閉じる
多良山系から諫早市街中心部を流れて有明海に注ぐ長崎県唯一の一級河川・本明川。その支流が流れる本野町柳谷(やなぎだに)地区では、川の流れに沿って細長く棚田が続いています。
諫早市役所の裏手に店を構えるおにぎり専門店「米家(こめのいえ)」では、この柳谷の棚田で収穫された自家製米を使用。代表の柿田美紀さんにお話を伺うと、おいしいお米に対する強いこだわりが見えてきました。
柿田さん:私の父が諫早市本野町の柳谷地区という場所で栽培しています。多良山系の水が脈々と流れてくる田んぼで、田植えの時に冷たい水をはることがおいしい米づくりの秘訣のひとつと聞いています。
柿田さん:はい。父は自分で管理の行き届くだけの田んぼで稲作を行ってきました。これまでは「田んぼに入らなくていい」と言われていたのでご飯・お茶・お菓子を準備する裏方の役割をしていたのですが、父もそれなりに年齢を重ねてきたので覚えていきたいなと思い手伝いました。
柿田さん:私たちが使う米家用のお米は田んぼを指定しているんです。実は、お米って同じ地域・同じ人が育てても栽培された田んぼによって品質に違いが出るんです。特に棚田米はひと山越えれば土も水も違う。だから、私がおいしいと思うお米をお客様に提供できるように事前に田んぼを選んで田植え~収穫を行っています。
柿田さん:今年は台風の影響で稲が倒れた場所があって、一部機材での稲刈りができなかった。手作業が増えたのは大変でしたね。ちなみに、収穫した自家製米がなくなったら同じ集落の棚田米を使うことにしていますね。万が一、それも間に合わなければ、田んぼを見ただけでお米の風味がわかる専門家の方と吟味して仕入れたものを使用するので、いつでもおいしいおにぎりを提供できるようになっています。
柿田さん:「なつほのか」です。粒ぞろいが良くてモチモチしているのが特徴で、おにぎりにも合うんですよ。
柿田さん:ありがとうございます。私が柔らかすぎるよりも噛んでしっかり味がする方が好きなので炊き方にもこだわっています。あとは水。実家で多良山系のものを取水して使っています。保健所の許可を得ている天然水なので、おいしいお米が炊けるんですよ。
代々引き継いできた田んぼを囲む豊かな自然と稲作地を広げすぎない丁寧な管理方法で生まれる「本野の棚田米」。その味をこれからも残していくために、柿田さんはおにぎり専門店を営みながら米づくりにも挑戦しています。
次回は米家のおにぎりのこだわりについて、握りの達人でもある柿田さんにインタビューしていきます。お楽しみに!
※取材・執筆/Komori Daigo
長崎県諫早市東小路町5-6 ( Google MAP )
営業時間:
月~木7:00〜17:00、日・祝9:00〜15:00(定休:金・土)
TEL: 090-8623-4143