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暮しを楽しむの手帖
うぐいす家#4 創業から100年経ってもお客様から愛される店であるために

長崎県大村市にある居酒屋「うぐいす家」。外食産業黎明期である昭和28年(1958年)にオープンしたこの店は創業から焼き鳥の持ち帰り販売を行ってきました。当時は日本にマクドナルドやミスタードーナツといったファーストフード店が出店する前。長崎の地方都市にありながらイートインorテイクアウトの営業スタイルで地域のソウルフード的存在として親しまれてきたといいます。

「当時は入り口に赤提灯が下がっているような店で、食事をするというよりは酒を飲むところ。家族で食事する人は滅多にいなかったですが、テイクアウトを受け付けていた窓にはお小遣いをにぎりしめた子どもたちや夜勤の自衛隊員の方がよく並んでいたのを覚えています」

そう話すのは3代目店主の松永奈美さん。夫の振一郎さんと共に切り盛りする現在の店舗にも、風除室から直接厨房に注文できるテイクアウト専用の受付が設けられています。今回はそんなうぐいす家のテイクアウトメニュー、そして今後の展望についてお話を伺っていきたいと思います。

創業から続くテイクアウトのノウハウが未曽有の時期を乗り越える強みになった

創業当時から焼き鳥の持ち帰り販売をしているうぐいす家。今はどんなテイクアウトメニューがあるのでしょうか。

奈美さん:祖父母の代からやっている焼き鳥に加えて、串焼き、網焼き、揚げ物、お惣菜、おにぎりなどを販売しています。

焼き鳥以外にもいろいろ作っていただけるんですね・・・。これは嬉しい。

振一郎さん:実は、数年前までは串ものしか持ち帰り販売していなかったんですよ。それがコロナウイルスの大流行で外食シーンから人がいなくなってしまった。多くの飲食店がテイクアウトに新規参入する中、ウチは半世紀以上の実績があったので「これまでのやり方に意味があったんだなぁ」と実感しました。

ノウハウがあるのはすごい強みだったと思います。

奈美さん:お客様もウチで持ち帰りできるのを知っているので、大々的に打ち出さなくても「今日、やってる?」って買いに来てくださった。ソーシャルディスタンスが叫ばれる中、笑顔で焼き鳥を受け取るお客様を見ているうちに、もっとメニューを増やせば喜んでいただけるんじゃないかと思うようになったんです。

テイクアウト需要に対して「お客様のために」という想いで応えた、というわけですね。

振一郎さん:昨年(2023年)はコロナがだいぶ落ち着いたからか、アイドリングが一気に解放されたかのようにイートインのお客様が急増。テイクアウトも相変わらず好評でメニューも継続していますが、週末など状況によっては持ち帰り対応ができないこともあるので事前にご予約いただければ幸いです。

それでは最後に、うぐいす家の今後の目標・展望をお聞かせください。

奈美さん:大村市ってずっと人口が増えていて、今後も再開発でどんどん発展していくと思うんですよ。それはつまり、飲食店の数も増えるということ。その中でも、お客様から選んでもらえるような「うぐいす家」であり続けたいと思っています。

振一郎さんはいかがでしょう。

振一郎さん:大村の人は仲良くなるとすごく大切にしてくださる。そういう市民性だからこそ、私たちも料理や接客に真摯に向き合ってお客様を大事にしていきたい。「うぐいす家」を愛してくださるお客様が自然と集まるよう、これからも何事も丁寧に努力を重ねていきたいですね。

親子3代にわたり受け継がれてきた「うぐいす家」の料理。それは多くのお客様にとって、子ども時代に家族と食べた想い出の味でもあります。創業70年という長い歴史を持つ老舗だからこそ、お客様も無意識にその味を我が子へと継承しているのかもしれません。

「今、家族で食事に来たり、テイクアウトを自宅で食べたりしている大村のちびっこたちが、大人になって自分の子どもを連れてきてくれたら最高ですね」

そういってほほ笑む奈美さんと振一郎さん。カウンター越しにこちらを見つめるふたりの目には、老舗の味をこれからも守っていくんだという静かな情熱が浮かんでいるようでした。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
うぐいす家

長崎県大村市本町397−1 ( Google MAP

営業時間:

18:00~23:00(火曜定休)

TEL: 0957-53-5837