閉じる
JR諫早駅から車で5分。本明川に架かる裏山橋を越えて閑静な住宅地を東に向かって走っていくと、1軒のからあげ専門店があります。その名は「長崎からあげ初代たかまさ」。自家製タレに一晩漬けこんだジューシーで美味しい唐揚げを求めて、日々多くの市民が通っている諫早の名店です。
たかまさが福田町にオープンしたのは2019年4月。特に子育て世代である30~40代の女性からの支持を集めている店内では、メインのからあげのほか、豊富な種類のお弁当やおつまみメニュー、オードブルなどをさまざまなテイクアウト商品を販売しています。
そんなたかまさの代表を務めるのは深田剛将さん。20代から割烹や居酒屋などで料理の腕を磨き、30代からは居酒屋の共同オーナーとして経営にも携わったという経歴の持ち主です。今回の記事では地元・諫早で独立した経緯を伺いながら、代表の“からあげ愛”を紐解いていきたいと思います。
深田さん:ひとつは私が子どもの頃からずっとからあげが好きだったから。居酒屋で働いている時も「もっとウマいからあげを作りたい」という想いで、ずっと試行錯誤を重ねていたくらいです。たかまさで販売している商品はその集大成。鶏もも肉を自家製のだし醤油に一晩漬けこんだこの味は、どこにも負けない自信がありますね。
深田さん:もうひとつは居酒屋での経験ですね。居酒屋の良さは豊富なフード&ドリンクを楽しめるのが魅力ですが、その分、食材の仕入れや管理が非常に大変。なので何かに特化したお店をやろうと考えました。折しも2010年代はからあげ専門店ブーム。ずっと研究してきた自慢のからあげで挑戦するなら今だ、と独立を決めました。
深田さん:実は独立前に、知人から「会社で飲食部門を立ち上げてテイクアウトの店を始めるから手伝ってもらえんやろうか」と相談があったんです。私は飲食店経営に必要なことを伝える代わりに、テイクアウト事業のスタートアップのノウハウを学ぶことができる。あの経験は独立に向けて大きな後押しになりましたし、今でもかけがえのない財産だと感じています。
深田さん:最初はフランチャイズも考えましたが、私の料理人人生で研鑽してきたからあげの味で勝負をしたいと思い、個人経営を選びました。屋号の“長崎からあげ”は下味に長崎の醤油とあご出汁を使っているというメッセージ。定番のプレーンをはじめ、甘ごまソースやゆず塩など11種類の味を楽しんでいただけるのが特徴です。
深田さん:これから力を入れようと思っているのはフランチャイズ展開。ウチの漬け込みタレをそのまま使ってもいいですし、その土地の醤油を使ったタレを一緒に開発してもいい。屋号も「〇〇からあげ初代〇〇」のように、オーナーさんが自由に変えられるようにすることで、自分の店として気持ちを入れて運営していただけるんじゃないかなと思っています。
深田さん:やっぱりオーナーになってくださる方に「やってよかった」「ちゃんと売り上げが出た」と喜んでもらうことが大事なのでね。あと、飲食店などに“からあげ用のタレ”を卸売する構想もあるんですよ。店舗や移動販売のフランチャイズに興味のある方やウチのタレを使ってみたいという飲食店の方はぜひご連絡いただけたら嬉しいです。
5周年のアニバーサリーを迎えた今、もっとたかまさのからあげの味を広めていきたいと意気込む深田さん。勤め人時代から美味しさを追求し続け、多くの人にその味を高く評価されているからあげの魅力を尋ねるとこんな答えが返ってきました。
「からあげ、今でも大好きなんですよね。からあげ専門店で働くと普段から食べたくなくなるらしいんですけど、私は一切ないです(笑)。出来具合を確かめるために、毎朝、オープン前には必ず味見。自分にとってからあげは人生そのものなので、これからも美味しさを追求していきたいと思います」
代表の誰にも負けない“からあげ愛”。それが「長崎からあげ初代たかまさ」の最高の調味料なのかもしれませんね。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県諫早市福田町6-8 ( Google MAP )
営業時間:
11:00~14:00、16:00~20:00(月曜定休)
諫早店/0957-23-5050、移動販売店/090-8915-9746