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暮しを楽しむの手帖
肥後の明水亭#3 肥後の明水亭に来たらコレを食え!有機白しょうゆを使った理想のかけうどん&手打ちうどんの美味しさを堪能するシンプルな土佐醤油

「ツルツルもっちりの手打ち麺はもちろん、上品な味わいの出汁が美味しい」

「八代で本格的なうどんが食べられるなんて…!」

「店内はカフェのような雰囲気。店員さんも明るくとても好印象でした」

インターネットの口コミでこのような高い評価を受けている八代市の手打ちうどん店「肥後の明水亭」。うどんの本場・香川県の名店で修業した店主・蓑田達典さんが小麦粉・水・塩だけを使って毎朝仕込む手打ち麺や化学調味料無添加の出汁の優しい味わいを求めて、今日も多くのお客様で賑わっています。

そこで今回は八代市民の胃袋を掴んで離さない「肥後の明水亭」おすすめメニューをインタビュー。記事前半では蓑田オーナーが肥後の明水亭で食べて欲しい自慢の一杯をご紹介。記事後半では師匠直伝の「土佐醤油うどんと天ぷら盛り合わせのセット」を食レポしていきますよ~。

理想を追い求めて作り上げた自慢のかけ出汁。その優しい味わいを堪能してほしいから具材・薬味は別皿で提供しています

では早速、肥後の明水亭に来たら味わってほしい自慢のメニューを教えてください。

蓑田さん:“かけうどん”ですね。一般的にかけだしには薄口しょうゆが使われることが多くて、師匠の店(明水亭)のかけだしも無添加の薄口しょうゆ。ただ、私の理想とはちょっと違っていたんですよね。で、いろいろと試した結果、最終的に行きついたのが“生の有機白しょうゆ”。出汁に入れて加熱することで香りが立ち、すっきり優しいかけ出汁に仕上げました。

なるほど。有機白しょうゆを使うことで自分なりの理想の一杯を表現したと。

蓑田さん:そうですね。小麦と少量の大豆を主原料に作られる白しょうゆの特徴は強い甘みと香り。短期間の醸造で生み出される液体は淡い琥珀色で、出汁に混ぜても色が変わらないんですよ。客席の照明に照らされたかけうどんは、まるで黄金色のスープに手打ち麺が泳いでいるよう。まずはかけ出汁をそのまま味わっていただきたいので、天ぷらや薬味は別皿に盛って提供しています。

※Instagramより
2ヶ月毎に代わる季節限定のメニューも人気なんですよね。

蓑田さん:夏場は喉越し爽やかな「海老ナスのぶっかけうどん」や「すだちうどん」、寒い冬は「白菜と漬け込み豚の辛味噌ダレうどん」など季節に合わせたメニューを提供しています。また、地元の食材を使った料理も考案。東陽町のたけのこ芋を使った「たけのこ芋そぼろ饅頭のあんかけうどん」や「東陽新生姜のかき揚げ」、葦北産の「真菰天ぷら」など旬の味をお届けしているんですよ。

常連客の中には季節限定メニューの制覇を目指す人もいらっしゃるとか

蓑田さん:料理への好奇心と探求心が強いんですよね。季節限定メニューを2ヶ月毎に変えているのも「いろんなうどんにチャレンジしてみたい」「地元の食材や旬の食材を使った料理を作っていきたい」という想いからなので。今、完成させたいと思っているのがハマグリを使ったうどん。師匠の店で食べてめちゃくちゃ美味しかったので、八代の皆さんにも味わっていただきたいなと思っています。

※Instagramより

もちもちのうどんに濃いめの土佐醤油が合う~。サクサクの天ぷらも味わえる人気の「選べるうどんと天ぷら盛り合わせのセット」をいただきます!

ここまでお話を伺ってきて、なんだか私もお腹がすいてきちゃいました。せっかくなので、蓑田さんの手打ち麺と天ぷらを楽しめる「選べるうどんと天ぷら盛り合わせのセット」をいただけますか?

