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暮しを楽しむの手帖
ロムカフェ#4 これからものんびりしたハワイの雰囲気を忘れずに

2015年に大村市杭出津2丁目にオープンした「Rom cafe(ロムカフェ)」。交通量の多い国道34号線から脇道に入った住宅地にある路地裏のハワイアンカフェには、地元食材を使ったランチやスイーツを求めて幅広い年齢層のお客様が訪れています。

料理のおいしさだけはもちろん、ちょうど良い広さでゆっくり過ごせる店内や飾らない人柄の店主・原口雅子さんとの会話もロムカフェの魅力。今回はオープンから10年近くが経った今、振り返って感じていることやこれからの展望について原口さんにお話を伺いました。

誰かにとっての“特別な場所”になれる誇らしさ

2015年にオープンしてこれまでで印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

原口さん:高校生の男の子が来店していた時期がありました。椅子に座ってコーヒーを飲みながら勉強したり絵を描いたり・・・。高校生が1人で来る高校生は珍しかったのもあって、ちょこちょこ話をするようになりました。卒業後、その子は遠い大学に進学したのですが帰省する度に顔を見せてくれるので「やっててよかった」と思いましたね。

その男子高校生にとってロムカフェは特別な場所なのでしょうね。

原口さん:こちらは少し切ないお話なのですが、ご夫婦で来店されていたご年配のお客様があるときご主人だけでいらっしゃったんです。奥様は・・・と尋ねると亡くなられたということでした。大切な人と一緒に過ごす場所として選んでいただけていたことがありがたく、お客様の人生の一部にこの店があったということが誇らしく思えた瞬間でもありました。

すごく素敵な話だと思います。逆に困った体験はありますか?

原口さん:めちゃくちゃ大変だったのは2020年の集中豪雨。大雨特別警報も出ていたので早々に店を閉めて車で帰ったのですが、あと5分遅かったら逃げられなかったと言われました。店は35センチの浸水。必死に店内の掃除や機械の修理をしましたね。今も店の外に土嚢が置いてありますが、あれは次の大雨に備えているんですよ。

あの時は公共交通機関も止まるほどの記録的な大雨でしたから本当に大変だったと思います。

原口さん:コロナ禍も影響は大きかったですね。テイクアウトメニューをやりだしたこともそうですし、地域のイベントへの出店を取りやめたり、ウチを会場にしていたeスポーツ団体のカフェイベントの開催がなくなったり・・・。未知のウイルスでしたし、私も子どもが優先なので仕方のない部分もありますが、ちょっと残念だなと思っています。

なるほど・・・。でも、コロナが落ち着いてきて以前のようにお客様が足を運んでくださっているのはロムカフェが愛されている証拠だと思います。

原口さん:ありがとうございます。オープンする時に目指していたのが「人が集まってお客様同士が自然と仲良くなるようなアットホームなお店」だったので、そういっていただけるとすごく嬉しいです。

最後に、2025年にはオープン10周年を迎えられます。今後、ロムカフェをどのような場所にしていきたいと考えていらっしゃいますか。

原口さん:ハワイアンカフェというコンセプトの通り、お客様も私ものんびりリラックスして過ごせるお店、というのが大きな目標。予約や注文が大量に入ると店内があわただしくなってしまうこともあるのですが、うまくバランスをとりながらやっていければと思っています。

原口さんは「大きな夢としてはハワイに2号店を持つこと。ただ、ちょっと難しそうなので沖縄もいいなと思っています。なので、息子に『沖縄の大学に行ってほしい』ってお願いしてるんですよ」と冗談めかしながら笑います。

時にひとりで、時に誰かと、ゆったりしたオフタイムを過ごすことができるロムカフェ。飾らない人柄の原口さんの笑顔と料理は、これからも訪れる人々のおなかと心をハッピーで満たしていくことでしょう。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
Rom cafe(ロムカフェ)

長崎県大村市杭出津2丁目697−4 ( Google MAP

営業時間:

月~金/11:00~18:00、土/12:00~18:00(日曜定休)

TEL: 0957-51-5794