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2024年11月。大村市水主町1丁目に長崎和牛をメインにした居酒屋がオープンしました。その名も「大衆肉酒場RAKU」。レトロと今っぽさを掛け合わせた開放的な“ネオ大衆酒場”で、女性や若者でも気軽に食事やお酒を楽しむことができると話題になっています。
おそろいのオリジナルTシャツとエプロンを身に纏ったスタッフが笑顔でお客様をお出迎えする大衆肉酒場RAKU。その店長を務めているのが大村出身の沼瀬優大さん(34歳)です。
実はオープンの数か月前まで別の仕事をしていたという沼瀬さん。元々、この場所で営業していた炭火焼ハンバーグの店・BurgるBurgをリニューアルして誕生した大衆肉酒場RAKUの責任者を担うことになった経緯をお聞きしていきたいと思います。
沼瀬さん:高校を卒業してからチェーン展開している県外の居酒屋に就職。12年間で店長職も担当させていただきました。ただ、私が30歳の時に新型コロナが大流行。皆さんご存知の通り、飲食業界は大きな影響を受けました。その頃は山口県の店舗にいたんですけど「これはまずいんじゃないか…」と不安が大きくなり、地元に戻ることにしたんです。
沼瀬さん:帰郷してからは島原そうめんを販売する地元企業に営業職として勤務。仕事は楽しかったのですが「いつかもう一度飲食店で働きたい」という気持ちはありました。そんな時、高校時代の同級生から「自分が経営している会社で新しく飲食店を始めようと思ってる。そこの店長をやってもらえないか」と声をかけられたんですよ。
沼瀬さん:はい。ただ、最初は断ったんですよ。すごくありがたい話だったんですけど、営業の仕事に慣れ始めた頃だったので。でも何度も誘いを受けるうちに「これは本気でやろうとしているんだな」と感じるようになったんです。
沼瀬さん:30を過ぎて次にチャンスがいつ来るかわからない。じゃあ思い切って引き受けてみようと答えを出したのが2024年の7月末でした。同級生…今は社長ですね。彼が私の経歴を知っていたというのも大きかったですし、飲食の仕事をしたいという想いもあったので、彼の言葉と情熱が私の心にスポッと入ってきたような、そういう不思議なご縁をいただいた感じがしています。
沼瀬さん:2024年初夏、BurgるBurgのオーナー・梶原さんが家庭の事情でしばらく店を休業することになったんです。それで最終的に故郷の愛媛に戻ることになり、当社社長の氏福に相談したのが始まり。「ここまで人気になったから畳まずになんとか存続できないか…」という梶原さんの熱意に打たれ、新事業に取り組むことを決めたそうです。
沼瀬さん:そうです。プロジェクトがスタートしたのは昨年(2024年)7月。社長、専務、梶原さん、そして私のコアメンバー4名で業態やオープン日などを決めていきました。その頃の私は引継ぎのために前職に在籍したまま2足のわらじ生活。毎日、仕事が終わった後にBurgるBurgに集まって話し合いに参加していたので大変でしたね。
沼瀬さん:とにかく期間が短い中で悩んでいる時間がなかったので、話し合いでもスパスパッと決まることが多かったですね。ただ、私が前職を辞して本格的に入ったのが10月だったのでメニュー作りは本当に急ピッチ。飲食業界未経験の人に比べれば居酒屋で培った知識や経験がアドバンテージとしてあったのでそれを活かしてなんとかなったという感じでした。
沼瀬さん:最初はBurgるBurgをそのまま引き継ぐ、という話だったんですよ。ただ、前オーナーの梶原さんから「夜業態をメインにした方が良いんじゃないか」という意見があって。同じ場所で1年やってきたからこそ、炭火焼ハンバーグ店の強み・弱みの両面を感じていらっしゃったんだと思うんです。そのアドバイスを参考にしながらRAKUの営業スタイルを決めていきましたね。
BurgるBurgをそのまま継承するという構想を変更し、店舗リニューアルで誕生した「大衆肉酒場RAKU」。A5ランクの長崎和牛をメインに据えつつも、既存のお客様のニーズにも応えたいBurgるBurg時代のハンバーグをメニューに残しています。
「実は私、ずっと和食をやってきたので海鮮系の方が得意なんですよ(笑)。でも、お肉はお肉ですごくおもしろい。これまで料理人として踏み入れたことのないテリトリーだからこそ、これまでの経験や技術を活かして最高の料理をお客様へ提供していきたいと思っています」
地域の方々に美味しいお肉を届けたい――。BurgるBurgから引き継いだ味と想いを胸に、沼瀬さんは今日も厨房で腕を振るいます。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県大村市水主町747-1 ( Google MAP )
営業時間:
【火~土曜日】17:30~23:00【日曜日】15:00~21:00
(定休日:月曜日及び第2・4日曜日)
TEL: 0957-47-9056