キーワード検索

閉じる

暮しを楽しむの手帖
旅庭 福の小径#1 伝統的な日本建築をリノベーションした諫早市のハイグレードな旅のお宿

古くから交通の要衝として栄え、多良山系の山々と3つの海の囲まれた自然豊かな諫早市。西九州新幹線が開業し長崎の玄関口として注目を集めている県央の街に、2024年5月、伝統的な日本建築をリノベーションしたハイグレードな民泊「旅庭 福の小径」が誕生しました。

諫早駅から車で5分程度の立地にある「旅庭 福の小径」。市内第2の高峰・五家原岳の麓に広がる閑静な住宅街の坂道を登っていくと、少し狭い路地の先に日本らしい棟門がお出迎え。200坪の敷地には数寄屋造りのお宿と日本庭園があり、詫び寂を感じる和の雰囲気が漂っています。

この素敵な一棟貸のお宿を運営するのは松尾さんご夫婦。一昨年、東京からご家族でUターンしてきた松尾オーナーに、故郷で民泊を開業するに至った経緯をお聞きしました。

気兼ねすることなくゆっくり寛げる1日1組の一棟貸

「旅庭福の小径」はすごく雰囲気がいいですよね。

松尾オーナー:ありがとうございます。東京から戻ってきて諫早で居住用の物件を探していたときにこちらの家を見つけたんです。内覧したところ、家と庭の雰囲気に一目惚れ。とても素敵な物件に巡り会えたと思いました。

ご自宅としてご覧になられたこの物件。なぜ民泊として活用しようと思われたのでしょうか。

松尾オーナー:自宅として利用した場合、娘の転校が必要になってしまうのが大きなネックでした。どうしようかと考えた時に、東京から娘の友人家族が夏休みに遊びに来てくれたことを思い出したんです。諫早を拠点に車で一緒に長崎市内や雲仙、佐世保などへ日帰り観光。とても楽しかったと喜んでもらえたことを思い出し、購入して民泊を始めてみようと考えました。

民泊にはいろいろなスタイルがありますが、なぜ1棟貸に?

松尾オーナー:物件の佇まいや雰囲気からプライベート感覚のある1棟貸しのお宿が合うかなと思ったからです。基本的に他の車が通ることがない突き当たりの場所にあるのでとても静か。日常の喧騒から離れて鳥の囀りや風に揺れる葉の音に耳をすまし、他のお客様に気兼ねなく気の向くままに自由に過ごせることでエネルギーをチャージでき、旅がより充実したものになるのではないかなと。

ホテルとはまた違った趣向をもつ民泊は海外からのお客様にも選ばれていると聞きました。

松尾オーナー:そうですね。「旅庭 福の小径」では和の雰囲気を感じられる空間で日本の文化や伝統、暮らしを体験できるので海外のお客様にも喜んでいただけるのではと考えています。ホームページInstagramは日本語だけでなく英語でも諫早、長崎の魅力を発信。外国人旅行客の方々にも利用していただくことで、生まれ育った諫早、長崎に恩返しができたら嬉しいなと思っています。

駅から離れた住宅地のお宿だからこそ、他にはない強みがある。

ところで「旅庭 福の小径」という名前も素敵ですよね。どんな想いが込められているのでしょうか。

松尾オーナー:ネーミングにはとてもこだわりました。「旅庭」は、四季折々の風情を感じられるお庭を眺めながらゆったり過ごしていただけたらという想いから。「旅邸」もいいなと思ったのですが、「旅庭」の方がお庭や自然をイメージでき柔らかい雰囲気もあるので、より親しみやすく感じていただけるんじゃないかな、と。

このお庭の雰囲気はすごくいいですもんね。

松尾オーナー:「福の小径」は立地をイメージして名付けました。諫早市「福」田町にある、一見するとここはいっても良いのかなと思う細い「小径(こみち)」にあるお宿。名は体を表すような名前にすることで初めていらっしゃったお客様でもわかりやすいかなと思っています。

小径の奥に佇むお宿で非日常のゆったりとした時間を過ごしてほしい・・・。そんなオーナーの想いが伝わってくるようです。

松尾オーナー:利便性で言えば駅近の宿泊施設の方が良いかもしれません。でも、逆に駅から少し離れた静かな場所だからこその良さもあるのではないかと考えました。日常の忙しさからちょっと離れて、空を見上げたり、花を眺めたり・・・。そんな幸せな気持ちで小径を散歩する。そんなイメージがパッと浮かぶネーミングにしたんです。

いろいろなご縁に恵まれてオープンまでの準備をなさったと伺いました。

松尾オーナー:たくさんの方々にお世話になりましたし、これからご縁がつながる方もたくさんいらっしゃると思います。そういった方々と「福」の和でつながっていく。オープンしたばかりで未熟ですが、そういった想いをコンセプトの中に丁寧に取り込んでブランディングし、全国・海外の方々から「泊まりたい」と思っていただける宿になっていけたら嬉しいですね。

「ロゴのデザインは、福という文字を崩し、小径の先にあるお宿、庭の梅の花、幸せの輪が広がっていくイメージ。半紙に墨と筆で一気に書いて仕上げましたんですよ」とほほ笑む松尾オーナー。夫婦で惚れ込んだという数寄屋造りの家屋と日本庭園は、1年半のリノベーションを経て自然と調和したプレミアム感あふれる宿泊施設へと生まれ変わりました。

そんな「旅庭 福の小径」の魅力をお伝えするため、次回はお宿のお部屋をご紹介。松尾オーナー自らが案内してくださるルームツアーで拝見したのは、おふたりの優しさがあふれるくつろぎの空間でした。ぜひ第二回の記事もご覧ください。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
旅庭 福の小径

長崎県諫早市福田町

営業時間:

9時~18時

TEL: fuku.no.komichi@gmail.com

URL:https://sites.google.com/view/fukunokomichi