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暮しを楽しむの手帖
チュンカフェ#3 シンプルで甘さ控えめ。コーヒーと相性ぴったりなペアリングスイーツはいかが?

家族で経営するアットホームな喫茶店として人気を集めている大村市のチュンカフェ。マスター・喜田洋史さんが淹れるコーヒー、妻・敬子さんが腕を振るう日替わりランチと並んでチュンカフェの看板メニューとなっているのが、おふたりのご息女・青島かすみさんが手がける自家製ケーキです。

「小さい頃の夢がケーキ屋さんになることだったんです。高校を卒業した後にパティシエの専門学校に進学。その後、洋菓子店で働き実務に励みました。5年経った頃、両親が喫茶店を開くということだったので、私もパティシエとして一緒にやりたいと伝えたんです」

前職の洋菓子店で5年、チュンカフェで11年と、パティシエとして16年の経験を積んできたかすみさんが作るケーキを求めてチュンカフェを訪れるお客様も多いそう。今回はそんなかすみさんのケーキについてお話を伺っていきたいと思います。

冬~春限定のいちご大福、オーダーメイドのホールケーキ。この道16年のパティシエが手がけるデザートを味わって

チュンカフェのケーキのこだわりを教えてください。

青島さん:チュンカフェは地元の人たちが来る喫茶店なので、シンプルでリーズナブルなケーキを出しています。甘さを控えめにすることで父が淹れたコーヒーに合わせて軽く食べられるような感じ。あと、保存料は使わずに新鮮な状態で提供するようにしています。

今日もショーケースにはいろんな種類のケーキが並んでいます。

青島さん:固定で出しているのはガトーショコラと紅茶ロールくらい。あとは毎日、これにしようかなと思いついたものを作っている感じです。ちなみにランチタイムは+300円でケーキセットにできるので、料理もケーキも楽しみたいという方におすすめしています。

ちなみに一番人気のケーキはどれですか?

青島さん:この店がオープンして11年経ちますが、ずっと人気なのは「ガトーショコラ」。それとこの時期限定の「苺大福」も人気かな。地元の大きくて美味しいイチゴが手に入ったら作るのですが、出したらその日に全部売り切れるくらいなんですよ。

ショーケースのケーキ以外にもフレンチトーストにフォンダンショコラ、かんざらし、きなこもちと抹茶のセットとバリエーションに富んだデザートを用意なさっています。

青島さん:フレンチトーストはチョコバナナ、フルーツ、冬~春限定のイチゴの3種類。フォンダンショコラはご注文をいただいてから焼きますのでお時間がかかりますが、ふっくら生地と濃厚なチョコクリームの口どけが魅力の一皿になっています。

どれにしようか迷ってしまいますね。

青島さん:「かんざらし」は江戸時代から続く島原の伝統的なスイーツ。白玉粉で作った小さな団子を冷やし、特製のシロップをかけたものです。実はデザートの中でかんざらしは父の担当。大村には長崎空港があるので観光客にふるまいたいという父の想いでオープン当初から提供しています。

ところで、チュンカフェではホールケーキの注文も受けていらっしゃると聞きました。

喜田さん:事前予約制でオーダーメイドケーキを作っています。注文で多いのはお子さんやお孫さんのための誕生日ケーキ。その子が好きなフルーツを使ったり、ドレス風のデコレーションにしたり・・・。二段ケーキの注文もあったかな。ケーキをお渡しした時のお客様の笑顔が嬉しいので、これからも続けていきたいと思っています。

取材当日のショーケースにも、かすみさんお手製のおいしそうなスイーツがずらり。ガトーショコラ、キャラメルショコラ、シナモンとりんごのパウンドケーキ、ミックスベリーのチョコケーキのほか、クッキーシュークリーム、苺大福がにぎやかに並んでいます。せっかくなので記者もマスターおすすめの「ミックスベリーのチョコケーキ」をいただくことに。

カットされた断面はスポンジとムースが交互の層になったクラシカルな美しさ。フォークで切り分けて口に運ぶと上品な甘みとベリーの酸味のハーモニーが舌の上に広がります。その味わいが残っているところに淹れたてのコーヒーをひと口。マイルドなコーヒーがチョコレートの風味を引き立てます。

父が淹れたコーヒーと娘が作ったケーキ。大村の小さなカフェのフードペアリングの相性の良さの背景には、12年間一緒に店を切り盛りしてきた親子の絆が隠し味になっているのかもしれません。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
Chun Cafe(チュンカフェ)

長崎県大村市諏訪2丁目669 ( Google MAP

営業時間:

11時~18時(ランチは14:30まで)※日・月曜定休

TEL: 0957-47-5454