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暮しを楽しむの手帖
スナックJUN#2 飲んでしゃべって仲良くなって。人と人の新しいつながりが生まれるスナックの魅力

お酒が好きな大人を引き寄せる、夜の社交場のひとつ「スナック」。グラスを片手にママや馴染み客との話に花を咲かせたり、見ず知らずの人とカラオケで盛り上がったり。居心地の良い空間で自分らしく振る舞える場所として、仕事が終わると足が向いているという人も多いのではないでしょうか。

大村にある「スナックJUN」もそんな大人の憩いの場のひとつ。カウンターの奥には長崎の麦焼酎「壱岐」など、ボトルキープタグが付けられたさまざまな銘酒が並んでいます。

そんな「スナックJUN」を経営しているのが中尾智子さん。慣れた手つきでアイスペールからグラスへ氷を移しながら常連さんの話に相槌を打つ姿からは、オーナーママとしての包容力を感じます。今回はそんな智子ママに“スナックという場所”の魅力を伺っていきたいと思います。

スナックは自分の心をフラットに整えてくれる休憩所

2008年にオープンした「スナックJUN」。開業から15年経つ中で客層に変化は感じますか?

智子ママ:一昔前は50~60代で男性のお客様がほとんど。でも、令和の時代になって20~30代の若いお客様や新規の方も増えていますね。あとは女性も多くなりました。若い女の子が連れ立ってきたり、女性だけのグループがワイワイしていたり・・・。

女性も男性と同じでママやスタッフの皆さんとおしゃべりに来ている感じですよね。

智子ママ:そうですね。あと、最近の若い女の子はお酒に強い。ビールでも焼酎でもなんでも飲みます。反対に若い男の子は甘いカクテルだったりして、今どきの若者の嗜好はこんなふうに変わってきているんだなぁと感じています。

夜の社交場として多様性を増しているスナック。ママ歴12年の智子ママが感じているスナックという場所の魅力を教えてください。

智子ママ:人と人の新しいつながりが生まれる素敵な場所。年齢も職業も性別も関係なく、たまたま隣り合わせになった人としゃべって歌って盛り上がって知り合いになれる。普段だと出会えないような人でもスナックで同じ空間で過ごすことでつながれるというのは大きな魅力なのかな。

見ず知らずの人と直に出会って交流ができる。SNSなどオンラインでの交流が盛んになっているいまだからこそ、リアルなつながりを求めているのかもしれません。

智子ママ:スナックのママという絶妙な距離感の“近しい他人”だから話せることもありますしね。自分の話を聞いてもらえる時間は忙しく過ごす社会人にとってはひとつの癒し。お客様にとってスナックは、仕事の役職や家庭での役割を外すことができる場所なのだと思います。

ありのままの自分に戻れる馴染みの店。なんだかすごく大人っぽい。

智子ママ:ウチのお客様の中には「仕事であったことを家庭に持ち帰らないためにスナックに寄るんだ」と言って飲みに来るお客様もちらほら。でも実際、スナックに立ち寄ることで仕事も家庭もうまくいっている人も多いんですよ。そういう姿を見ていると、スナックは自分の心をフラットに整えてくれる休憩所なんだなと実感しますね。

お店によってさまざまな個性があるのもスナックの魅力。

智子ママ:スナックの個性って、そのままママやマスターの個性だと思うんですよ。私はどちらかというと聞き役になるよう心がけていますが、お店によっては話し上手なママがいたり、カラオケで楽しませてくれるママがいたり。この店にはどんな人(ママ・お客さん)がいるかな?とワクワクしながら扉を開けるのも、スナックを楽しむ要素のひとつなのかもしれません。

人と人の新しいつながりが生まれる素敵な場、というスナックの魅力。実はこれ、お客様同士に限ったことではないんです、と智子ママは振り返ります。

「昔、若い女の子がひとりで飲みに来たんです。最初は『店、間違えてない?』なんて思いながら話を聞いていると『実は仕事を辞めたんです。もしよかったらここで働けませんか』って」

反対にお客様から「あの子、昼間の仕事探してるんだって?ウチで良かったらオファーしてもいいいかな」と就職が決まったスタッフもいたそう。オープンから15年、さまざまな人生が交差してきたスナックJUN。智子ママが注いでくれたグラスを傾けると、じんわりとあたたかくなるような人情の味が体全体に広がっていくようでした。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
スナックJUN

長崎県大村市東本町379-7 ひまわりビル1F ( Google MAP

営業時間:

20:00~25:00(不定休)

TEL: 07084349380