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熊本県八代市古閑中町
2011年に八代市で産声を上げた「居酒屋座忘」は、今年2026年で15年という大きな節目を迎えました。創業当初の苦難を乗り越え、2018年には法人化し、株式会社Soltz 焔を設立。現在は古閑中町の「居酒屋座忘」と本町の「居酒屋安座」の2店舗を構えるまでに成長を遂げています。
最終回となる今回は、代表の平井佑司さんと店長の入田雅史さんに、今だからこそ語れるエピソードをインタビュー。これからの事業展望や平井代表が一人の父親として次世代へと繋いでいく熱い想いをたっぷりとお届けします。

平井さん:独立した当時は30代になったばかりで、根拠のない自信に満ちあふれていたんですよ(笑)。でも、現実は甘くない。資金に余裕がなかったから、お店の壁を塗るのもメニュー表を作るのも全部自分たちでやる手作りのスタートでした。とにかく経費を抑えなきゃいけなくて、家賃の安さを最優先に物件を探したのをよく覚えていますね。
平井さん:それが、最初の半年間は本当に苦しくて…。家賃の安さを優先した分、立地は決して良くなかったですし、知名度もゼロ。当時は「このまま店が潰れてしまうんじゃないか」って、毎晩のように不安と戦っていました。だからこそ、少しずつお客様が増えて経営が安定してきた時の喜びは、今でも忘れられないくらい格別なものでしたね。

入田さん:私は接客も担当しているので、積極的にお客様にお声がけするようにしているんです。ある時、お一人様で来られた常連様に声をかけたら、「実は明日、八代を離れることになったんです。最後にどうしても座忘さんの料理が食べたくて」と仰ってくださって…。その言葉を聞いた瞬間、もう胸がいっぱいになって、熱いものが込み上げてきました。
入田さん:本当にそうですね。驚いたことに、そんな風に言ってくださるお客様はお一人だけじゃなかったんです。八代にはたくさん飲食店がある中で、『最後に行きたい場所』としてうちを選んでいただけた。それはまさに「居酒屋冥利に尽きる」というか…。この店で働いていて本当に良かった!と、心から誇りに感じた瞬間でしたね。

平井さん:おかげさまで現在は2店舗を運営できています。入田店長をはじめとする優秀なスタッフも育ってきてくれているので、今後は新しい店舗の立ち上げも視野に入れて、少しずつ事業を広げていきたいなと考えています。それぞれの店が、地域でさらに深く愛される場所になるように、これからもどんどん挑戦していきたいですね!
平井さん:今、高校3年生の息子が「将来は料理人になって、跡を継ぎたい」と言ってくれているんですよ。これ、親としては一番嬉しいことですよね。しっかりとバトンタッチするために、八代で20年、30年と末永く愛される店であり続けたいというのが大きな目標です。

平井さん:そうだと嬉しいですね。実は、現在の場所へ移転リニューアルした際、一番大切にしたのが「家族との時間」だったんですよ。夜がメインの仕事なのでなかなか子どもと接する時間が取れなかったのですが、店舗併用住宅にすることで可能な限り家族と一緒に過ごせる環境をつくりました。私の働く姿を間近で見ていた息子が、自然と同じ道を目指してくれたことは父親として大きな喜びです。
平井さん:息子が専門学校へ行って、修業して一人前の料理人になって帰ってくるまで、全力でこの店を守り抜かなきゃいけないので、プレッシャーも大きくなりましたけどね(笑)。でもそうやって、二代目、三代目と「座忘」の暖簾が長く受け継がれていくことが誇らしい。料理を作ることは私にとって唯一無二の楽しみですから、これからもこの情熱を糧に美味しい料理を届け続けますよ!

「大変なこともあるけれど、料理を創作すること、お客様に『美味しい』と言っていただけることは本当に楽しいんです」と、満面の笑みで語ってくれた平井代表。その表情からは、職人としての揺るぎない誇りと、料理への純粋な愛が溢れていました。
ランチタイムから夜のひと時まで、地域に根ざし、家族やスタッフとの絆を大切にしながら歩み続ける「居酒屋座忘」。その温かな光は、これからも八代の街を明るく照らし続けていくことでしょう。
取材・執筆/Komori Daigo

熊本県八代市古閑中町1207 ( Google MAP )
営業時間:
昼/11:45〜14:00(L.O.13:20)
夜/17:30~last
※定休は水曜ほか