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暮しを楽しむの手帖
珈琲店ミック#2 創業から変わらぬブレンドコーヒーに名物のホットサンドを添えて

創業57年を迎える八代市の喫茶店「珈琲店ミック」。コーヒー色で統一されたレトロな店内にはスピーカーから重厚なジャズが流れていて、どこか懐かしい昭和のノスタルジーを感じます。

ジャズ好きのマスター・出水晃さんが22歳の時にオープンした珈琲店ミック。店舗看板に書かれた「full cup of coffee. just a bit of jazz.(一杯のコーヒーとほんの少しのジャズ)」のフレーズには、八代にも人が自然と集まる様な場所を作りたいというマスターの想いが込められています。

そんな珈琲店ミックで創業時から守り続けているのがオリジナルブレンドのコーヒー。今回は八代市民に長く愛されている看板メニューについて、マスターの長女であるスタッフの笠井麻衣さんにお話を伺いました。

半世紀にわたって愛されるミックのフードペアリングをお楽しみあれ

ミックの看板メニュー「ブレンドコーヒー」。そのこだわりを教えてください。

笠井さん:創業当時からコーヒー豆の配合と焙煎をお願いしているのが熊本にあるミリオン珈琲さん。安定して同じコンディション、同じ味に焙煎してくださる職人さんの技を全面的に信頼していますね。

ミリオン珈琲あってこそのミックだと。

笠井さん:そうです。最近は自家焙煎が流行っていて「ミックでもやらないの?」と聞かれることもありますが、餅は餅屋。焙煎素人の私たちがやるよりも、長年のお付き合いでミックのコーヒーを熟知しているプロにお任せすることで創業から変わらない味を提供していけると考えています。

では、実際にオリジナルブレンドのホットコーヒーをいただいてみましょう。・・・マイルドな口あたりでバランスの取れた味ですね。どこか懐かしい香りと風味はノスタルジックな昭和の光景が浮かんでくるようです。

笠井さん:「ミックと言えばブレンド」という方は多いですね。25年ほど前に初めてスペシャルティーコーヒーのフェアを開催したのですが、「いつもんとでよか」というお客様がほとんど。最近はストレート豆を楽しむお客様も増えてきましたが、まだまだブレンドコーヒーが一番人気ですね。

そんなブレンドコーヒーに合う軽食があると聞きました。

笠井さん:こちらの「ケアリーセット」ですね。「野菜・コーン・チーズ」「りんご・ラムレーズン」という2種類のホットサンドにサラダ、フルーツ、飲み物がセットになった半世紀近く続くロングセラーになります。

昔から人気のホットサンド。合わないわけがない!

笠井さん:元々はチーズ焼とりんご焼という単品メニューだったのですが、どっちも食べたいというお客様の声に応えて誕生したのがケアリーセットなんですよ。

では早速、チーズ焼の方から・・・。トーストのサクサク感とチーズのトロトロ感がいいですね~。リンゴ焼の方はアップルパイのような風味でデザート感覚。どちらもブレンドコーヒーの持つ大人の苦さにマッチしています。

笠井さん:本当にずっと大人気で、一度、新作サンドイッチを周知するために提供を止めた時には多くのお客様から「復活してほしい」と要望がでたほど。セットの飲み物でブレンドコーヒーが選べますので、ぜひフードペアリングで楽しんでみてくださいね。

昭和42年から八代の憩いの場として愛されてきた珈琲店ミック。半世紀以上の歴史を持つ喫茶店だからこそ、お客様が「これがミックだ」と感じているものには極力手を加えないようにしていると笠井さんは話します。

「生活の一部であり思い出の場所とされる方がひとりでもいらっしゃれば、そのお蔭で続いて来たということですから。温故知新の精神で新しいことは取り入れつつ、古くても定番になっているものは大切にしていく。そうすることで、変わらず『おくつろぎの場』であり続けられればと思います」

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
珈琲店ミック

熊本県八代市萩原町1丁目2 ( Google MAP

営業時間:

9:00〜18:00(水曜定休)

TEL: 0965-32-2261