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2017年のオープン以来、産地が見える高品質なスペシャルティコーヒーとこだわりの自家焙煎で人気のコーヒーショップ「エンデレアコーヒー」。2021年には熊本市中央区に2号店をオープンするなど、熊本のコーヒー愛好家はもちろんメディアからも注目を集めています。
「音楽にさまざまなジャンルがあるように、コーヒーにも明確な個性があります。どちらも多様性にあふれているからこそ、“良いもの”は好みや年代を越えて愛されるんじゃないかな」
そう話すのはオーナーを務める宮崎貴雄さん。創業以来、トークショーや音楽ライブといったさまざまなイベントを企画しコーヒーの魅力を発信してきた宮崎オーナーに、エンデレアコーヒーのこれまでとこれからを語っていただきました。
宮崎さん:丸山珈琲の創業者・丸山健太郎さんを招いて、この店でトークイベントを開催したことですね。丸山さんは日本のスペシャルティコーヒーの先駆け的な存在なので八代に来ること自体がレア。イベントには県内外のコーヒー関連の人たちが参加してくださって大盛況でした。
宮崎さん:そうです。20年前くらいからいろいろな産地に自ら買い付けに行っていて世界中のコーヒー農園で名が知られている方なので、私もよく講演会に足を運んでいました。専門的なことはもちろん、コーヒーをお寿司やプロレスに例えたユーモアあふれるお話もあってすごく面白いんですよ。
宮崎さん:なので「いつか八代に来ていただけたら・・・!」という想いがあったんです。そんな時に福岡で丸山珈琲の試飲会があって、参加したらご本人がいるんですよ。思い切って直接、「八代へトークイベントで来てくださいませんか」ってお願いしてみました。丸山さんはすごくびっくりされていましたね(笑)。快諾していただいた時は本当に嬉しかったです。
宮崎さん:コーヒーって文化的なものと親和性がすごく高いと思うんです。だから、コーヒーがある場所には多種多様な人が集まり、だんだんとコミュニティが形成されていく。コーヒーを軸として多様な文化を発信していくことで、お客様にとって八代はもちろん世界各国の人とつながるきっかけになれば嬉しいですね。
宮崎さん:お湯と粉の比率や挽き方など基本的な例はいくつかお伝えしています。ただ、それって飲み方の一例であって正解じゃないんですよ。人によって好みは違いますし、あまりにも専門的になりすぎると楽しめなくなってしまうかもしれない。それは本末転倒だなと。
宮崎さん:その日の気分で聞きたい音楽のジャンルが変わるように、コーヒーもご自身の好みや気分、体調などで自由に選んでいい。答えは何通りもあって、その日淹れたコーヒーで気持ちが上がったり生活が豊かになったりする。それがコーヒーとの良い関係性なのかなと思います。
宮崎さん:明確に「〇年後までに〇店舗」みたいな目標は立てていないのですが、少しずつ店舗を増やしていければという想いはあります。東京でこぢんまりしたカフェを出したいなとか、海外にお店持てたら最高だろうなとか(笑)。理想というか妄想の域ですが、そういうことを考えるとすごくワクワクしてくるんですよ。
宮崎さん:個人的には「生涯、コーヒーを淹れ続けたい」というのが大きな目標。コーヒーの表現を追求したり、新店舗を検討したりと良い意味で緊張感を持ちながら挑戦を続けていきたい。その中で「コーヒーは自由なんだよ」ということをたくさんの人に伝えることが私のミッションかなと感じています。
同じ建物に入居していた建築事務所の転居に伴い、今年(2023年)8月から飲食スペースが大きく広がった「エンデレアコーヒー」。道路に面した大きな窓から自然の光を取り入れつつ、レトロな間接照明や渋いウッド調のインテリアに宮崎さんらしさを感じます。
「以前からトークイベントやライブを企画した時は会場として借りていた場所。天井が高く抜け感があって、音の響きも結構いいんですよ。普段はお客様のイートインスペースとして活用しながら、コーヒーの魅力を多くの人に知ってもらうきっかけになるイベントをどんどん企画していきたいですね」
スワヒリ語で「進化する・継続する」という意味を持つ「ENDELEA(エンデレア)」。コーヒーに関わる全ての人への感謝を胸に、八代の“コーヒーの伝道師”はこれからもその魅力と表現を探求していくことでしょう。
取材・執筆/Komori Daigo
熊本県八代市横手新町18-1 ( Google MAP )
営業時間:
10:00~18:00
TEL: 090-3663-6742