旅亭半水盧#1 本物の風格とおもてなしの心でミシュランにも高い評価を受けた雲仙の離れ宿

旅亭半水盧

今年（2024年）、国立公園の指定90周年を迎えた長崎県の雲仙エリア。世界有数の活火山、雄大な自然が生み出す絶景、そして古くから湯治場として親しまれた温泉を楽しもうと全国・海外から多くの観光客が訪れています。

そんな雲仙温泉郷から少し離れた場所に九州を代表する名宿があるのをご存知でしょうか。旅亭半水盧（りょていはんずいりょ）。重厚な佇まいの長屋門、木々に囲まれた5000坪の広大な敷地、伝統的な数寄屋造りの離れ宿…。季節によって表情を変える日本庭園に囲まれて過ごす空間は、宿泊客に格別なひとときを与えています。

1992年のオープンから32年にわたり観光客に選ばれてきた半水盧。その理由をお聞きしようと総支配人の小田俊隆さんを尋ねると、雲仙の自然と立地を生かした半水盧のさまざまな魅力を教えてくださいました。

お客様の心が安らぐ場所でありたい。30年以上受け継がれる料理、温泉、おもてなしの心

国道57号を走っていると最初に迎えてくれるのは長屋門。こけら葺きの屋根付の格子戸を潜れば木々に囲まれた庭園が広がっていて、まるで別世界に足を踏み入れたかのように感じます。

総支配人：半水盧は雲仙の自然豊かな5000坪の敷地に14の客室を有しています。客室は全て、伝統的な技法が用いられた数寄屋造りの1棟貸し。どのお部屋でも四季折々で表情が変わる日本庭園を望むことができ、平屋建ての特別室には露天風呂・内湯・サウナも完備しているんですよ。

「半水盧」という屋号にはどのような想いが込められているのでしょうか。

総支配人：「半水盧」というのは中国の書物に書かれている言葉で「水を半分ずつ分け与える」という意味があります。水は私たちに心の安らぎを与えてくれるもの。そこで「半水盧=心の安らぎの場」と解釈し、屋号として採用しました。お客様をお迎えするおもてなしの心は開業から30年以上たった今でもしっかりと受け継がれています。

四季折々の旬の味覚を味わえる料理や和の景色を眺めながら入れる温泉も大きな魅力のひとつ。

総支配人：地元九州の海の幸・山の幸をふんだんに使用した本懐石料理は、器選びから盛り付けまで細部までこだわっているのがポイント。1品1品、お部屋まで運びますので日本庭園を眺めながらのお食事が可能です。湯治の湯として長い歴史を持つ雲仙温泉は白濁の硫黄泉。湯の華が溢れ、お肌の改善や疲労回復に効果がある成分がたっぷり含まれているんですよ。

国内だけでなく海外からのお客様の評価も高い半水盧。『ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎 2019 特別版』では宿泊施設と料理の2部門で同時受賞なさいました。

総支配人：宿泊施設部門では最高評価の5つ星、料理部門においても1つ星を獲得しました。実は施設と料理、2部門での同時受賞は国内2軒目の快挙。ミシュランはホテルにとって非常に大きな指標の一つですので、高い評価をしていただけたことに誇りを持って、これからも最高級のおもてなしでお客様をお迎えしていきたいと思います。

生命力を感じる新緑、幻想的な雰囲気に包まれる紅葉…。広大な敷地を散策して心も体もリフレッシュ

半水盧で忘れてはいけないのが雅な庭園造りの広大な敷地。雲仙の自然美に調和する設計はまるで避暑地の別荘にいるかのような安心感と解放感を味わえます。

総支配人：標高700メートルに位置する雲仙温泉は昔から避暑地としても人気が高い場所。様々な植物に囲まれた客室では、窓を開けると爽やかな風が舞い込んできます。早朝の澄んだ空気、日暮れのしっとりとした雰囲気。その中でのんびりと過ごすひとときがお客様の心も体も癒しています。

季節によって様々な変化を楽しむこともできますね。

総支配人：はい。例えば、新緑の季節には春に芽吹いた植物が青々と茂り、生命の力強さを感じます。暑い夏が過ぎて秋になると赤や黄色に色付く紅葉樹。その時期しか味わえない幻想的な景色が楽しめます。また、濡れた石畳が本来の美しさを見せる雨の日も素敵ですよ。

石畳の通路脇にはみずみずしい苔庭が。

総支配人：どんな季節でも常緑な苔は落ち着いた和の雰囲気を醸し出します。ただ、苔庭を長く綺麗に維持するためには様々な手間が必要。それでも惜しみなく労力をかけているのはお客様に時間を忘れて自然を身近に感じて欲しいから。苔の美しい姿に半水盧が重ねてきた時間と歴史を感じていただければ幸いです。

もうすぐ紅葉の季節。敷地内を散策しながら紅葉狩りを楽しむのも良さそうですね。

総支配人：散策の時間がより楽しいものになるよう、ご希望のお客様にはスタッフお手製の「お庭散策マップ」をお渡ししているんですよ。普段の生活から離れて自然の中で過ごすことは、肉体的にも精神的にも良い影響を与えると言われています。360度、緑に囲まれた半水盧を散策して心身ともにリフレッシュしていただければ嬉しいです。