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暮しを楽しむの手帖
てまこま食堂#4 「諫早にてまこま食堂がある」と自慢したくなるような店を目指して

新型コロナウイルスが世界的に流行し始めた2020年春。長崎県諫早市に1軒の弁当屋がオープンしました。安全でおいしい弁当を地域に住むたくさんの方に届けたいという想いからデリバリーをメインにしたその店は、コロナ禍という未曽有の状況でも信念を貫き、翌2021年秋にはイートイン・テイクアウト・デリバリーを行う「定食とお弁当のお店 てまこま食堂」へとリニューアルしました。

「オープンする前の計画段階ではコロナなんて想定していなかったから、試行錯誤を繰り返しながらなんとかやってきました。今の業態になって安定した売り上げがあるのも、注文してくださるお客様と店を支えてくれる従業員のおかげです」と振り返るのは久米広輝オーナー。そこで今回はてまこま食堂のこれまでとこれからについてお話を伺っていきたいと思います。

イレギュラーだったコロナ禍の3年。だからこそこれからの3年が大事になる。

「てまこま食堂」の前身である「DELI-BENTO てまこま」のオープンから3年半。新型コロナウイルスの流行もありましたが、これまでの手ごたえはいかがでしょうか。

久米さん:2軒の居酒屋経営で培った経験・ノウハウ・人材を生かして弁当屋をやることにしましたが、オープン早々にコロナ禍になった。誰も経験したことのないイレギュラーな状況の中で暗中模索する日々は大変でしたが、今思えば本当に良い勉強をさせてもらったなと感じています。

災い転じて福となす、というやつですね。

久米さん:計画段階の構想とはだいぶ変わってしまいましたが、おかげさまで弁当事業についてはコンスタントに注文が入るようになりました。「子どもがてまこまさんの弁当なら食べるんですよ」なんて感想をいただくとめちゃくちゃ嬉しい。研修やイベント主催者からのオーダー弁当のご予約も増えていて手ごたえを感じています。

反対に久米さんが課題だと思うところはなんでしょうか。

久米さん:いろいろありますが、力を入れたいと思っているのは地域の病院関係へのPRですね。オープン当初からコロナ禍だったこともあり、市内の医療機関への訪問は極力控えてきました。日々、いろんな患者さんと向き合っている病院勤務の方々は体力勝負。ウチの手間ひまかけた弁当を食べてもらって1日の活力を蓄えていただければと思います。

少し話は変わりますが、取材を通じて経営者である久米さんと店舗を任されているスタッフの皆さんとの関係性がとても良いな、と感じています。

久米さん:ウチの店は女所帯で男は私と共同オーナーの2人だけ。ミーティングの時なんか女子高に放り込まれた気分ですよ(笑)。でも、彼女たちの明るさ、パワフルさ、賑やかさにはすごく助けられていますし、みんなでこの店を盛り上げていこうと頑張ってくれているのが本当にありがたいです。

雰囲気の良さが接客にも出ているんでしょうね。

久米さん:調理に関しても成長がすごくて。採用したばかりの頃は「本当に家で料理作ってる?」くらいだった主婦スタッフが、仲間に教えてもらいながらメキメキと上達していくんですよ。彼女たちを見ているといろんな意味でおもしろいですし、何より頼りになる。長く勤めてもらうためにも働きやすい環境を整えていきたいですね。

これから「てまこま食堂」をどのような場所にしていきたいですか?

久米さん:諫早の皆さんにとって「あそこに行けばおなか一杯になってよかよね」「うまかけん友達に紹介したかね」と思っていただける、自慢の食堂になりたいというのが一番。「安全でおいしい」というコンセプトを忘れずに、これからもブレずにやっていきたいです。

定食を食べに来てくれる人にも、職場から弁当を注文してくれる人にも、安全でおいしい料理を届けるために手間がかかって困っても構わない――。今日も「てまこま食堂」のキッチンでは、今日もスタッフの皆さんが栄養と愛情がギュッと詰まった定食とお弁当を調理しています。

「最近は会合や冠婚葬祭で100個とか大量でのご注文をいただく機会も増えました。諫早の弁当、諫早の定食と言えばてまこま食堂というイメージが徐々に広がってきている。これからの初心を忘れずに地産地消の料理を提供していきたいと思います」

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
てまこま食堂

長崎県諫早市福田町42-26 ( Google MAP

営業時間:

弁当/8:00~13:00(土・日定休)
定食/11:30~14:00、18:00~24:00(日曜定休)
※2023年7月より夜営業は休止中。

TEL: 080-8375-9035