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暮しを楽しむの手帖
ささや#4 諫早を訪れた人が「この街にまた来たい」と思えるような店に

平成3年に諫早市のアーケード商店街の近くにオープンした「ささや」。テレビドラマの小料理屋のシーンに出てくるような素敵な空間で、今日も常連客が美味しい料理とお酒を楽しみながら心地よい時間を過ごしています。

店主・松竹恵子さんとのおしゃべりもささやの醍醐味のひとつ。店内は明るい笑い声にあふれ、気さくで温かな人柄の松竹さんから元気をもらおうと来店するお客様も少なくありません。そんな地域の皆さんに愛されながら33年という月日を送ってきた松竹さんに、ささやの「これまで」と「これから」をお伺いしました。

相手を慮る松竹さんの「料理」と「コミュニケーション」

ご縁を大事になさっている松竹さん。平成3年にオープンなさってからたくさんのお客様にお会いなさって来たと思います。

松竹さん:ささやには親・子・孫と三世代にわたって通ってくださるお客様がたくさんいらっしゃいます。先日も20代の若者が来店されたときに「久しぶりに来ました」と仰ったんです。若かったしお顔にも覚えがなかったので不思議に思っていると「小学校の時に叔母に連れられて・・・」って答えが返ってきて。素晴らしい出会いをさせてもらえて感謝ですね。

家族のようにお客様に接する「ささや」のあたたかみに、皆さん惹かれていらっしゃるんでしょうね。

松竹さん:カウンター越しにお客様と言葉のキャッチボールをしていると、少し元気がないなぁ、と感じることもあります。そういう時は「少し肩が落ちてると思ってました~」なんて気遣いをしながら話を聞くんです。普段から何でも話せる家族のような付き合いをしていますので、気持ちを打ち明けやすいのかもしれませんね。

松竹さんのお話を聞いていると「話を聞いてほしい」「元気をわけてもらいたい」と思うお客様の気持ちがよくわかる気がします。

松竹さん:コミュニケーションと同じくらい大事なのは、やっぱり料理。料理に込めた想いって言葉に負けないくらい相手に伝わると思うんです。だから、毎日手間をかけておいしく調理するように心がけています。

わからないことを学ぼう、という姿勢も素敵だと思います。

松竹さん:私は自分が一番のライバルで、生産者やお客様が一番の先生。苦言をいただくこともありますが、私のことを想って言ってくださっているんだ、と思えばありがたいんです。いつまで謙虚に成長し続けていきたいなと思っていますよ。

最後に、諫早で30年以上続く食事処として、今後の目標や展望を教えてください。

松竹さん:オープンしてから私がずっと大切にしている「真心こめたやさしい料理と笑顔のおもてなし」でお客様の体と心に栄養を与えられる店であり続けること。1日でも長くお客様のために準備をして「開いててよかった」と声をいただけたら嬉しいですね。

昨年(2022年)には長崎新幹線が開通し、長崎の玄関口として諫早に注目が集まっています。

松竹さん:諫早にいらっしゃった人たちがこの街のことを大好きになってくれる場所でありたいと思っています。また諫早に来たくなる“外交の最前線”っていうのかな。長崎県諫早市っていうワードを聞いて「ああ、あの元気な店主がいるささやがあるところか」って思われるくらい、皆さんの記憶に残る店になっていきたいと思います。

ひとりの女子中学生がテレビの影響で持った「小料理屋を開く」という夢。彼女はたくさんの学びと経験を重ねて自分の店をオープンさせました。33年という月日の中で地域に愛され地元に根差してきた「ささや」。これからも松竹さんの作る手料理と人柄で、オレンジの暖簾をくぐる皆さんの体と心に栄養をお届けしていくことでしょう。

※取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
ささや

長崎県諫早市東小路町9‐9 ( Google MAP

営業時間:

11:30~13:30、
17:30~23:00(定休日:日曜・祝祭日)

TEL: 0957-21-3973