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暮しを楽しむの手帖
てまこま食堂#1 手間がかかって困っても構わない!お客様に安全でおいしい料理を届ける定食とお弁当の店

地元の食材を使った愛情たっぷりの手作り料理とリーズナブルな金額でおなか一杯になるボリュームで人気の定食とお弁当の店「てまこま食堂」。長崎県諫早市に2020年にテイクアウト・デリバリー専門の弁当屋としてオープン、翌2021年に移転リニューアルを行い弁当も食事もOKの大衆食堂へとバージョンアップしました。

「てまこま、というのは私の言い間違いから生まれた造語なんですよ(笑)。みんなで屋号を考えているときに“てまひま”を“てまこま”と言い間違えたら、それいいじゃんって。おいしくて安全な料理を届けるためなら私たちは『てま』がかかって『こま』ってもかまわない。『てまこま』にはそんな想いが込められています」
 
そう話すのは代表を務める久米広輝さん。サラリーマンとして会社勤めをする一方で、共同オーナーとして「てまこま食堂」の運営に携わっています。2足の草鞋を履きながら飲食店経営に関わっているのはなぜなのか、その想いを伺いました。

オーナーはサラリーマン。7年かけて結実した「飲食業界に携わりたい」という元調理師としての想い。

飲食業界に興味を持ったのはいつ頃なのでしょうか?

久米さん:学生時代には調理師になりたいなと思っていて、高校卒業後は調理師の専門学校に入りました。その後、病院調理師として勤務していたのですが、27歳の時に親戚から「会社を手伝ってくれないか」と誘われて転職することにしたんです。

そのタイミングで調理からは一度離れることになるわけですね。

久米さん:でも不思議なもので、しばらくたつと調理がしたくなるんですよ(笑)。だんだんと「店を持ちたい」と思うようになりましたが、自分は雇われの身。それでも夢を捨てきれず思案している時に「自分が調理師として店に立つんじゃなく、オーナーとして運営に関われたら面白いんじゃないか」と思ったんです。

飲食店経営を副業でやってみよう、と。なかなか思い切った決断だと思います。

久米さん:実際、勤務先の社長に相談したら最初は良い顔はしませんでしたね。7年かけて自分の想いを伝え続けてOKをもらえた時はめちゃくちゃ嬉しかった。35歳の時に共同オーナーとして1号店となる居酒屋を、2年後に2号店をオープン。そして2020年に3店舗目として手掛けたのが「てまこま食堂」の前身である「DELI-BENTO てまこま」でした。

経営者として経験を積まれる中で、次にデリバリーに特化にした弁当屋をやろうと考えた理由はなんだったのでしょうか。

久米さん:店を任せるスタッフが育ってきたことで、自分たちの料理をもっと多くの人に届けたいと考えるようになったからです。居酒屋ってどれだけ旨いものを提供しても来店した人しか喜ばせられない。でも、デリバリー弁当なら家庭や職場などいろんな場所へ自慢の弁当を配達してたくさんの人を笑顔にできるんじゃないか。そんな想いで弁当屋をチョイスしました。

ただ、1年半後には2つの居酒屋を閉店して「DELI-BENTO てまこま」を定食と弁当の店「てまこま食堂」へリニューアルと大きく舵を切られます。

久米さん:居酒屋の閉店については新型コロナの流行が大きいですね。売上が厳しかったことはもちろん、一番は長く続いた自粛生活で雇っていたスタッフのモチベーションが戻らなかったこと。あの時ばかりは「経営者が厨房に立てない」という私たちの経営スタイルの弱みを痛感しました。

お酒を提供する飲食業界はコロナで大きな影響を受けましたよね。

久米さん:弁当も思った以上に売上は伸びなかった。そんな状況で頭を抱えていた時に励みになったのが女性スタッフたちの明るさ。積極的に動いてくれる安心感と大量の弁当注文も捌いてくれるパワフルさにすごく支えられました。だから、彼女たちの働く場所を守っていきたいという想いからリニューアルを決断したんです。

業態を変えることへスタッフの皆さんから不安の声はなかったのですか?

久米さん:コロナも落ち着いてきて定食なら勝負できると踏んでいたので、そこはしっかりと私たちの考えを伝えましたね。弁当屋は朝から3~4時間程度の勤務でしたが、定食屋もやると6時間くらいは働いてもらうことになる。でもその分、月給は上がるし、負担も大きくない。スタッフが安心して働ける環境もしっかりと整えました。

人は城・・・。お互いに信頼できる関係性の上で「てまこま食堂」は誕生したのですね。

久米さん:数か月ごとに行うミーティングでも自分で考えた季節のメニューを発表してくれたり、新人さんの教育もしっかりやってくれたり。昭和の大衆食堂のようなにぎやかで人情味がある雰囲気になっているのは間違いなくスタッフのおかげ。これからも安全でおいしい手作り料理を届けられるようみんなで頑張っていきたいですね。

活気あふれる厨房を覗くと、地元産の野菜やお肉、魚といった食材をテキパキと仕込み、調理しているスタッフの皆さんの姿が。久米さんが声をかけると、和やかに談笑する姿に雰囲気の良さが感じられます。

「安心安全な料理を提供するからこそ、仕込みも調理もすべて手作業。1から10まで手間はかかるけれど、頼りになるスタッフたち作る料理は、家庭的でとてもおいしいと評判なんですよ」と目を細める久米代表。てまこま食堂という城を作り上げる仲間としてリスペクトしあう社風こそが、この店最大の隠し味なのかもしれません。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
てまこま食堂

長崎県諫早市福田町42-26 ( Google MAP

営業時間:

弁当/8:00~13:00(土・日定休)
定食/11:30~14:00、18:00~24:00(日曜定休)
※2023年7月より夜営業は休止中。

TEL: 080-8375-9035