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「ツルツルもっちりの手打ち麺はもちろん、上品な味わいの出汁が美味しい」
「八代で本格的なうどんが食べられるなんて…!」
「店内はカフェのような雰囲気。店員さんも明るくとても好印象でした」
インターネットの口コミでこのような高い評価を受けている八代市の手打ちうどん店「肥後の明水亭」。うどんの本場・香川県の名店で修業した店主・蓑田達典さんが小麦粉・水・塩だけを使って毎朝仕込む手打ち麺や化学調味料無添加の出汁の優しい味わいを求めて、今日も多くのお客様で賑わっています。
そこで今回は八代市民の胃袋を掴んで離さない「肥後の明水亭」おすすめメニューをインタビュー。記事前半では蓑田オーナーが肥後の明水亭で食べて欲しい自慢の一杯をご紹介。記事後半では師匠直伝の「土佐醤油うどんと天ぷら盛り合わせのセット」を食レポしていきますよ~。
蓑田さん:“かけうどん”ですね。一般的にかけだしには薄口しょうゆが使われることが多くて、師匠の店(明水亭)のかけだしも無添加の薄口しょうゆ。ただ、私の理想とはちょっと違っていたんですよね。で、いろいろと試した結果、最終的に行きついたのが“生の有機白しょうゆ”。出汁に入れて加熱することで香りが立ち、すっきり優しいかけ出汁に仕上げました。
蓑田さん:そうですね。小麦と少量の大豆を主原料に作られる白しょうゆの特徴は強い甘みと香り。短期間の醸造で生み出される液体は淡い琥珀色で、出汁に混ぜても色が変わらないんですよ。客席の照明に照らされたかけうどんは、まるで黄金色のスープに手打ち麺が泳いでいるよう。まずはかけ出汁をそのまま味わっていただきたいので、天ぷらや薬味は別皿に盛って提供しています。
蓑田さん:夏場は喉越し爽やかな「海老ナスのぶっかけうどん」や「すだちうどん」、寒い冬は「白菜と漬け込み豚の辛味噌ダレうどん」など季節に合わせたメニューを提供しています。また、地元の食材を使った料理も考案。東陽町のたけのこ芋を使った「たけのこ芋そぼろ饅頭のあんかけうどん」や「東陽新生姜のかき揚げ」、葦北産の「真菰天ぷら」など旬の味をお届けしているんですよ。
蓑田さん:料理への好奇心と探求心が強いんですよね。季節限定メニューを2ヶ月毎に変えているのも「いろんなうどんにチャレンジしてみたい」「地元の食材や旬の食材を使った料理を作っていきたい」という想いからなので。今、完成させたいと思っているのがハマグリを使ったうどん。師匠の店で食べてめちゃくちゃ美味しかったので、八代の皆さんにも味わっていただきたいなと思っています。
蓑田さん:ありがとうございます。うどんは「土佐醤油うどん(あつorひや)」、「ぶっかけうどん(あつorひや)」、「ざるうどん」、「釜あげうどん」の4種類からお選びいただけますが、どうしましょうか。個人的には香川の師匠直伝の「土佐醤油うどん」がおすすめですよ。
蓑田さん:じゃあ、まずはお揚げからお出ししましょうか。こちらは地元の五木とうふ店から取り寄せたうすあげを、出汁で柔らかくなるまで時間をかけて丁寧に煮込んで作っています。特徴は何といっても厚揚げかと思うほどの分厚さ。しっかりとしみた出汁がじんわりと染み出る至福の瞬間をぜひ味わってみてください。
蓑田さん:では、続いて土佐醤油うどんと天ぷらの盛り合わせですね。当店の土佐醤油はかつお節・うるめ節・いりこ昆布などを醤油に漬け込んで熟成させた特製のだし醤油。味は濃いめなので、軽くかけた後に麺・大根おろしと混ぜ合わせて召し上がってください。お好みで薬味(小葱・生姜)やカボス果汁を加えるのも美味しいですよ。
蓑田さん:土佐醤油は師匠に教えていただいたレシピから、甘めが好きな熊本県民向けに少し改良を加えているんですよ。
蓑田さん:ありがとうございます。今日の盛り合わせはエビ、大葉、カボチャ、さつまいも、なすの5種。季節や仕入れ状況によって内容は変わりますが、皆さん、ウチの天ぷらが食べたいとよくご注文いただきますね。他にもごぼうの香りが堪能できる「ごぼうのかき揚げ」やジューシーな「とり天」もご用意していますので、ぜひ明水亭の天ぷらを楽しんでいただければ嬉しいです。
今回の記事で紹介したうどん以外にも、魅力的なメニューがお品書きに並ぶ肥後の明水亭。中でもごぼうフレークやとろろ、国産牛肉、自家製キムチ、鳴門ワカメなどさまざまなトッピングをこれでもかと麺に乗せた「肥後の彩りうどん」はいろんな食べ合わせを楽しめると好評です。
そんな肥後の明水亭が今年の新メニューとして目標に掲げているのが…なんとアイスクリームなんです!
「師匠は和食料理人としてパリでも活躍した人。その経験を活かして自分の店で旬の果実を絞って作ったアイスクリームを出していたんですよ。それがものすごいクオリティ。アイスクリームで感動したのは後にも先にも師匠のだけというくらいで、自分も出したいなと思っているんです」
自身が作るアイスクリームを師匠の味に近づけようと、再度、香川まで習いに行く計画も立てているという蓑田さん。ゆくゆくは地元の果樹園と提携して熊本のフルーツを使ったデザートを提供したい、と話す表情からは“本当に美味しいものを生み出したい”という食のものづくりに対する情熱がほとばしっているようでした。
取材・執筆/Komori Daigo
熊本県八代市田中西町10-13-1 ( Google MAP )
営業時間:
11:00~15:00(定休日:木曜日)