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旅行の楽しみのひとつと言えば、やっぱり料理。定番のご当地グルメも良いですが、地元の人が足しげく通う隠れた名店を訪れて地場のものを味わってみるのも旅先での醍醐味ですよね。
長崎県有数の観光地・小浜温泉にも、レンガ調の風情ある城之下通りに地域の皆さんが愛してやまない居酒屋があります。そのお店の名は「居酒屋仁」。“OBAMA STYLE IZAKAYA”と書かれた看板を横目にあずき色の暖簾をくぐると「いらっしゃいませ!」という明るい声が響きます。
居酒屋仁の自慢と言えば、目の前の橘湾で水揚げされた鮮魚の活き造り。カウンター前の生け簀には仕入れたばかりの魚やカニが元気に泳ぎ回っています。新鮮な海の幸をリーズナブルに味わえるため、平日でも満席になるという居酒屋仁。今回はそんな同店の美味しさと安さの秘密に迫ります。
田中さん:長崎県で漁獲できる魚介類は300種類と言われていて、年間を通じて四季折々の海の幸を楽しむことができるんですよ。例えば、イワシやアジ、ブリ、タイ、イサキ、サバ…。サザエ・アワビといった貝類、地タコやイカ、ワタリガニなんかもよく仕入れています。
田中さん:やっぱりエタリ(カタクチイワシ)。イリコや塩辛など加工品として流通することの多いエタリですが、旬の時期は鮮魚として流通。鮮度を活かした刺身、丸ごと揚げた天ぷらは小浜の人間の大好物で、仕入れるとすぐになくなってしまうほどなんですよ。
田中さん:上品な甘みとコリコリとした食感が特徴のカワハギの薄造りも人気ですね。特に旨いのは秋冬シーズンで、しっかりと脂がのった白身、大きくなった肝を九州の甘口醤油で溶いて食べると絶品。ほかにもアジの活き造りや身の詰まった小浜産ワタリガニなど、食事にも酒の肴にもぴったりの鮮魚メニューをそろえています。
田中さん:地元のプロとつながっていることですね。長年仕入れている馴染みの魚屋とは「いいの選んでよ」と言って任せていますし、地元の養殖業者さんからは生け簀に入れる魚介類を直接仕入れています。あと、心強いのが漁師をやっている地元の後輩。定期的に釣れた魚なんかを持ってきてくれるので、すごく助かっていますね。
田中さん:その通りです。今、生け簀に入っているワタリガニも今朝、漁師の後輩が持ってきてくれたもの。普通の飲食店だと一杯2,000~3,000円しますけど、ウチは通常で900円~。安い時は600円で提供することもありますね。このイサキなんて活き造りで1,500円。この値段で出してるところはなかなかないんじゃないかな。
田中さん:たまに観光客の方がネットの口コミを見ていらっしゃるのですが、「こんなに美味しいものをこの金額でいいんですか!?」「刺身が新鮮!マジで感動しました」と驚かれることが多いですね。ぜひ、小浜にお越しの際にはご来店いただければ嬉しいですね。
居酒屋仁では鮮魚の活き造りや旬の魚介類を使った料理だけでなく、熟練の技が光る「串の盛り合わせ」、ふわとろ食感がクセになる「山芋鉄板焼き」、肉の旨味と程よい甘味がご飯やお酒に合う「雲仙牛の炙り焼き」など絶品居酒屋メニューも提供しています。
さらにお酒を飲みたいという方にも朗報。ビールに日本酒、焼酎、レモンサワー、梅酒、ハイボールなど豊富な種類を用意していますので、料理に合わせてドリンクを変えながら楽しむということもできちゃいます。
ただし、さすがは地元の人気店。平日でも満席になることもあるため注意が必要です。来店前に予約を入れておくとスムーズに入店することができますよ。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県雲仙市小浜町北本町905−4 ( Google MAP )
営業時間:
17:30~24:00
TEL: 0957-74-4129