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西側に鳴鼓岳、烏帽子岳といった山々がそびえ、東側には豊かな海の幸を育む大村湾を望む自然豊かな町・時津町。海に面した平野部は住宅地・商業地が広がり、企業誘致による工業地など長崎市のベッドタウンとして人気があります。
そんな時津町日並郷の山裾で国産きくらげを育てているのが「かわはら農園」。長崎県産きくらげ「きみみちゃん」というブランドを立ち上げ、新しいまちの名産品としてPRを行っています。そんなきくらげの栽培を行っている川原規代さんに、きくらげの栽培方法や魅力などについてお話を伺いました。
川原さん:柔道をしていた息子に栄養価の高い食事を摂ってほしい、と思ったのがきっかけでした。ただ、市場に出回っているのはほとんど外国産だったので、自分たちで作ってみようとハウスを自作して栽培を始めました。きくらげはビタミンDがほうれん草の150~200倍でカルシウムや鉄分、食物繊維も豊富。吸収もよくカロリー0で無味無臭なことが特徴で食べる漢方ともいわれているんです。
川原さん:ウチで育てているのは黒きくらげ(荒毛きくらげ)と白きくらげの2種類。きくらげは夏がシーズンで4月~10月が収穫時期。あたたかい時期に発育のピークを迎えますので、寒い冬は栽培できません。気をつけているのは、温度と湿度。生育に最適な温度は13~32℃のため、ハウスの温度管理が重要です。湿度も重要で適切な生育環境は60~80%なので、それを保つように心がけています。
川原さん:実はきのこは生育過程で人間と同じように呼吸をしています。きくらげも同じで、換気をしないと二酸化炭素の濃度が高まってしまい、生育に悪影響がでてしまいます。そのため、換気にも気を付けていますし、適度な日光や影を取り入れることもきくらげ栽培のポイントですね。(※白きくらげは暗い場所が適正環境。)
川原さん:やっぱり自然に近い環境で栽培したいので無農薬はこだわりですよね。ただ、その分、ムカデやカタツムリ、ガの幼虫など虫がつきやすい。生育中についた虫はコンプレッサーを使用して除去、収穫後にも一枚一枚、目視で確認をしています。薬品を使用していないからこそ虫も食べたくなるんでしょうね(笑)。
川原さん:きくらげ1枚で空き缶の底くらいの大きさまでになり、その一つの塊をシーズン中に何度か収穫します。収穫後、大体2日くらいで次のきくらげがでてくる感じですね。ただ、収穫の回数を重ねると大きさや色、厚みが変化します。わかりやすいのは大きさで、2回目の収穫くらいまではある程度の大きさなのですが、それ以降は小ぶりになっていきますね。
川原さん:ピーク時には6人で朝9~11時頃まで収穫をしています。1日の収穫量は大体90キロ。収穫したきくらげは選別処理をして、天日干しにて太陽の光をたっぷりと浴びさせます。きくらげを摘むのも、選別するのもすべて手作業で行っているんですよ。
川原さん:黒の乾燥きくらげは炒めもの。水で戻して水気をよく切った後に、ごま油で炒めて砂糖と醤油で味付けするという簡単レシピなのでオススメです。生きくらげならお刺身と天ぷら。お刺身は30秒ほどお湯でくぐらせたきくらげにお好みで酢味噌や醤油、ポン酢+ラー油をつけて。てんぷらは大根おろしと天つゆとの相性が抜群です白きくらげはフルーツポンチもおすすめですよ。
きくらげを適切な生育環境と無農薬で安心・安全に栽培しているかわはら農園。多くの方に健康に良いきくらげを届けたいという想いは地域を巻き込み、現在は時津日並地区が一体となって新しい長崎県産品・きくらげの「きみみちゃん」をPRしています。
そんなかわはら農園の商品は通販サイトで購入できるほか、地元スーパーでの販売はもちろん、ふるさと納税の返礼品としても取り扱っていますので、興味のある方はぜひ一度おためしください!
※取材・執筆/komori daigo
長崎県西彼杵郡時津町日並郷2316-12 ( Google MAP )
TEL: 095-886-8001