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暮しを楽しむの手帖
にじいろ#4 小浜の日常に溶け込めるようなお菓子屋さんへ育てていきたい

潮の香りが漂う海辺の温泉郷として知られる小浜温泉。国道251号沿いの湯けむりが立ち上る旅館街から少し離れた路地裏で営業しているのがオーダーメイドケーキと焼き菓子の店「にじいろ」です。

「最初は必要とされるのかなという不安はありました。でも、オープンしてみると私の想像を超える反響があって。地元の知り合いや以前勤めていた洋菓子店の皆さんが広めてくださっていたんです。いろんな人に支えられて1年やってこれた。ほんとうにありがたいです」

そう話すのは店主の川原香理さん。2023年2月のオープン以降、「にじいろ」はお客様に寄り添ったオーダーメイドケーキと看板商品のカヌレで人気を集めてきました。そこで開業から1年を振り返っての想いや今後の展望などをインタビュー。川原さんの思い描くにじいろの未来とは・・・?

ロス食材を使った商品を開発して地域に貢献するのも1つの目標です

2023年の2月にオープンして1年が経ちました。率直に手ごたえはどう感じていらっしゃいますか?

川原さん:ありがたいことに最近はほぼ毎日、オーダーメイドの誕生日ケーキのご予約をいただいています。この地域で生活する皆さんにとって、大切なハレの日を祝うケーキを任せてもらえる。そういう店になれたことを嬉しく思っています。

川原さんの想いがお客様に届いた結果なんでしょうね。

川原さん:誕生日は毎年来るものですが、その年の誕生日は一生で一度きり。そう強く感じるようになったのが新型コロナウイルスの流行でした。当時は独立前で洋菓子店勤務でしたが、誕生日ケーキのキャンセルもすごく多くて。その子にとっても家族にとってもすごく辛かったと思うんです。来年は何があるかわからない。だからこそ、お客様の“今”に寄り添って一生懸命つくっていきたいと感じています。

では1年間を振り返ってみて印象的なエピソードがあれば教えてください。

川原さん:やっぱりクリスマスですね。厨房も狭いし、ひとりで作るしで大変だろうなと思っていたので1日で作る台数もあらかじめ決めていたんですよ。そしたらかなり早い時期から「クリスマスケーキの予約できますか?」って問い合わせがあって。最終的にパンフレット作る前に予約枠が埋まってしまいました。

それだけ反響があったクリスマスケーキ。ただ、川原さんはクリスマスシーズンでも誕生日ケーキを受け付けていたそうですね。

川原さん:クリスマスの時期って誕生日に対応しているお店って意外に少なくて。子どもは生まれてくる日を選べないからこそ、誕生日ケーキもやりたいなと考えました。

お客様に寄り添う。忙しいクリスマスでもにじいろのコンセプトは変えない、と。

川原さん:おかげさまでたくさんのお客様に喜んでいただけました。ただその反面、予想以上に早く予約枠が埋まってしまいお客様にお断りしたり、バタバタで間に合わず急遽店休日にして作業をしたりと、反省も多かったですね。この経験は来年以降に活かしたいと思います。

※画像はInstagramより
今後、チャレンジしてみたいことはありますか?

川原さん:実はずっとやってみたいと思っているのが地元のフードロス食材を活用したお菓子の開発。例えば、雲仙のジャガイモで傷が入って一般流通はできないようなものをクッキーにしたり。島原エリアは農作物が豊かな場所なので、フードロスでも地元に貢献できればと考えています。

最後に今後の展望を教えてください。

川原さん:1年間営業する中でたくさんの方がリピーターになってくださった。中には家族全員の誕生日ごとにオーダーしてくださるお客様もいらっしゃって、本当に感謝しかありません。これから2年、3年と続けていく中で、地域の皆さんにとって知り合いの家に行くみたいに「買いに来たよ~」と気軽に入れるお菓子屋さんになっていくことが一番の目標ですね。

ふとした時に目に映る小浜の空が大好きだという川原さん。店内には「にじいろ」から見える夕暮れの橘湾や青空に映える季節の花など、ご自身が撮影した日常を切り取った写真が『毎日色々な色をしています』というメッセージと共に飾られています。

「温泉がある、海がある、石垣がある、きれいな空が見える。そういう街の日常の中に「にじいろ」が普通にある。これからもお客さまやサポートしてくださる皆さんへの感謝の気持ちを忘れずに、生まれ育った小浜の素敵な景色の中に溶け込めるようなお店に育てていきたいと思います」

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
にじいろ

長崎県雲仙市小浜町北本町4-3 ( Google MAP

営業時間:

10:00~18:00(完売時は早く閉店/月•木曜定休)

TEL: 090-5027-5318