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暮しを楽しむの手帖
朝げ屋#4 いろんな “まち”から「来てほしい」と思われるような定食屋に

諫早市中心部の商業施設・アエルウエストの1階に店舗を構える魚を中心にした定食屋「朝げ屋」。2021年10月にオープンしてから自慢の魚料理とこだわりのお米とお味噌汁でファンを増やし、Instagramのフォロワーも1000人目前まで迫っています。

そんな朝げ屋を切り盛りするのは31歳のオーナー・下釜隆一さん。実家が魚屋で幼いころから新鮮な魚介類を食べてきた下釜さんに、これからの「朝げ屋」についてお話を伺ってみると、柔和な雰囲気の奥に秘めた力強い想いを聞くことができました。

画像はInstagramより

おいしさの探求と丁寧な接客で顧客体験の価値を高める

少し話がそれますが、下釜さんが一番好きな魚介類を教えてください。

下釜さん:えー!一番ですか!?
長崎近海だとカジキもうまいですし、シマアジもいいなぁ。いやー、難しい・・・。
魚って“この時期にこの場所で獲れた”っていうのが重要で、旬かそうでないかで味が全然違うんですよね。だから1番は選べないです(笑)。でも、朝げ屋を始めてから「この魚、この食べ方したらうまいじゃん!」っていう発見はありましたね。

例えば、どんな魚ですか?

下釜さん:シイラですね。あまりおいしくないイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、旬の10~12月はすごく脂がのっているんです。フライにするとめちゃくちゃおいしくて、鶏肉を越えてる!と思いましたね。

日々、おいしい魚料理を提供するために研究をなさっているんですね。では次に、朝げ屋を運営する中で大切になさっていることはなんでしょうか。

下釜さん:お客様にとって定食屋のごはんがおいしいのって当たり前だと思うんです。だから最高の食材をおいしく味わえる調理方法を追求し続ける必要がある。でも、料理のおいしさって素材による部分がとても大きいので伸びしろはあまりないんです。そこで私たちが重視しているのはお客様とのコミュニケーション。良い印象が残るような丁寧な接客をすることを常に心がけています。

接客でCX(顧客体験)の価値を高める、ということですね。

下釜さん:その通りです。ただ、いろいろと課題もあるのが現状で。例えば、ウチは朝6時~昼15時で営業しているのですがランチタイムに比べると平日の朝食の時間帯はまだまだ来客数が多くありません。そういった課題をひとつひとつクリアしていきたいな、と考えています。

昨年(2022年)の10月で1周年を迎えられました。これから「朝げ屋」をどのような店にしていきたいとお考えでしょうか。

下釜さん:まずはこのエリアで暮らしている皆さんに使っていただける店になりたいというのが目標ですね。美味しい魚を地域の人たちが食べにくる、「朝げ屋」を目的に観光客が諫早を訪れる。そうして人が集まる場所をつくることで活性化に貢献できるのではないかなと思っています。

生活の一部としてまちに馴染んでいるようなお店になりたいということですね。

下釜さん:はい。そして、もうひとつ大きな目標があって、それは他のまちから呼んでもらえるようなお店になることです。

“まち”から呼んでもらえるお店、ですか。

下釜さん:私がこの場所で店をオープンさせたのは、学生時代を過ごした諫早の活気が少しずつなくなっているように感じたからです。そういう“賑わい”が失われつつある場所ってたくさんあると思うんですよね。そうしたまちの方々から「朝げ屋さん、来てほしいなあ」「朝げ屋ができたら賑わいが出るのになあ」と声をあげてもらえるような店づくりをしていきたいと考えています。

画像はInstagramより

いろいろなまちを盛り上げる1つの選択肢になっていきたい、と真剣な表情で語る下釜さん。父の夢を受け継いで飲食店を開業した若きオーナーの目には、新鮮な魚で人もまちも満たしていく、そんな美味しくて賑やかな未来が映っているようでした。

■車でお越しの際は「アエルイースト」または「アエルまるたか」の駐車場をご利用ください(60分間無料)。

※取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
お魚定食 朝げ屋

長崎県諫早市栄町1-1 アエルウエスト1F ( Google MAP

営業時間:

朝6時〜15時(定休日なし)

TEL: 0957-21-0277