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暮しを楽しむの手帖
朝げ屋#1 受け継いだ父の夢。脱サラし30歳で飲食店オーナーへ。

長崎県諫早市の中心部、アーケード街に面した商業施設・アエルウエストの1階に新鮮な魚介類を中心とした定食屋があります。「朝げ屋」。リーズナブルなお値段で新鮮な海の幸が食べられると2021年10月のオープン以来、着実にファンを増やしています。

そんな朝げ屋を切り盛りしているのは31歳の若きオーナー・下釜隆一さん。諫早で魚を中心にした飲食店を出店した経緯を伺っていくと、そこには尊敬する父への親孝行と青春時代を過ごした街へ貢献したい、という想いを聞くことができました。

父の夢でもある飲食店だからこそ、自分の縁のある場所で始めたい

下釜さんは元々、飲食店をやりたいという夢を持っていらっしゃったのですか?

下釜さん:いえ、実は「水族館の飼育員になりたい」というのが夢で、高校卒業後も専門的なことが学べる大学に進学しました。ただ、水族館職員は競争率が非常に高くて。その割に収入も思ったほど見込めなかったので、将来のことを考える中で諦めることにしました。その時に「せっかくなら一度都会に出て働こう!」と決心し東京で就職。サラリーマン生活を始めました。

東京ではどんなお仕事をされていたんですか?

下釜さん:化粧品販売の会社ですね。メーカーに商品を卸したり、お客様に直接販売したり。たまに簡単な施術なんかもしていましたね。

いわゆるサラリーマンとして会社勤めをなさってきた下釜さんが、地元・長崎に戻ってきて飲食店をやろう!と考えたきっかけはなんだったのでしょうか?

下釜さん:父が脳梗塞で倒れたことです。

ご家族の病気はとても大きな人生のターニングポイントですね。

下釜さん:私の実家は魚屋で、父はよく「飲食店の経営をしてみたかったな」と言っていたんです。病床の父を見て、「自分は夢も目標もないけど、父さんの代わりにその夢を叶えてあげよう」と強く思うようになり、長崎に戻ってくることにしました。

画像はInstagramより
自分の夢を息子が叶えてくれるなんて、お父様も喜ばれたと思います。最高の親孝行・・・いい話ですね~。

下釜さん:ありがとうございます。自分にとってはそれができる環境だったというのも大きかったですね。

下釜さんは長崎市のご出身ということですが、お父様の夢である飲食店を諫早でオープンしようと思ったのはなぜでしょうか。

下釜さん:私は諫早農業高校の卒業生なので、諫早は青春時代を過ごした街なんです。出店場所を検討している時に久しぶりに来てみたら、自分が学生の頃はもっと賑わっていたな・・・と感じてしまって。街がきれいになり新しいビルが建っているのにテナントが入っていないことに寂しさがわきあがったんです。そうした中、「せっかくなら自分の縁のある場所で始めたい」と思うようになりました。学生時代を過ごした街が少し寂しく見えたことがこの場所でのオープンを後押ししてくれた、と感じています。

一度は夢をあきらめた若者が、父親の夢を受け継ぎスタートさせた「朝げ屋」。
昨年(2022年)の10月にオープン1周年を迎えた手ごたえを下釜さんに尋ねると「たくさんの方に支えていただきながらやってきました。最近は市外・県外からこの店を目的に来ていただくお客様もいらっしゃるので嬉しいことだなと感じています」とほほ笑んでいました。

次回のインタビュー内容はお店のコンセプトや新鮮な魚介類を仕入れる際のこだわりなどについて。質の高い魚介類を毎日安定してお客様に提供できる秘密についてもお話ししてくださったのでぜひご覧ください。

■車でお越しの際は「アエルイースト」または「アエルまるたか」の駐車場をご利用ください(60分間無料)。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
お魚定食 朝げ屋

長崎県諫早市栄町1-1 アエルウエスト1F ( Google MAP

営業時間:

朝6時〜15時(定休日なし)

TEL: 0957-21-0277