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暮しを楽しむの手帖
うぐいす家#2 調理担当の妻と接客・ドリンク担当の夫。スタッフと共に守る老舗居酒屋の味

東に多良岳県、西に大村湾を望む雄大な自然と大村藩から続く歴史を感じることができる大村市。毎年8月に開催される「おおむら夏越まつり」ではJR大村駅に巨大な提灯大やぐらが出現し、会場となる夏越夢通りには多くの市民が訪れて夏の風物詩を楽しんでいます。

そんな夏越夢通りの沿道に店を構えているのが昭和28年創業の居酒屋「うぐいす家」。駅前再開発に伴い2012年に移転リニューアルし、現在は3代目の松永振一郎さん・奈美さんが営んでいます。

調理は奈美さん、接客は振一郎さんとお互いの得意分野を生かして老舗の味を守り続けているおふたり。今回はそんな松永さんご夫妻の仕事観・夫婦観をお聞きしていきたいと思います。

出逢いはうぐいす家。焼き鳥屋の娘と常連客から夫婦になったふたりの物語

おふたりの出会いはどういう経緯だったんですか?

奈美さん:まだアーケードに店があった頃、主人がお客さんとしてよくウチの店に来てくれていたんですよ。そこからまあ色々あって結婚に至る、と。お互いアラフォーの初婚同士だったので仲間からは「奇跡の人たち」って茶化されましたね。

赤提灯時代のうぐいす家がキューピッド。素敵ですね・・・!

振一郎さん:当時、私は諫早で働いていたのですが「一緒にうぐいす家をやっていこう」と結婚を機に退職しました。その頃から調理師免許を持っている妻が調理、私は持っていないので接客とドリンクを担当しているんですよ。

あれ?そういえば奈美さんは調理師学校で学ばれたわけではなかったですよね。いつ頃調理師免許を取得したんですか。

奈美さん:調理師免許は一定年数以上の実務経験があれば試験を受けることができるんですよ。うぐいす家で働きだして10年くらい経った頃に、近所で食堂やってる人に「免許とんなさいよ」って言われて。母も高齢だし、やってみるかと。無事に試験もクリアできた時はホッとしました。

小さい頃からおばあ様・お母様の串の焼き方を見てきた奈美さんが、今はうぐいす家の料理人として厨房に立っていらっしゃると。

奈美さん:私は接客があまり得意ではないので、お客様と円滑にコミュニケーションをとりつつ、店全体を俯瞰して細やかな対応をしてくれる主人の存在は本当にありがたい。この人が声をかけるとほとんどのお客様の表情が緩むので、懐に入るのが上手いんだなぁと感心しています。

確かに振一郎さんと話しているとすごく安心感があります。お客様と接する時にはどんなことを心がけているのでしょうか。

振一郎さん:自分が他の店で外食した時に嬉しいと感じたこと、良かったと感じたことをお客様に還元するようにしています。例えば、注文が決まりそうなら呼ばれる前にテーブルに行く、グラスが空いていたら追加オーダーを尋ねる。そういう小さな心配りが大切だと感じています。

なるほど。

奈美さん:ふたりの感性が近いのもいいんですよね。「このミニチュアサイズのお椀にお通し盛り付けて出したら女性が喜ぶかも」「この料理の盛り付け、もっと緑が欲しいけんスナップエンドウ足そうよ」みたいなアイデアをよく2人で出し合っています。

確かに、見た目も料理のおいしさの1つですね。

振一郎さん:私の実家が外食の多い家庭だったんですよ。子どもの頃からいろんなお店で食べるうちに料理とか盛り付けに興味を持つようになりました。今でも外食に行ったときにはそのお店の雰囲気や盛り付け、器の見せ方などをすごく参考にしています。

お互いにリスペクトしながら働いていらっしゃるのがよくわかります。

振一郎さん:たまに細かすぎるって面倒くさがられますけどね(笑)。でも、私も良く通っていた思い出の味を妻と一緒に受け継いでいけることはとても幸せですし、これからも夫婦ふたりで頑張っていきたいと思います。

「私、生まれた頃からお店が生活の一部になっているから、自分が休むっていう感覚があんまりないんですよね。今のうちにアレしといたら後で楽になると思ったら店休日でもちょこちょこ店に来てちょこちょこやっているんですが、主人はいつも付き合ってくれる。そこは本当に感謝していますね」

焼き鳥屋の娘と常連客という関係から結婚した奈美さんと振一郎さん。歯に衣をきせないテンポの良いやりとりは絆の強さを表しているかのよう。うぐいす家を訪れたらきっとあなたも「こんな夫婦になりたい」と感じると思いますよ。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
うぐいす家

長崎県大村市本町397−1 ( Google MAP

営業時間:

18:00~23:00(火曜定休)

TEL: 0957-53-5837