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2025年1月9日。強い寒波が日本列島を襲ったこの日、私は八代市中心部にある本町アーケードの入り口に佇んでいました。時刻は午後6時。夜の帳がおりて一層冷え込み、舞い散る雪に街灯の光が拡散される中、目的地である「隠れ家レストランフレア」へ足早に向かいました。
「いらっしゃいませ」。扉を開けるとカウンターの中からオーナーシェフの本田貴守さんがお出迎え。コートを脱ぎ、夜空に浮かぶ三日月が幻想的なタペストリーが掛けられたテーブルに座ると、ゆったりとしたBGMが流れる暖かな店内に心がほぐれます。
「ご注文はどうなさいますか?」
「ジンジャーポークステーキ。と、そうだな…。ラムコークをお願いします」
「かしこまりました」
筆者が八代のまちなかにある隠れ家レストランで出会った“ジンジャーポークステーキ”。その美味しさを食レポインタビューで紹介していきます。
本田さん:そうですね。うちのジンジャーポークステーキの特徴は名産品の「八代生姜」をソースに使っていること。八代市では中山間地の東陽町を中心に生姜栽培が盛んなので、まちおこしプロジェクトの一環として賛同した飲食店が八代生姜を使ったメニューを提供しているんですよ。私も地域貢献になればと思い始めたのですが、想像以上の人気メニューに成長しました。
本田さん:料理はまず目で味わっていただくものですから、ひと皿ひと皿、丁寧に盛り付けを行っています。ポークステーキに使用しているのは厚めにスライスした豚の肩ロース。八代生姜を入れたジンジャーソースに漬け込むことで、レモンのような爽やかな香りとえぐみの少ない心地よい辛さをお楽しみいただけます。
本田さん:ありがとうございます。
本田さん:そのカボチャとブロッコリーはコンソメ煮なんですけど、和食のやり方を取り入れることで野菜本来の持つ甘味や旨味を引き出しています。あと、個人的に最近すごくこだわっているのが、サラダに添えてある有機ミニトマト。実はすごく種類があって…。あ、ご覧になってもらった方が早いかな。ちょっと待っててくださいね。
本田さん:味もひとつひとつ違って面白いですよ。一番甘いのはこのオレンジで、その次が紫。グリーンのトマトもちゃんと熟していて、酸味が強いのが特徴かな。有機トマトは味も色もそれぞれ個性があるので、料理の盛り付けや美味しさをより引き立ててくれる。彩りも良いので食べる前に写真を撮るお客様も多いんですよ。
本田さん:独立する前、レストランバーで働いていたんですけど、バーテンダーさんがカクテル作っているのを見て興味を持ったんです。レシピを全部メモして、自宅で作って…。普段はカクテル飲まないのにめちゃくちゃ試して勉強していました。ウォッカベースやジンベースなどスタンダードなカクテルは揃っているので、お好きな方はぜひ注文なさってくださいね。
「料理人でカクテルに対してここまでのめり込んでいる人はあんまりいないんじゃないかな」と笑う本田オーナー。今ある約40種類のカクテルメニューは前職のバーテンダーの方に相談しながら決めていったそう。その頃を振り返りながら、本田さんはこう話します。
「シェイクは我流だったのでかなり迷ったんですけど、バーテンダーさんが『ミルク系のシェイクはそんなに技術はいらないから』と言われて2種類だけ入れたんですよ。ただ、シェイクができるのが自分だけ。オーダーが溜まっている時にシェイクの注文が入ると、ちょっと焦りますね」
フードとドリンク、それぞれ約80種類とバリエーション豊かなメニューが魅力の隠れ家レストランフレア。カクテル以外にもビール、ウイスキー、焼酎、日本酒、サワー、ワイン、ソフトドリンクと多様なドリンクが揃っていますので、その日の気分や料理に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
取材・執筆/Komori Daigo
熊本県八代市本町1-3-4THビル1階 ( Google MAP )
営業時間:
18:00~24:00(不定休)
TEL: 0965-32-1880