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暮しを楽しむの手帖
チュンカフェ#1 マスターは定年退職した元自衛官。“ケーキとランチがおいしいちっちゃなカフェ”

JR大村線の諏訪駅から徒歩3分。閑静な住宅街の十字路に地域の人々が集う小さな喫茶店があります。その店の名前は「Chun Café(チュンカフェ)」。店主である喜田洋史さん、奥様の敬子さん、そしてお嬢さんのかすみさんの3人で切り盛りしています。

定年まで自衛官として勤め上げた洋史さんがチュンカフェをオープンしたのは2012年。第2の人生をどうするか迷っている時に、友人たちのアドバイスや後押しを受けて夢だった自分の店を持つことを決めたそう。今年で12年目を迎えるチュンカフェには敬子さんの手料理、かすみさんの自家製スイーツを食べにくるお客様で賑わっています。

そんなチュンカフェについて、コンセプトやこだわりなどを洋史さんにインタビュー。家族の愛に包まれた“ケーキとランチがおいしいちっちゃなカフェ”の魅力をお伝えします。

妻は料理、娘はケーキ。マスターのお仕事は雑用全般!?

なぜ、自衛隊を定年退職した後にカフェをやろうと思ったんですか?

喜田さん:私、20歳までは喫茶店をやっていたんですよ。その後21歳で自衛隊に入隊してからは大分、沖縄、そして大村に赴任。自衛官として勤務している時はどっぷり浸かっていたので自分の店を持ちたいとかそういう想いはほとんどありませんでした。

喫茶店から自衛官というは思い切った転身ですね。それから定年の54歳まで自衛隊で勤務されていらっしゃった。

喜田さん:ただ、定年が近づいてきてこれからの人生をどうしようか考えていた時に、高校の教師をやっている友人が『喜田のこれからを考えるワークショップ』というのを開催してくれて。そこでいろいろと気持ちを整理するうちに心の底にしまっていた「いつかまた喫茶店をやりたい」という想いがだんだんと強くなっていきました。

その想いを実現して誕生したのがチュンカフェです。

喜田さん:いろんなことがうまい事かみ合ったというのはありますね。妻は料理が得意、娘はパティシエとして修業をしている。私もずいぶん昔ですが喫茶店経営の経験がある。この店も元はガラス会社の倉庫だったんですが、大家が知り合いで「喜田さんだったら貸していいよ」と。リフォームも大工の友人がやってくれて、本当にたくさんの人に支えられてオープンすることができました。

ケーキとランチがおいしいちっちゃなカフェと銘打っていらっしゃいます。特にこだわったところはありますか?

喜田さん:薪ストーブですね。これは絶対に置きたいと思っていました。薪ストーブってエアコンとも石油ストーブとも違う温かさなんですよ。寒い時期には体が心から温まるとお客さんから好評いただいています。

チュンカフェのコンセプトを教えてください。

喜田さん:私たちの若い頃、喫茶店は学校が終わったら友人たちと集まって「なんしようか?」と話をするような場所だった。違う高校の奴とも喫茶店で仲良くなったり・・・。そういう懐かしい昭和の感覚を残しているような場所というのがチュンカフェのコンセプトですね。

喜田さんがお客様と和やかに話をなさっているのが印象的です。

喜田さん:この店は年配の常連さんが多いんですよ。大体、8割くらいのお客さんは名前がわかるかな。お客さん同士も繋がっていて、お昼どきやティータイムになるとご飯食べながら「ああだったこうだった」と情報交換なさっています。そういう地域の交流の場としてがんばってきたいですね。

※画像はFacebookより

オープンから12年、親子3人で経営してきたチュンカフェ。料理担当は妻・敬子さん、デザート担当は娘・かすみさんということで、洋史さんは何を担当されているんですか?と尋ねると「掃除と仕込み。あとはコーヒー淹れたりカレー作ったり。まあ要は雑用ですよ」といたずらっぽい笑顔で答えが返ってきました。

「自衛隊で働いていた時は亭主関白だったんですが、定年してチュンカフェをやるようになって妻と娘に『ありがとう』という回数がめちゃくちゃ増えました。ふたりがいないとこの店は成り立たない。私の夢を一緒に叶えてくれた家族には本当に感謝しています」

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
Chun Cafe(チュンカフェ)

長崎県大村市諏訪2丁目669 ( Google MAP

営業時間:

11時~18時(ランチは14:30まで)※日・月曜定休

TEL: 0957-47-5454