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25年のキャリアを誇る米田尚弘さんが腕によりをかけて作った料理を楽しめる諫早市の居酒屋「旬の肴菜よね田」。カウンターに掲示された味のあるお品書きは、日々、店主自ら書き直して張り直されています。
取材に伺った日は、各種お刺身、鳥レバー刺、牛肉ミスジソテー、玉子焼にポテトサラダとおいしそうな料理がズラリ。多種多様なメニューを提供している米田さんに、料理へのこだわりや料理の魅力について話をお聞きしました。
米田さん:「こだわりすぎない」ということかな。
米田さん:私はシンプルな料理が一番いいと思っています。例えば、諫早の有明海で獲れたアサリ。バター焼きや酒蒸しにしてもいいんですが、そのままホイルで包んで蒸し焼きにすると味が凝縮されて濃くなってウマいんですよ。お客さんにも大絶賛されているメニューです。
米田さん:割烹での修業時代にはさまざまな食材をいろいろな方法で調理していました。それこそアサリも昆布で出汁をとりながら酒入れて塩入れて旨味を抽出して・・・みたいなことをやっていたんですが、経験を積んでいくうちに自分が目指したいのは素材の味を大事にする料理だと気づいたんです。
米田さん:あと、メニューを定番化しないというのもある意味こだわりかもしれない。基本的に毎日仕入れに行くのですが、やっぱり食材でおいしい料理を作りたいんですよ。固定のメニューがあると、そのために探し回ったり妥協した食材を使ったりすることになってしまう。それは違うなと。なので、メニューは毎日、紙に書きだして貼っているんですよ。
米田さん:前回もお話しした通り、やっぱり自分が楽しく納得して旨い料理を提供することが一番。ただ、小規模なので1日の仕込み量もそこまで多いわけじゃないんです。だから必然的に人気メニューからストックが減っていって・・・。人気のポテトサラダはすぐ売り切れるので「ここのポテトサラダに感動して来とるとぞ~」なんて冗談ぽく怒られることもありますね。
米田さん:ウチはおひとりのお客さんがほとんどだからね。少ない量でいろんな種類の料理を食べたいという方も多いんですよ。だから、個数や量が加減できるものはできるだけ対応しています。わかりやすいのは鶏のから揚げ。通常は一皿5個ですが1個から注文OKにしています。
米田さん:よね田名物「焼売(しゅうまい)」ですね。
特徴は一般的な焼売の1.5~2倍くらいの大きさとあふれる肉汁。豚ミンチ、玉ねぎ、ショウガに塩コショウを混ぜて作った餡を皮で包んでいるのですが、仕込んだものを生のまま冷凍して注文を受けてから蒸し上げるのでとてもジューシーなんですよ。初めてご来店される際には、ぜひ召し上がっていただけると嬉しいですね。
「うちの焼売にはグリンピースは乗ってないんですよ。実はアレ、数を数えやすいようにしているだけなんで」と茶目っ気たっぷりにシュウマイ雑学を披露してくださる米田さん。秋・冬が旬の牡蠣を使った「牡蠣の昆布焼き」や季節ごとにうまい刺身など料理人ならではの知識と引き込むトークも「よね田」の魅力です。
できるだけ地元の食材を使い地産地消へ貢献する一方で、産地にこだわりすぎないのも米田さんが大切にしていることのひとつ。良い食材で旨い料理を作る。ブレずに“シンプル”な料理を貫く姿勢にベテランの矜持を垣間見ることができました。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県諫早市上町2-3 ( Google MAP )
営業時間:
17:00~24:00(不定休)
TEL: 0957-35-8088