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暮しを楽しむの手帖
ピッコロピアット#4 大村の高校で学ぶ“未来の調理師&パティシエ”の職場体験を通して

長崎県大村市にあるイタリアンレストラン「ピッコロピアット」。お手頃な金額で本格的なイタリアンコースが味わえると人気の同店に、もう1つの顔があることをご存知でしょうか。

それは調理師やパティシエを目指す高校生が現場での経験を積む実習の場であること。大村市にある向陽高校と連携し、調理科・パティシエ科に所属する生徒たちが調理補助や接客サービス、清掃などを通して教科書では学べない実践的な体験をしているのです。

そんなピッコロピアットの店長を今年(2023年)から務めている筒井一幸さんに、レストランで向陽高校の生徒の印象や高校生が現場を体験する意義、そしてこれからの目標について伺いました。

自分のノウハウや経験を伝えた若者が独立することで、長崎の飲食業界を元気にしていきたい

ピッコロピアットでは職場体験として向陽高校の生徒さんを定期的に受け入れてらっしゃるそうですね。

筒井さん:はい。調理科は7月と2月、パティシエ科は12月と3月に職場体験を行っています。中学生の段階で「調理師になろう」「パティシエになろう」と決めて進学をしている子たちなので学習意欲はすごく高い。授業でプロの料理人が指導なさっていることもあってスキルや知識もしっかりしているなという印象です。

調理師として20年以上のキャリアを持つ筒井店長。これから高校生の職場体験で指導に当たられるわけですが、何か意識していることはありますか?

筒井さん:特別に意識していることはないですね。厳しくもなく甘くもなく、業務の中で『普通』に接することが大事なんじゃないかと。私もこれまでのキャリアで新人や若手の教育係を任された経験がありますので、職場体験に来る高校生にも同じように教えて、彼ら自身が身のあるものにしてくれればと思っています。

卒業後にピッコロピアットで働いているスタッフの方も多いとお聞きしました。

筒井さん:そうですね。今の調理スタッフはほとんど向陽高校の卒業生。在学時に基礎はしっかり叩き込まれ、学内・学外のさまざまなコンテストに挑戦してきている子たちですからスキルと向上心がすごい。OB・OGとして職場体験に来る後輩たちのよき目標、よきアドバイザーになっているのではないでしょうか。

画像はInstagramより
コンテストで上位に入るというのは調理師やパティシエにとって大きなステータスになりますよね。

筒井さん:そうですね。かくいう私も若い頃は働きながらコンテストに出場していました。入賞することで料理人として大きな自信になりますし、新しいメニューを考えてみようという原動力にもなるんです。

最後に、これからの目標をお聞かせください。

筒井さん:この店は高校生が実践的な経験を積む場所という側面はありますが、あくまでもそれは副次的なもの。オープンから20年続く大村のイタリアンレストランとして、お客様にリーズナブルなお値段で本格的なイタリアンを提供し続けていくことが大きな目標だと考えています。

なるほど。

筒井さん:そのうえで、ピッコロピアットで働くスタッフには私が持っているノウハウや経験をしっかりと伝えて育てていく。彼らがスキルを磨き、ゆくゆくは自分の店を持つことで県内の飲食業界を盛り上げていくことにつながる。そういうスタイルでこれからも続けていきたいですね。

「パティシエ科の学内コンテストで評価の高かったスイーツは、ピッコロピアットでお客様へふるまわれる機会があるんですよ。選ばれた生徒は自信がもてますし、何より学外のお客様の評価を生で聞くことができる。一生懸命がんばっている学生のモチベーションをあげる良い企画だなと感じています」と筒井さんは目を細めます。

2003年にオープンして20年。穏やかな大村湾を眺めながら本格的なイタリアンを味わうひとときをお客様に提供する一方で、地元の高校と連携して料理の道を目指す若者を育ててきたピッコロピアット。これからもその両輪で地域へ貢献し続けていくことでしょう。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
ピッコロピアット

長崎県大村市西本町479-22 ( Google MAP

営業時間:

月・水・木・日/11:00~15:00、17:30~21:00
金・土・祝日/11:00~15:00、17:30~22:00
※火曜定休

TEL: 0957-48-5582

URL:https://piccolopiatto.owst.jp/