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暮しを楽しむの手帖
朝げ屋#2 質の高い魚介類を安価で安定して仕入れるために

諫早市中心部のアーケード街に面した商業施設・アエルウエストで新鮮な魚を使った定食を中心に提供している「朝げ屋」。朝6時~夕方15時という飲食店としては珍しい営業時間ですが、お昼時の店内は新鮮な魚介類をリーズナブルな値段で食べようという人で賑わっています。

今回はそんな「朝げ屋」のコンセプトや毎日新鮮な魚介類を安定して仕入れることができる秘密についてオーナーの下釜隆一さんにインタビュー。魚屋の息子として育った環境や都会でのひとり暮らし経験から生まれた想いが「朝げ屋」のベースになっていました。

画像はInstagramより

ふと「うまい魚が食べたい」と思った時に気軽に来れる場所でありたい

コンセプトを「新鮮な魚をメインにした定食屋」にしようと思った理由はなんだったのでしょうか。

下釜さん:東京で一人暮らしをしていた時の経験が大きいですね。多くの方がそうだと思うのですが、一人暮らしの自炊だと魚を調理する時間はなかなかとれないじゃないですか。だからたまに食べたいなと思うと外食になるんですが、魚介類の定食を出している店もほとんどなかった。だからそういう受け皿になれたらいいなと思ったんです。

朝6時~午後15時という営業時間にも、その想いが表れているわけですね。

下釜さん:そうですね。塩サバや焼き鮭などの魚料理一品にお米・みそ汁という日本らしい定食を朝ごはんやランチに提供したいと考えて、営業時間を設定しました。

長崎近郊の新鮮な海の幸を気軽に食べることができるのは嬉しいですね。朝食だけでなく昼食メニューも充実していますし、何より「この値段でこの料理が食べられるの!?」という驚きが大きいです。

下釜さん:前回のインタビューでお話した通り私の実家は魚屋をやっていて、現在は県内のディスカウントストアに卸しています。じつはウチの仕入れもそれに併せているんです。それによって、料亭で使われるようなレベルの新鮮で質の高い魚介類を比較的安価に仕入れることができています。

画像はInstagramより
家業の流通ルートを最大限に活用していらっしゃるからこそ、ハイクオリティローコストのメニューを提供できるんですね。

下釜さん:長崎、松浦、佐賀と3つの仕入れのルートがあるのも特徴です。魚介類の水揚げ量は天候に大きく左右されます。例えば、海が時化た日に水揚げ量が少ない中で質の高い魚を仕入れるのは非常に難しい。けれど、広範囲かつ複数のルートがあることで安定して鮮度も質も高い魚介類を仕入れることができるんです。

リスクをしっかりと回避することで、毎日お客様においしい料理を提供することが可能になっている、と。

下釜さん:そうですね。加えて、港によって水揚げされる魚にも特色があって、地場のものが一番おいしいというのも理由のひとつ。海産物が多いエリアなので、産地にこだわりすぎるのではなくおいしい旬な魚料理を提供していきたいと考えています。

ところで、この記事の公開が1月を予定しているのですが、1~3月くらいで旬を迎える魚はなにかありますか?

下釜さん:やはりブリですね。長崎のブリは全国的に見てもレベルが高くて食べた後に口の中に残るくらい脂がのっている。個人的にはブリの産地として有名な富山の氷見に負けてないんじゃないかと思っています。去年は照り焼き、ソテー、フライ、ブリ大根などいろいろな調理方法で出しました。今年もそのおいしさを楽しんでいただけるように力を入れたいと思っています。

この辺のブリのおいしさを一番感じることができるのはやっぱり刺身ですね、と笑う下釜さん。幼いころから新鮮な魚介類を食べて育った味覚と魚屋を営む実家の流通経路を最大限に活かした料理がメニュー表にはずらりと並んでいます。目利きのプロが毎朝漁港で厳選した旬の魚を味わってみたい!という方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

次回は魚介類と同じくらいこだわりがあるという朝げ屋の「ごはん」と「お味噌汁」をリサーチ!オススメメニューの紹介に加えて、人気の「朝げ屋定食」の実食レポートもありますのでお見逃しなく!

■車でお越しの際は「アエルイースト」または「アエルまるたか」の駐車場をご利用ください(60分間無料)。

※取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
お魚定食 朝げ屋

長崎県諫早市栄町1-1 アエルウエスト1F ( Google MAP

営業時間:

朝6時〜15時(定休日なし)

TEL: 0957-21-0277