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十数年のうどん職人歴を持つオーナー自慢の一杯、とことん手作りにこだわった一品料理…。八代市本町1丁目にある「酒処かずおうどん」では、本格的なうどんとお酒に合う居酒屋メニューをリーズナブルな金額で楽しむことができます。
「食事で人気なのは月替わりの『かずおうどん定食』。基本的に通常メニューにはない料理を出していて、飲んだ後でも食べやすいようあっさりとした味付けにしているんですよ。一品料理だと天草産の新鮮な車エビ。素材の味を堪能していただけるよう、天ぷらと塩焼きをご用意しています」(牛田和男オーナー)
うどんの種類も豊富で、定番の月見うどん・きつねうどんのほか、パスタ感覚で味わえる明太クリームうどんなど11種をご用意。中でも肉ごぼう天うどんは絶品なんだとか。そこで記者は唯一のレギュラーセット「かつ丼・ごぼう天うどんセット」の肉トッピングでオーダー。八代市民が愛してやまない絶品うどんを食レポしていきますよ~。
うどんのポイントは数種類のかつお節をブレンドした出汁と薄口しょうゆを組み合わせた自家製スープ。多くのお客様から「美味しい」と言っていただける自信作です。かつ丼のベースにもこの出汁を使って香ばしさを演出。カラっと揚がったカツとまろやかな卵の相性は抜群なんですよ。
ごぼうの風味の正体は灰汁の主成分であるポリフェノール。アク抜き・変色防止のために水にさらすのですが、長くしすぎると風味が落ちてパサパサした食感になってしまうんですよ。なので、ごぼうの皮を剥くのは注文が入ってから。そうすることによってごぼう本来の風味や甘味、食感を引き出しています。
(肉うどんの)肉に使っているのは“牛すじ”と“牛バラスライス”。じっくりと煮込むことで柔らかくなる牛すじ肉は食感とコクを、脂肪分の多い牛バラスライスは味わいにジューシーさと深みを生み出しています。皿からガバっと豪快に入れて召し上がってみてください。
ありがとうございます。まさに仰られた通りで、お肉のコクがスープに溶け出してちょうど良い塩梅になるというのが一番のポイント。あっさり上品ながら深みのあるうどん出汁だからこそ、甘辛く炊いた濃い味付けに負けることなく、ワンランク上の味わいを引き出しています。出汁の風味、肉の旨味、そしてごぼう天の食感…。かずおうどんに来たら一度は食べていただきたい一杯ですね。
こだわりはうどん出汁をベースにして1から作り上げた割り下。カラっと揚がった分厚い豚のロースカツと薄切りの玉ねぎを煮込むことで出汁の旨味が染み込みます。最後に卵でとじてホカホカの白いご飯の上に盛り付ければ出来上がり。さ、召し上がってみてください。
実はカツ丼も肉ごぼう天うどんと並んで〆料理として注文することの多いメニューなんですよ。普通に食事メニューで出せるくらいの量はあるので、オープン当初は「食べきらすやろうか」と心配したこともありましたが、ほとんどの方がペロリ。お酒を飲んだ後でも食べやすい一品料理としてもっと人気になっていけば嬉しいですね。
「ところで、まだ満腹になられてませんよね?…実は、既存メニューを改良しまして。もしよかったら、試食していただけないかなと思いまして」という牛田オーナーの提案に即答で「もちろん喜んで」と答える記者。食レポの延長戦に登場したのは、こんがりキツネ色に揚がった鶏のから揚げです。
ふんわりとした衣が特徴的な唐揚げを口に運ぶと、想像以上の柔らかさにビックリ。ひと噛みするごとにジューシーな肉汁が口の中にあふれます。下味もしっかりとついていて、ご飯にもおかずとしてもお酒のおつまみとしても◎。このボリューム、この美味しさでワンコイン(500円)という良心的な価格にオーナーの人柄が表れているようです。
修業時代から理想の唐揚げを探求し続けてきたという牛田さん。約5年間にわたり改良を続け、ようやく納得のいく一皿が誕生しました。とにかくウマい料理を作りたい。そのシンプルなこだわりこそが「かずおうどん」最大の調味料なのかもしれません。
取材・執筆/Komori Daigo
熊本県八代市本町1-3-30 ( Google MAP )
営業時間:
18:00~26:00(日曜定休)
TEL: 090-2089-8822