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長崎県大村市玖島
扉を開けた瞬間、ふわりと包み込まれる小麦の香ばしい匂い。長崎県大村市の路地裏に佇む「あさころパン」は、今日も焼きたてのパンを求める人々で賑わっています。カウンターにずらりと並んだパンを前に、どれにしようかとトレイを持って迷う時間も、ここでの楽しみのひとつ。
今回は、そんなあさころパンの豊富なラインナップの中から、「これを選べば間違いなし!」という人気商品ベスト3を大発表!店主の奥様・北川麻衣子さんに聞いたランキングと共に、昨年(2025年)夏に多くのファンを魅了した「ハンバーガー」の誕生秘話についても伺いました。

麻衣子さん:人気No.1は「島クリームパン」です!主人の故郷である長崎県平戸市の海塩「慈眼(じげん)の塩」と奄美大島の「島砂糖(きび糖)」。この“2つの島”の食材を使用した自家製カスタードが命です。当店自慢のふんわり口どけの良いパン生地とメリハリの効いた濃厚カスタード…。この相性がもう、最高なんですよ。
麻衣子さん:実はこのパン、開業当初からある商品なのですが、元々は奄美大島のきび糖だけを使っていたんです。それを昨年(2025年)、「慈眼の塩」を加える形へ大きくリニューアルしました。塩が加わったことでクリームの甘みがキリッと引き立ち、小さいお子様からご年配の方まで、幅広い年齢層のお客様に愛される不動の一番人気になりましたね。

麻衣子さん:第2位は「めんたいフランス」です。かねふくの明太子とバターだけで作った贅沢なオリジナル明太ペーストを、高加水のフランスパン「パン・ド・ロデヴ」にたっぷりと塗って焼き上げています。外側はパリッとしていますが、中は水分をたっぷり含んでいるので、驚くほど歯切れが良いのが特徴。喉越しが良くてスルスルとお腹に入っていくので、「飲み物みたい!」なんて仰る方もいるくらいです(笑)。
麻衣子さん:何個でも食べられると好評で、こちらも開業当初からのロングセラーです。めんたいフランスは当店のパンの中でもちょっと特別で、5分から10分ほどお待ちいただければ「焼きたて」をお渡しすることが可能。「4つ、5つ焼いてください」とまとめ買いをされるお客様も多い、自慢の一品です。

麻衣子さん:第3位は、やっぱり「食パン」ですね。卵と乳製品を一切使用していないのに美味しいというのが最大の特徴。小麦粉を熱湯で練り上げる伝統的な「湯種(ゆだね)製法」を採用することで、驚くほどのもちもち食感を実現しました。水分をたっぷりと抱え込んだ生地は、まるで炊きたてご飯のようなしっとりとした口どけを楽しんでいただけます。
麻衣子さん:ベースとなる小麦粉には、吸水性が高く素材本来の甘みが強い「キタノカオリ」を使用しています。そこに北海道産の全粒粉をブレンドすることで、味わいに一層の深みと香ばしさをプラスしました。体に優しいけれど、美味しさは我慢しない。そんな想いを形にするため、手間のかかる製法と厳選素材で焼き上げています。

麻衣子さん:今年も同じ時期(夏~秋)に期間限定で販売できたらいいなと考えています。実はこのハンバーガー、義父がかつて佐世保で営んでいたパン屋さんで提供していた「佐世保バーガー」がベースになっているんです。義父が高齢になり店を譲ったこともあり、「お義父さんの味をあさころパン流にアレンジして残せないか」と考え、挑戦することにしました。
麻衣子さん:パテと甘めのマヨネーズの味はしっかりと受け継ぎつつ、私たちはパン屋として「バンズ」にとことんこだわりました。ジューシーなお肉に負けないよう、生地にライ麦を配合して、サクサクとした歯切れの良い食感に仕上げています。注文が入ってから調理するので大変ではありますが、手づくりパン屋としての矜持を込めた、私たちにとっても思い入れの深い一品です。

昨年(2025年)の販売時には、Instagramや店頭POPを見て「これ頼めるんですか?」と注文が殺到し、リピーターも続出したというあさころパンのハンバーガー。「お待たせしてしまうこともありましたが、それでも食べたいと言ってくださるのが嬉しかった」と麻衣子さんは笑顔で振り返ります。
開業から愛され続ける「不動のベスト3」に、店主のルーツと情熱が詰まった「期間限定バーガー」。あさころパンの商品一つひとつには、作り手の温かい想いと、食べる人の笑顔を願う真摯な姿勢が練り込まれています。あなたもトレイとトングを片手に、大村の小さなパン屋さんでお気に入りのパンを見つけてみませんか?
取材・執筆/Komori Daigo

長崎県大村市玖島1-62-6 ( Google MAP )
営業時間:
9:30-19:00(定休日:日、月、祝/時々不定休)
TEL: 0957-54-3525