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諫早市で昭和46年に創業し、今なお多くの市民が足を運んでいる「力寿司」。暖簾をくぐるとどこか懐かしい雰囲気が漂い、まさに大衆の味を受け継ぐ名店という感じ。無節の檜で設えたカウンターの奥から二代目店主の黒田昭さんが笑顔で迎えてくれます。
寿司を身近に感じてほしいという黒田さんの想いから半世紀を超えて大衆の味を提供してきた同店。地元の鮮魚を中心にした寿司をはじめ、創業から変わらないレシピの茶椀蒸し、衣に卵を使わずにカラッと揚げた天ぷらなど、細やかで丁寧な仕事で作り上げた料理がお客様の下を楽しませています。
今回の記事では、そんな力寿司の看板メニュー「にぎり寿司」の美味しさをご紹介。創業当時から提供しているという「夫婦蒸し」と合わせて食レポしていきますよ。
黒田さん:うちは一般的なものと比べて酢が多め。父が祖母と一緒に試行錯誤しながら決めたレシピを昭和46年の創業から守り続けています。もちろん、毎日手作業で準備。直径66センチの大きな桶に米と合わせ酢を入れて混ぜ合わせることで水分をコントロールし、舌ざわりの良いシャリができあがるんですよ。
黒田さん:大衆寿司屋なのでネタも大ぶり。高級魚はあまり使いませんが、タイやヒラス、アジといった長崎の活魚はできるだけ入れるようにしています。…はい、お待たせしました。ランチの「にぎり寿司」です。今日はタコ、エビ、イカ、アナゴ、サーモン、ヒラス、マグロ、タイの8貫。あたたかい汁物と一緒にお召し上がりください。
黒田さん:ありがとうございます。シャリは特徴が一番出るところだと思っているので、今でも勉強を兼ねていろんな店のお寿司を食べているんですよ。シャリで大切なのは味の優劣ではなく、お客さんの好みに合うかどうか。力寿司は美味しいと来店したり出前を取ったりしてくださる方は、ウチのシャリが口にあっているのだと思うと嬉しいですね。
黒田さん:若い方なんかは「おお~」と感嘆の声をあげながら写真を撮っていらっしゃいます。この下駄は熊本で寿司屋をやっていた叔母夫婦から譲り受けたもの。お子さんがいらっしゃらなかったので私や妻をわが子のようにかわいがってくださいました。今は亡くなってしまったので、思い出が詰まった大切な形見の品。これからも大事に使っていきたいと思います。
黒田さん:夫婦蒸しは力寿司の創業当時から提供しているメニューです。温かい料理なので寒い時期に食べれば体も心もほっくり。茶椀蒸しも蒸し寿司もどんぶり茶碗で出しているので、県外からいらっしゃった方は驚かれますね。
黒田さん:茶椀蒸しのレシピは創業から50年以上ずっと変わっていないんですよ。具材として入っているのは銀杏、椎茸、かまぼこ、鶏肉、竹の子、春菊(カイワレ)。オーソドックスな蒸し料理だからこそ、卵液の準備や具材の下ごしらえはひとつひとつ丁寧に。単品や出前でも人気が高い、力寿司の王道人気メニューです。
黒田さん:ウチの蒸し寿司はご飯にひと工夫していて、シャリと白米の割合を1:1にしているんですよ。理由はシャリだけでは酢が強すぎるし、白米ではちょっと物足りないから。そこにミンチにした椎茸の煮物を混ぜ合わせることで、最高にバランスの良いまぜ飯に仕上げています、
黒田さん:ありがとうございます。ああ、そうだ。注意事項として夫婦蒸しや茶椀蒸しに使用しているどんぶりは数に限りがあるんですよ。出前や宴会などの状況によっては「器がなくて作れない」ということも。特に夫婦蒸しは1食で2個の器が必要になりますので、注文を事前にご予約されることをおすすめしています。
いかがだったでしょうか。
リーズナブルな価格で寿司や一品料理などを楽しめる諫早の大衆寿司屋「力寿司」。11:30~14:00のランチタイムには「にぎり寿司」「上にぎり寿司」「特上にぎり寿司」の各にぎり寿司に汁物を付けたお得なランチサービス(イートインのみ)で味わうことができますよ。
力寿司はイートイン以外にも出前やテイクアウトにも対応。創業50年を越える大衆の味をぜひ味わってみてくださいね。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県諫早市東小路町12-16 ( Google MAP )
営業時間:
昼11:30~14:00、夜17:30~22:00
TEL: 0957-22-1468