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春はウンゼンツツジ(ミヤマキリシマ)、夏はヤマボウシ、秋は山一面の紅葉、そして冬は美しい霧氷…。標高700mに位置する雲仙温泉郷では、四季によって表情を変える雲仙の山々に包まれながら雄大な自然と白濁の硫黄泉を楽しむことができます。
そんな雲仙温泉の旅館・ホテルの中で、唯一、敷地内に自家源泉を4本有している「ゆやど雲仙新湯」。館内に設けられた4種類の浴場ごとに異なる源泉を使用しており、館内で湯めぐりができる老舗旅館として人気を集めています。
創業100年を越える「ゆやど雲仙新湯」の魅力に迫るインタビューの第2弾。今回は若女将の豊田桐子さんに“温泉”についてお話を伺っていきたいと思います。
豊田さん:硫黄泉は環境省によって分類された“療養泉”のひとつで白濁の色合いと高い殺菌作用が特徴。アトピー性皮膚炎やリウマチ、神経痛などに効能があると言われています。また、血行促進や疲労回復、美白といった効果もあり、美肌の湯とも呼ばれているんですよ。
豊田さん:当館には療養目的でいらっしゃるお客様も多いんですよ。「入浴したら腰の痛みが和らいだ」とか「調子が良くなったので明日も入ってから帰ります」とか、お声を聴いていると皆さん効能を実感してくださっているのかなと。女性のお客様は「肌がしっとりした」とよくおっしゃっていますね。
豊田さん:1つ目は中2階にある男女入替制の大浴場「香仙翔」。加水して源泉を汲み上げる循環ろ過放流式のお風呂で内湯と露天風呂がございます。2つ目は地下の男性大浴場「絹笠の湯」と婦人大浴場「佳宵の湯」。2019年にリニューアルしており、それぞれに源泉かけ流しの庭園露天風呂を備えているのが特徴です。
豊田さん:3つ目は貸切の家族風呂「まどか」。こちらも源泉かけ流しで、宿泊のお客様のみ有料でご利用いただけるお風呂で先着予約制となっています。そして4つ目が露天風呂付客室「月庭」。100年の伝統を感じさせる庭園を眺めながら、源泉かけ流しのプライベート温泉をお楽しみいただけます。4つの趣の異なる湯殿で憩いの時をお過ごしいただければ幸いです。
豊田さん:月庭は豊富な湯量を活かした4室だけのハイグレードな客室です。その特徴は源泉かけ流しの露天風呂が付いていること、そして、室内から明治41年の創業当時から変わらない日本庭園を眺めることができること。季節ごとに表情を変える木々を楽しむことができる、静寂のプライベート空間となっています。
豊田さん:2022年にはお客様の使い勝手がよくなるよう広縁をリノベーション。本間(和室)との段差をなくしてバリアフリー化し、転倒防止とともに露天風呂までのスムーズな導線を設けました。ゆったりと寛げるスペースとなっていますので、お風呂上りにお庭を眺めながらお過ごしいただくのも素敵なひとときになるんじゃないかなと思います。
豊田さん:そうですね。月庭に引いている源泉は硫黄分の強い白濁した第四源泉。100%掛け流しの露天風呂が楽しめるということでリピート率も高いんです。加えて、部屋毎にひのき風呂(2室)と信楽焼き風呂(2室)を設置。それぞれ趣が異なりますので、ご宿泊のたびにひのき風呂のお部屋と信楽焼き風呂のお部屋を交互に利用するというお客様もいらっしゃいます。
豊田さん:大浴場は大浴場の良さがあるのですが、入浴時間が決まっていたり、周りの方に気を使ったりと、お客様によってはご入浴している方が少ない時間を見計らってご利用になる場合もございます。月庭であれば時間も人目も気にすることなく入浴することができるのが大きな魅力。落ち着いて過ごすことができるので、大切な人との記念日はもちろん、持病の湯治や手術後の療養などにご利用いただければと思います。
ゆやど雲仙新湯には「月庭」以外にも素敵な客室が揃っています。例えば2021年に全面リニューアルしたスタンダード和洋室「寛/KAN」。ミニマムモダンをコンセプトにした12.5畳の和洋室にはツインベッドが完備され、洗面スペースには雲仙ひのきを採用しています。
純和室「畳スーペリアルーム」や2室限定の「貴賓室ロイヤルスイート」など最近リニューアルしたばかりの客室のほか、スタンダード和室「禅/ZEN」や和ジアンスイート「綴喜」など和の部屋も。どの客室も趣が異なりますので、旅行の目的にあったお部屋を利用してくださいね。
次回のテーマはゆやど雲仙新湯の“食”。「島原半島15マイル宣言」のもと、島原の魅力あふれる食材を使用した料理についてお話を伺っていきますのでお楽しみに。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県雲仙市小浜町雲仙320 ( Google MAP )
営業時間:
チェックイン15:00~18:00、チェックアウト10:00
TEL: 0120-73-3301