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印象的な三角屋根に掲げられた「旬彩葉琉舟(しゅんさいはるしゅう)」の看板。オレンジ色の暖簾をくぐると「いらっしゃい」という吉田智司さん、貴美子さんご夫婦の声がお出迎え。全体的に落ち着いた和の印象に加えて、レトロなランプが懐かしさも醸し出しています。
「八代の魅力は海、川、山、平野があること。シャクやトマト、アスパラなど季節ごとに旬の食材が揃うので飲食店にとってすごく良い場所。ウチは地産地消だけでなく、その時期の美味しいものであれば様々な産地の食材を積極的に仕入れています」
カウンターにテーブル3席というこぢんまりとした居酒屋ながら、20年に渡り八代市民が通い続けている「旬彩葉琉舟」。今回はそんな葉琉舟の料理に対するこだわりを貴美子さんに教えていただきました。
貴美子さん:旬の食材の味を最大限に引き出すこと。定番はお品書きに載せている8品だけで、基本的に毎朝仕入れた食材でその日のメニューを決めてカウンター横の黒板に書いています。お客様から「オススメなんですか?」と聞かれたら、「ここ(黒板)の料理は全部です」とお答えしていますね。
貴美子さん:やっぱり新鮮さ、ですね。20年もこの仕事をやっていると生産者さんと繋がりができる。「いいのができたらウチにもらえませんか?」ってお願いすると、一版に流通するよりも早く卸してもらえるんです。その分早くお客様にその食材を味わってもらえるのが葉琉舟の強みなんじゃないかな。
貴美子さん:居酒屋の魅力っていろんなお客様に出会って「おいしい」と言ってもらえることだと思うんです。だから仕入れにも力を入れますし、その食材の味を引き出す方法で調理する。加えて、目でも楽しんでいただけるように盛り付けも美しく。葉琉舟を選んでいただいた、という感謝の心を忘れずに日々営業しています。
貴美子さん:ウチの「もつ鍋」は醤油ベースで、具材はキャベツ、もやし、ニラ、牛モツとシンプル。九州でもつ鍋の本場といえば博多ですが、お客様からは「葉琉舟のもつ鍋は博多よりウマい」と言っていただけるほどなんですよ。
貴美子さん:もちろんです。ブランドにこだわりはないのですが、業者さんが持ってきた牛モツを見て主人が「状態が悪い」と判断したら仕入れない。美味しさのクオリティを保つことが最低限の仕事ですのでしっかりと目利きしています。
貴美子さん:毎年11月からもつ鍋を提供し始めるからか、10月中旬に開催される「やつしろ全国花火競技大会」が近くになると、思い出したようにもつ鍋の予約が次々に入りだすんですよ。お客様にとって八代の一大イベントに負けないくらいウチのもつ鍋が寒い季節の風物詩になっていることが嬉しいですね。
旬の食材の新鮮さとその魅力を最大限に引き出すことを大切にしている旬彩葉琉舟。料理人として42年のキャリアを誇る智司さんが腕によりをかけて調理した一皿は、常連さんも初めてのお客様もみんな美味しい笑顔に変えてくれます。
「職場が近い方、この地域に住んでいる方、出張で八代に来た方、観光客・・・。不思議なもので20年間、定期的に入れ替わりながらも若者から年配者まで幅広いお客様に来ていただいている。その感謝を胸にこれからも美味しいものを届けていければと思います」
そうそう、お客様から「夏でも食べたい」と声が挙がるほど人気がある「もつ鍋」の耳寄り情報もひとつ。11月~3月の提供期間は当日注文でも対応が可能ですが、人気がありすぎて売り切れてしまっていることも多いのだとか。なので、前日までに電話で予約を入れておくのがオススメですよ。
取材・執筆/Komori Daigo
熊本県八代市本町2丁目1-1 ( Google MAP )
営業時間:
17時30分~22時(日曜日)
TEL: 0965-32-8894