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今年(2023年)10月1日。自然豊かな諫早市土師野尾地区にある酒造会社・杵の川の敷地内に直売所とバーエリアを併設した新施設「蔵元ファクトリーきのかわよかよか」がオープンしました。
真新しい扉をくぐると古い瓶詰工場兼倉庫をリノベーションして作られた開放的な空間がお出迎え。綺麗にディスプレイされた商品がズラリとならぶオシャレな直売所とむき出しの鉄骨や年季の入った壁の対比が、歴史ある酒造の温故知新を演出しています。
「西九州新幹線開業1周年を迎える中で観光酒蔵をキーワードに掲げて新たなニーズを掘り起こそうとしたのがきっかけ。広い工場を改装した直売所には主力商品の『杵の川』『黎明(れいめい)』など約40種類の酒類を取りそろえています」
そういって胸を張るのは同社の社長室室長で蔵の中のデザイナー・江口正和さんに蔵元ファクトリーきのかわよかよかの直売所やバーエリア「日本酒BAR角打ち弥八」を紹介していただきます。諫早の新しい観光酒造、要チェックですよ!
江口さん:メインは「杵の川」シリーズや「黎明」シリーズといった自社ブランドの日本酒。そのほかにもお子様やお酒が苦手な方でも楽しめる自家製甘酒や自家製甘酒ジェラート、長崎・九州で作られたおつまみや加工食品、調味料などを販売しています。
江口さん:「杵の川」シリーズは屋号をブランド名として名付けているだけあって当社のスタンダードな人気商品。その中でも一番売れているのが「杵の川 特別純米酒 磨き60」ですね。「黎明」は諫早産の酒米・山田錦を使用したシリーズ。農家さんにお願いして杵の川の前の田んぼでも山田錦を育てて、秋にみんなで収穫を行っているんですよ。
江口さん:あとは、季節限定のお酒もおすすめですね。これからのシーズンにぴったりなのが諫早特産の牡蠣に合う「純米酒★と…。(スタート)」。甘味が強く濃厚でクリーミーな味わいの小長井牡蠣と調和する、マスカットのような爽やかな風味が特徴のペアリング推奨日本酒となっています。構想から4年がかけて誕生した自信作ですので、ぜひ諫早の牡蠣と一緒に味わっていただきたいですね。
江口さん:大人がお酒をじっくりと楽しめる開放的な空間を作りたい、ということでストレートの大型バーカウンターを設置しました。有料ではありますが、一般には流通しない蔵元ならではの生酒や季節の限定酒などを味わっていただくことが可能。時期によって提供する飲み物が変わるのも特徴の1つです。
江口さん:工場の中のバーカウンター、という非日常感が際立ちますよね。長年活躍してくれた洗瓶機の錆・ホコリ・オイルを綺麗にして、薄緑色だったボディも工場と親和性の高いイエローに塗装しなおしました。照明をつけると影の落ち方もかっこよくて、こういう空間で日本酒を楽しめるのはすごくいいとご好評をいただいているんですよ。
江口さん:ありがとうございます。バーカウンターのメニューは日本酒と甘酒で3種類程度を予定していますが、直売所でご購入いただいたおつまみを召し上がっていただくのもOK(※)。気になるおつまみをアテにしながら生酒を飲むという楽しみ方をされるお客様もいらっしゃいます。歴史ある酒蔵ならではの展示もありますので、ぜひ足を運んでくださると嬉しいですね。
※直売所で販売しているボトル商品を購入後、開封しての試飲は不可。
「角打ち、と名付けてはいますがバーエリアはお酒を飲まない方やお子様連れのファミリーもウェルカム。甘酒を召し上がっていただくこともできますし、直売所の甘酒ジェラートをバーカウンターで食べていただいても大丈夫です」と江口さんは微笑みます。
実は、この日本酒BAR角打ち弥八のおもしろさは支払方法。事前に直売所で専用の王冠を購入し、それと引き換えに希望のドリンクをグラスに注いでもらいます。一見すると合理的でない物々交換のような仕組みも、秘密の隠れ家で過ごしているようなワクワクを感じさせてくれるのです。
ちなみに、杵の川の商品はオンラインショップで購入することも可能です。興味のある方はぜひアクセスしてみてくださいね。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県諫早市土師野尾町17番地4 ( Google MAP )
営業時間:
10時~18時
TEL: 0120-833-123