一司さん:私自身、修業時代に熊本から帰省する度に「商店街が寂れていってるな・・・」と感じていてアーケードでやりたいという想いは強かったんです。なので、スタートする時は少しでも商店街全体の集客につながればという強い想いがありましたね。

一司さんが料理人として大切にしている信条はなんでしょうか。

一司さん:信条を持たないことが信条です。

これは20年のキャリアの重みを感じる深い言葉だ・・・。

一司さん:簡単に言うと、こだわりすぎて視野を狭くしないということかな。例えば、魚のおろし方。基本的な方法は確かにあるんだけれども、果たしてそれが正しいのか、もっといいやり方があるんじゃないのか、と。美味しさを追求したいからこそいろいろなことに挑戦していきたい。これからもその想いを胸にお客様へ料理を提供し続けたいと考えています。

「20代のうちに修行のため八代を離れたことで、慣れ親しんだ故郷を外から見ることができたことも大きな経験。八代海(不知火海)や球磨川で獲れる海産物、野菜など八代の良さを改めて発見することができました」と話す一司さん。カウンター越しに見せる柔和なまなざしの奥には、地元への愛とおいしさの追求という情熱が静かに燃え続けているようでした。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
旬魚季彩 一誠

熊本県八代市本町1丁目10-44 ( Google MAP

営業時間:

12:00~14:30/17:30~22:00(不定休)

TEL: 0965-31-0700

URL:http://shungyokisai-issei.com/