蓑田さん:ありがとうございます。うどんは「土佐醤油うどん(あつorひや)」、「ぶっかけうどん(あつorひや)」、「ざるうどん」、「釜あげうどん」の4種類からお選びいただけますが、どうしましょうか。個人的には香川の師匠直伝の「土佐醤油うどん」がおすすめですよ。

じゃあ、土佐醤油うどん(あつ)でお願いします。ああ、トッピングでお揚げもつけてください。

蓑田さん:じゃあ、まずはお揚げからお出ししましょうか。こちらは地元の五木とうふ店から取り寄せたうすあげを、出汁で柔らかくなるまで時間をかけて丁寧に煮込んで作っています。特徴は何といっても厚揚げかと思うほどの分厚さ。しっかりとしみた出汁がじんわりと染み出る至福の瞬間をぜひ味わってみてください。

本当に分厚くて、箸で持つとずっしりしていますね。では、いただきます。…おお、お揚げに歯を入れた瞬間に甘いつゆが溢れるようにじゅわ~っと出てくる。しっかり食感もあって、口の中が幸せの洪水を起こしてますよ!

蓑田さん:では、続いて土佐醤油うどんと天ぷらの盛り合わせですね。当店の土佐醤油はかつお節・うるめ節・いりこ昆布などを醤油に漬け込んで熟成させた特製のだし醤油。味は濃いめなので、軽くかけた後に麺・大根おろしと混ぜ合わせて召し上がってください。お好みで薬味(小葱・生姜)やカボス果汁を加えるのも美味しいですよ。

うわぁ、麺がツルツルもちもち!しっかりした歯ごたえで喉越しも良いですね~。そして、この土佐醤油!シンプルな味わいだからこそ、打ちたて・切りたて・茹でたての麺の良さが最大限に引き出されている…。カボスを絞ればさっぱりと味変できるのもいいですね。

蓑田さん:土佐醤油は師匠に教えていただいたレシピから、甘めが好きな熊本県民向けに少し改良を加えているんですよ。

四角い木製の器に美しく盛り付けられた天ぷらはまるでアート。揚げたてのエビ天を口に運べば、サクサクとした食感と大ぶりのプリプリした身が楽しめます。本当に天ぷらだけでも食べる価値があるくらいの美味しさです。

蓑田さん:ありがとうございます。今日の盛り合わせはエビ、大葉、カボチャ、さつまいも、なすの5種。季節や仕入れ状況によって内容は変わりますが、皆さん、ウチの天ぷらが食べたいとよくご注文いただきますね。他にもごぼうの香りが堪能できる「ごぼうのかき揚げ」やジューシーな「とり天」もご用意していますので、ぜひ明水亭の天ぷらを楽しんでいただければ嬉しいです。

今回の記事で紹介したうどん以外にも、魅力的なメニューがお品書きに並ぶ肥後の明水亭。中でもごぼうフレークやとろろ、国産牛肉、自家製キムチ、鳴門ワカメなどさまざまなトッピングをこれでもかと麺に乗せた「肥後の彩りうどん」はいろんな食べ合わせを楽しめると好評です。

そんな肥後の明水亭が今年の新メニューとして目標に掲げているのが…なんとアイスクリームなんです!

「師匠は和食料理人としてパリでも活躍した人。その経験を活かして自分の店で旬の果実を絞って作ったアイスクリームを出していたんですよ。それがものすごいクオリティ。アイスクリームで感動したのは後にも先にも師匠のだけというくらいで、自分も出したいなと思っているんです」

自身が作るアイスクリームを師匠の味に近づけようと、再度、香川まで習いに行く計画も立てているという蓑田さん。ゆくゆくは地元の果樹園と提携して熊本のフルーツを使ったデザートを提供したい、と話す表情からは“本当に美味しいものを生み出したい”という食のものづくりに対する情熱がほとばしっているようでした。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
肥後の明水亭

熊本県八代市田中西町10-13-1 ( Google MAP

営業時間:

11:00~15:00(定休日:木曜日)

URL:https://www.higo-meisuitei.com/