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2024年8月、八代市本町1丁目にオープンした「酒処かずおうどん」。一番人気の肉ごぼううどんや車エビの天ぷら、出汁が自慢のカツ丼など豊富なメニューが楽しめる“うどん居酒屋”として30~60代の男性を中心に人気を集めています。
「居酒屋としてもお使いいただきやすいように、コース料理や貸切対応も始めました。コースは1人5000円(4名以上)で料理10品+刺身盛り合わせ+2時間飲み放題付き。貸切は8名様以上で2時間OKです。来店2日前までの事前予約制ですが、結構ご利用が多いんですよ」
そう教えてくれたのは「かずおうどん」のオーナー・牛田和男さん。今回の記事では牛田さんにオープンから今日までの約半年を振り返っていただきながら、かずおうどんの“はじまり”と“これから”を伺っていきたいと思います。
修業していたのが大きな店舗だったので、今のようなコンパクトな規模感でやるのは初めてなんです。なので、手ごたえを感じているというよりは、手探りでいろんなことをアップデートしているような感覚というのが正直なところ。これから1年、2年と経ってく中でようやく手ごたえをつかむことができるのかなと思っています。
やっぱり、修業時代にお世話になった方々が食事に来てくださったことですかね。10代の頃の私を知っているので独立したことに驚いている人も結構いらっしゃったかな。「お前、成長したな」とか「最初は大変かもしれんけど、しっかり踏ん張って頑張れよ」といったエールをくださって。すごく感慨深い気持ちになりましたね。
そうなんですよ。食事に来てくださる人、いろいろと手伝ってくれる人、アドバイスをくれる人…。中には「こないだ行ったばってん、満席で入れんかったぞ」という率直な意見を言ってくださる方もいて。そうやって周りの皆さんが応援してくださるから、一人では見えない課題も見えてくるんですよ。
オープンからしばらくは、2軒目・3軒目として来店するお客さんが多く、たまに「麺はいらんけん、うどんつゆだけちょうだい」「肉うどんのうどん抜き」というメニューにない要望があったんです。さすがにお金を取るわけにもいかないし、かといってタダでは提供できないし…。なんとかニーズに応えたいと考案したのが肉水でした。
最初はお客様の言う通り、“肉うどんのうどん抜き”にすればいいかと思ったんです。でも、作ってみたらちょっとイマイチで。肉の種類や味付けを変えながら、毎日試作して従業員と試食して…を繰り返して完成させました。基本的にメニューを増やす予定はなかったので大変でしたけど、今では注文する人も多いので頑張って良かったなと感じ居ています。
まずは地に足を着けて「かずおうどん」を経営すること。性急に事業展開するのではなく、一歩一歩着実に積み上げてこの店を軌道に乗せることが最大の目標ですね。おかげさまで今は月に約300人のお客様に来店していただいている。そこに慢心せず、もっともっと多くの方に「かずおうどんに行こう!」と選んでいただけるような店づくりに力を入れていきたいですね。
子どもの頃に思い描いた“いつか自分の店を持つ”という青写真。中学を卒業してすぐに飲食業界に飛び込み、十数年の下積み時代を経て作り上げた“夢の形”だからこそ、大切に育てていきたいという牛田さんの強い意志を感じます。
インタビューが終了した別れ際、ふと「牛田さんにとってこの店のやりがいってなんだろう」という思いが去来し、自然とそのことを伺ってみることに。すると、満面の笑みでこう答えが返ってきました。
「それは美味しいって言ってもらえることですよ。利益や売上が大事なのもわかるけど、やっぱりお客さんのうまそうな笑顔は何にも代えがたいもの。そしてその人がリピートしてまた来てくださることが一番の喜びですね」
取材・執筆/Komori Daigo
熊本県八代市本町1-3-30 ( Google MAP )
営業時間:
18:00~26:00(日曜定休)
TEL: 090-2089-8822