ケーキショップジタン福田店

黄色い外装がトレードマークのケーキショップジタン福田店には、創業当時から変わらない生クリームと季節のフルーツにこだわったケーキを求めて、諫早中心部はもちろん市内西部の高来町や小長井町から足を運ぶお客様も多くいらっしゃいます。

2024年にはオープンから30年を迎える同店ですが、2020年から数年にわたり大流行した新型コロナウイルスによって生じたライフスタイルの変化で大きな岐路に立たされました。思わぬ苦境の中で諫早の老舗ケーキショップはどのような工夫を重ね、乗り越えてきたのか。そしてコロナ禍を経験したからこその心境の変化とは。代表でパティシエの横島三鶴さんにお話を伺いました。

2022年からは「諫早市ふるさと納税」の返礼品にも登録

2020年から新型コロナウイルスが流行し、社会に大きな影響を与えました。コロナ禍で変わったと感じることはありましたか？

横島さん：以前は子どもの誕生日会にお友だちを招待したり、お盆・お正月やゴールデンウィークの帰省の際に実家の親御さんのお祝いをしたりするお客様からの注文が多かったんです。でも、コロナによってそういった注文がガクンと減ってしまった。感染症対策のために大人数で集まる機会がなくなったということを身に染みて感じましたね。

コロナでは多くの人が大変な想いをしましたが、その期間で工夫されたことを教えてください。

横島さん：「できるだけ通常通り対処すること」と「お客様の突然の変化にも対応できるようにすること」の2つです。基本的にバースデーケーキの予約受付は4日～1週間前なのですが、コロナ禍では当日でもご用意していましたね。当時は予約も多くありませんでしたし、お客様の「当日まで体調がどうなるかわからない」という不安もよくわかりましたので柔軟に対応させていただきました。

横島さんご自身の心境の変化はありましたか？

横島さん：当店では「スタッフ自身や家族が体調不良になったら休みをとる」というルールを決めていました。出勤できるメンバーで何とか回したという日もありましたが、それを乗り越えたことでより強く感じるようになったのが「普通にケーキが作れる幸せ」。また、スタッフ一人一人が店に迷惑をかけないようにと、感染症対策に細心の注意を払ってくれていたことは本当にありがたかったですね。

昨年からはケーキショップジタンの名菓を諫早市ふるさと納税の返礼品として登録なさいました。

横島さん：前オーナーからの紹介で市役所からお話をいただいてお受けすることにしました。返礼品として登録しているのは「レモンケーキ（10個入）」「おおきなマドレーヌ（10個入）」「なめらかプリン（6個入）」の3商品。寄付金額はいずれも8,000円となっています。

どの商品も横島さんが1つ1つ丁寧に手作りしている自慢の一品ですね。

横島さん：レモンケーキは昔ながらの製法でしっとり細やかな食感が特徴。おおきなマドレーヌは直径12cmもありバターの豊かな香りとふんわりしっとりした生地がティータイムにぴったりです。なめらかプリンは濃厚な卵の風味ととろける舌ざわりで食べると幸せな気分に包まれます。諫早市へのふるさと納税を検討なさっている方にお選びいただければ嬉しいですね。

最後に今後の課題や展望をお教えください。

横島さん：喫緊の課題としては流通の2024年問題にどう対応するか。北海道産のクリームや全国各地の産地から取り寄せているフルーツがこれまでのように仕入れるのが難しくなる可能性が高いんです。ただ、こうした状況でも「いつでも同じ味が出せるように努力を重ねること」、そして「味の流行を研究して新メニューでお店に変化をつけていくこと」を忘れずにジタンのケーキをお客様に届けることを第一にこれからも頑張っていきたいと思います。

「ケーキやクッキーを30年以上作り続けてきましたが、私にとってそれらは生活の糧。そして、お客様にお買い上げいただくことで私やスタッフの生活が成り立っていると考えています」と話す横島さん。私たちの目を奪うショーケースの華やかさとは裏腹に、新しいスイーツの流行や競合の出店などケーキショップはシビアな業界でもあります。

しかし、横島さんは「だからこそ、『やっぱりジタンはおいしいよね』と思ってもらえるように進化を続けていきたい」と力強い一言。現場のたたき上げで成長してきたこの道34年の大ベテランパティシエの見つめる先には、ジタン福田店30周年、そしてその先に広がる未来が広がっているようでした。

■ケーキショップジタンのふるさと納税返礼品については以下よりご確認ください。
ふるなび

取材・執筆／Komori Daigo

INFORMATION