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暮しを楽しむの手帖
nai#2 コーヒー豆専門店としての誕生秘話

諫早市の廃業した町工場の中にあるコーヒー専門店「nai」。オーナーでロースターの近藤彰さんが30歳の時にオープンし、開業から2年を越えた今でも着実にファンを増やし続けています。

長崎のカリオモンズコーヒーでロースターとしてキャリアを重ねてきた近藤さんが叶えた「独立」という夢。そこには、諫早の地でコーヒー豆専門店を開業するに至った不思議な縁と後押しがありました。

期間工で愛知に行っていなければ「カフェ」だったかもしれない!?

独立を決意されて2019年にカリオモンズコーヒーを退職し、翌年「nai」をオープンされたわけですが、この場所を選んだ理由はあるのでしょうか。

近藤さん:最初は長崎市内で探していたのですが良い物件がなかったんです。そんな時に知人がこの場所を紹介してくれて。このだだっ広い町工場の中に建物を建ててやったら面白いんじゃないか、と思ったのがきっかけですね。

確かに、工場の中に焙煎所の小屋が建っているのはとてもユニークだと思います。

近藤さん:ありがとうございます。実は、最初はカフェをやろうと思っていたんですよ。

そうなんですか!? なぜそこからコーヒー豆専門店に方向転換することになったんでしょうか?

近藤さん:退職してから店舗が稼働できるまで半年くらい時間ができたんですね。そこで資金調達も兼ねて愛知県に期間工として働きに出ることにしました。その時に出会っちゃったんですね、とても素敵なコーヒー豆の専門店に。

大きなターニングポイントだったわけですね。

近藤さん:豊田市にあるコーヒー豆の専門店なのですが、30mほど離れたところにカフェを構えている。コーヒー豆の販売とカフェを切り離しているビジネススタイルがすごくおもしろいな、と思いました。

コーヒー豆を買いたい人とカフェでゆっくりしたい人、それぞれニーズが別だという発想ですね。

近藤さん:それがすごくお客様もわかりやすいなと。カリオモンズで働いていた時から感じていた「カフェ利用する人」と「豆を買う人」の志向の差というものがはっきりと見えたんです。それがきっかけでコーヒー豆専門店をやろうと決めましたね。naiのスタイルもマケットコーヒーをモデルにしているくらいなんですよ。

もしその出会いがなければnaiはカフェだったかもしれないと。

近藤さん:当時は豆だけでやれるという発想はなかったので、全然ありえたと思います。

まさに目からうろこだったんですね。最終的にコーヒー豆専門店でいける!と思えた要因はなんだったのでしょうか。

近藤さん:コーヒー豆の販売ビジネスってすごくやりやすいんです。基本的な業務は焙煎と販売だから自分ひとりでも営業できるし、体力的にも年齢を重ねてもやれる。販路も小売り・卸売りととても幅が広いなと感じたのが大きな要因ですね。

コロナ禍で飲食店に大きな影響が出ていたことも方針を大きく変える要因の1つではありましたね、と振り返る近藤さん。コーヒー豆専門店「nai」の誕生には、まるで焙煎の神様に誘われるように動いた若きロースターの探求心が存在していました。

次回はロースター・近藤さんのコーヒー豆や焙煎に関するこだわりについてインタビューしていきます。

※取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
nai

長崎県諫早市幸町13-17 ( Google MAP

営業時間:

10:00~17:00/金曜のみ12:00~18:00(木曜定休)

TEL: 0957-46-5504

URL:https://naicoffee.thebase.in/