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島原半島の西側に位置し、橘湾を望む風光明媚な海沿いの温泉街として知られる小浜温泉。メインストリートの国道251号沿いにはホテルや旅館が立ち並び、まちなかのいたるところから湧き出す温泉の湯気が立ち込めています。
そんな小浜温泉で、名物の小浜ちゃんぽんや新鮮な海の幸を使ったお寿司などを味わえると人気のスポットが「味処湯処よしちょう」。1階が大衆浴場、2階が食事処となっており、食事をすると無料で入浴ができるという嬉しいサービスも行っています。
「食事で入浴無料サービスというのを目当てに来店するお客様も多いんですよ」と教えてくれたのは店長の田中邦昭さん。この場所で営業を始めてから約20年に渡って勤めている田中店長に、味処湯処よしちょうのルーツをお聞きしました。
田中さん:大正時代、社長の高祖父が小浜で「松月楼」でちゃんぽん店を創業しました。戦後復興の中、昭和30年頃に「吉長」と屋号を変え、バスターミナルの近くで寿司とちゃんぽんの店として営業。平成17年(2005年)に廃業した温泉旅館の施設を買い取り、食事も温泉もたのしめる味処・湯処として移転リニューアルしたんです。
田中さん:高度経済成長期まっただ中の昭和40年代に建てられた建物ですからね。浴場も補修はしましたが、大幅な改修はしていないので「この風呂の感じ、懐かしいね~」というお客様も結構いらっしゃるんですよ。
田中さん:そうですね…。シーズンや天候によって増減はありますけど、休日なら平均300人くらいといったところでしょうか。多い時だと1日600人を超えることもありますね。ウチは食事をすると入浴料(大人400円、子ども200円)が無料になるので両方を楽しむお客様が多いかな。もちろん入浴だけ・食事だけも可能なので、割と幅広いお客様に来ていただいているのかなと思います。
田中さん:地元の方だけでなく観光客も多いのは温泉街ならでは。最近はインバウンドで外国人旅行客も増えていて、美味しそうに寿司やちゃんぽんを召し上げっていらっしゃいますよ。
田中さん:はい。私は東京生まれ東京育ちなのですが、母の出身地が小浜。で、社長の奥様とはいとこ同士の関係なんです。元々は東京で定食屋を営んでいたんですけど、バブルの崩壊やらなにやらで景気が悪くなってしまって。店を閉めて別の仕事をしている時に、社長夫妻から「新しい場所でリニューアルするから手伝ってほしい」と声をかけていただきました。
田中さん:前職も楽しかったんですけど、やっぱり私の料理人としての経験やスキルを買ってくれているというのが嬉しくてね。気づけば小浜に来て20年が経っていました。私は厨房での仕事がメインなので、料理を作る時に心がけているのは「おいしく、きれいに」。目でも口でもおいしく味わっていただけるよう、調理も盛り付けも丁寧な仕事を心がけています。
味処湯処よしちょうでは看板メニューのちゃんぽんや寿司以外にも、御膳・定食・丼もの・お造りなど豊富なメニューをご用意。大正時代から続く料理へのこだわりも、田中店長をはじめとする調理スタッフへしっかりと受け継がれています。
「ちゃんぽん麺は源泉から汲み上げた温泉水で練り上げた自家製麺。よしちょうでしか食べられないオリジナルなんです。寿司も新鮮さにこだわった江戸前でご提供。これからもたくさんの方に満足していただけるような料理を提供していきたいですね」
広々とした食事処の大きな窓から望む“湯けむりのオーシャンビュー”。夕方になると橘湾に夕日が沈むサンセットを楽しめますので、絶景を眺めながらの食事と温泉でゆったりと過ごしてみてはいかがでしょうか。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県雲仙市小浜町北本町905-32 ( Google MAP )
営業時間:
食事:11時~16時、17時~21時
入浴:9時~22時30分
定休:第2・4水曜、元旦
TEL: 0957-75-0107