エンデレアコーヒー#3 コーヒーの魅力を新発見。八代市民が愛してやまない極上の一杯を味わってみた

エンデレアコーヒー

熊本県八代市にある自家焙煎コーヒーショップ「エンデレアコーヒー」。秘密基地のような空間で、オーナーの宮崎貴雄さんが仕入れたこだわりのスペシャルティコーヒーが味わえると着実にファンを増やし続け、地方都市のカフェながらInstagram公式アカウントのフォロワー数が7000人を超える人気店です。

「せっかくなので、一杯、いかがですか？」

取材中、そう声をかけてくださったのはオーナーの宮崎貴雄さん。人懐っこい笑顔と柔和な雰囲気が印象的ですが、豆・焙煎・抽出とコーヒーの表現に傾ける情熱も人一倍のものを持っていらっしゃいます。そんな宮崎さんが淹れるコーヒーをスイーツと共にレポート。八代周辺のコーヒー愛好家を魅了してやまないエンデレアコーヒーのおいしさの秘密を探ってみたいと思います。

ペアリングで人気のスイーツはスタッフの趣味から始まった!?

では、宮崎さんの今日のオススメコーヒーをお願いします。

宮崎さん：では、エチオピアのコーヒーにしましょうか。この豆は「エチオピアグジG-1 アナソラナチュラル」といって、エチオピアのグジ北部に位置するアナソラというエリアで収穫されたもの。2000ｍほどの標高と豊かな土壌から育まれたコーヒーチェリーの力強いフレーバーが特徴です。

G-1は最も高品質な等級ですね。この「ナチュラル」は何でしょうか。

宮崎さん：「ナチュラル」というのは収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥させてから豆を取り出す精製方法のこと。乾燥状態の管理に非常に手間がかかる分、ナチュラルでしか出せない表現があるんですよ。今回はその香りと風味を楽しんでいただきたいので、浅くローストした豆をブラックでお淹れしました。

それではいただきます。･･･わー、口に含むとフルーティーな香りがふわっと広がりますね。ブラックなのにほんのり甘味もあって、口当たりも滑らかです。

宮崎さん：ありがとうございます。コーヒーの苦みがちょっと･･･、という方もこのエチオピアの浅煎りは「フレーバーティーのようで飲みやすい」と仰っていました。店内でご用意している豆の種類は入荷状況や時期によって変わるので、お客様の好みや気分をお聞きしながらベストだと思うものをチョイスしています。

エンデレアコーヒーではスイーツも人気ということで、そちらもオーダーさせていただきました！

宮崎さん：今日のスイーツは「サワークリームチーズケーキ」。ベイクドチーズケーキの濃厚なおいしさをサワークリームのすっきりした酸味が引き立てている一品です。

それでは早速、ひと口･･･。ああ、このしっとり滑らかな食感は幸せだ･･･！どちらかというとレアチーズケーキに近いのかな。濃厚なチーズの味とサワークリームの爽やかな甘さ、そしてラズベリーソースの絶妙なハーモニー。これは喉を音楽隊が通っちゃいますよ。

宮崎さん：お出ししたエチオピアの浅煎りとの相性も良いのでぜひペアリングで楽しんでみてください。

本当だ。ケーキの味が強くなるのかと思いきや、浅煎りコーヒーのフレーバーが優しく包み込んでいく感じですね。舌の上にチーズの余韻は残しつつ、フルーティーな味わいが口全体に広がってすごくおいしいです。

宮崎さん：でしょう？エンデレアコーヒーでスイーツの製造・提供を本格的に始めたのは京町店（熊本市中央区）がオープンした2年前。「自家製スイーツを作って提供したい」というスタッフの声がきっかけでした。私はコーヒー専門なので、その当時からスイーツ作りは担当スタッフに任せているんですよ。

Instagramにも色とりどりの自家製スイーツの画像がたくさん並んでいます。

宮崎さん：担当スタッフは趣味でケーキやお菓子を作る程度だったので、最初はシンプルなチーズケーキを提供していたんですよ。でも、スイーツ作るのが好きなんでしょうね。予想よりもすごいスピードで進化していって、今では季節感や映えなども考えながら作ってくれている。お客様からも人気も高くて本当にありがたいですね。

「今のスイーツ担当スタッフは3名。みんな本当に楽しみながら作っているのでこちらにもそれが伝わってきますね。元々、コーヒーも好きな子たちなので相性も意識してくれていると思います」

そう話しながら、優しい眼差しでお皿の上にあるサワークリームチーズケーキを見つめる宮崎さん。全くの異業種から30代でカフェ業界に飛び込んで研鑽を重ねてきたオーナーだからこそ、情熱を持ったスタッフの挑戦を後押しすることを決め、それに応えるようにスタッフの皆さんも趣味からプロレベルへとスキルアップしていったのでしょう。

こだわりのスペシャルティコーヒーに華を添える自家製スイーツ。エンデレアコーヒーのフードペアリングからは、オーナーとスタッフの素敵な関係性を感じことができました。

取材・執筆／Komori Daigo

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