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日々の忙しさをちょっとだけ忘れて、美味しい料理と豊富なお酒を堪能しながらゆったりと過ごす――。そんな癒しとくつろぎの空間を提供しているのが、八代市にある「隠れ家レストランフレア」。気軽に立ち寄れる洋食居酒屋をイメージした店内には、バー感覚で楽しみたい方のためのカウンターとグループでおしゃべりできるテーブル席が設けられています。
オーナーシェフの本田貴守さんが作る絶品料理の数々を求めて多くの人が訪れている「隠れ家レストランフレア」は今年(2025年)3月で開業10周年。そこで今回のインタビューでは、本田オーナーに10年を振り返っていただき想い出をお聞きするとともに、これからの展望をお伺いしていきます。
本田さん:やっぱり20代の頃に“自分の店を持つ”という目標を立てたのはすごく大事なことだったなのかなと。今の自分が振り返ると、よく2年も店探しに時間をかけたなと思いますし、なんであんなに自信があったんだろうと不思議なくらい。それだけ夢にかけるエネルギーが大きかったんだろうなと思いますね。
本田さん:おかげさまでずっと安定した経営ができていますね。新規オープンした飲食店の中で10年持つのは1割と言われる中で生き残ることができたのは来店してくださるお客様のおかげ。だからこそ、「どうしたらお客様に来てもらえるか」ということを考えながら日々、営業を続けています。
本田さん:本当に目に見えないものに翻弄されている感じはありましたよね。特にコロナの時は国からの援助で助かった部分もありましたけど、先行きが見えない不安が大きかった。ここ数年は物価高騰で泣く泣く値上げをしたり…。まさに時代と戦っているという感覚。だから、お客さんが来てくれるだけで本当にありがたいなと感じるんですよ。
本田さん:八代生姜を使った料理を提供するようになって1年くらいが経つんですけど、作れば作るほど生姜っておもしろい。タンパク質を分解する酵素を持っているのでお肉を柔らかくしたり、ソースに入れれば爽やかな香りと心地良い辛さを出してくれたり…。主役ではないんですけど、名バイプレーヤーとして私の料理を支えてくれています。
本田さん:客層は結構広めで、おひとり様やカップル、ファミリー、団体などさまざま用途でご利用いただいています。中でも多いのは子育てが終わったことで時間に余裕ができた40~50代の主婦の方々。週末になるとそれぞれのテーブルで女子会が開かれていて、楽しそうにおしゃべりされている姿を見ているとなんだか私も楽しい気分になってきますね。
本田さん:やっぱり一番の目標は「隠れ家レストランフレア」を一生続けていきたいということ。独立開業するために10代・20代と頑張ってきましたし、何より今の生活が私にとってのベストスタイルだと思っています。店舗展開や事業継承はせず、フレアは僕一代で終わり。そう考えているからこそ、1日でも長く営業して、変わらない味をお客様へ提供し続けたいと思います。
午後6時。八代の飲み屋街には、笑顔の三日月がポッと明るく灯ります。
「私、本当にこの店が大好きで、ずっとここに居たいくらいなんですよね。毎日、自宅とフレアの往復をして、お客様に料理を出して…。それが私にとってかけがえのない幸せ。若い頃のエネルギーや野心はなくなっちゃいましたけど、この幸せをずっと守っていきたいと思っています」
オーナーシェフが腕によりをかけて作る料理、その料理に合わせてチョイスされた豊富なお酒…。食べても飲んでも楽しめるくつろぎの空間「隠れ家レストランフレア」の扉を開ければ、きっとあなたもその美味しいひとときに癒されることでしょう。
取材・執筆/Komori Daigo
熊本県八代市本町1-3-4THビル1階 ( Google MAP )
営業時間:
18:00~24:00(不定休)
TEL: 0965-32-1880