閉じる
雲仙市小浜町で人気の薬膳料理を中心にした食事処「入潮食堂」。木目を基調としたナチュラルテイストの店内はまるでモダンなカフェのよう。西側に設けられた大きめの窓からは美しい橘湾の眺望を見ることができ、小浜の新たなグルメスポットとして注目されています。
そんな入潮食堂の人気メニューと言えば「季節の薬膳メニュー」。その名の通り、季節によって内容が変わる「季節の薬膳メニュー」は、国際薬膳師の資格を持つ代表の林田裕子さんが二十四節気をもとに気候や体の変化に合わせて、その時期にぴったりの食材の組み合わせと調理法で提供してくれるんです。
今回はそんな入潮食堂の「季節の薬膳メニュー」の中から「季節の薬膳ちゃんぽん」を食レポ。半世紀以上にわたって地域の皆さんが食してきたという入潮の小浜ちゃんぽんを進化させた薬膳メニューを、存分に堪能していきたいと思いますよ~。
林田さん:季節の薬膳メニューは全部で4種類。主食・主菜・副菜とバランスの良い「季節の薬膳御膳」、名物・小浜ちゃんぽんを基にした「季節の薬膳ちゃんぽん」、雲仙もみじ豚を使った「季節の薬膳カレー」、デザートと薬膳茶がセットになった「季節の薬膳デザートセット」を用意しています。
林田さん:大体1ヶ月に1回くらいのペースでしょうか。2つの節(区切り)ごとに、その時期に合った食材の組み合わせ・調理法でレシピを考えています。
林田さん:こちらは豆乳をベースにしたスープにあんかけ野菜と豚角煮をトッピングしたものとなっています。基本の味は同じで、季節によって変わるのは野菜や生薬。4月下旬は肝臓や脾臓の働きが活発になるので、その働きを整えるキャベツや人参、たけのこ、ほうれん草を具材としてチョイスしました。
林田さん:実はちゃんぽんの麺は自家製なんですよ。自分たちで作ることでその季節に合った材料を練り込んだオリジナルの麺を提供できると考え、昨年(2023年)のリニューアルを機に製麺機を導入。毎朝、必要な分を製麺する必要があるので手間はかかってしまいますが、その分、お客様にはより安全な食事を提供できるようになったと感じています。
林田さん:豚角煮には地元の雲仙もみじ豚を使用。豚角煮も季節によって一緒に煮込む生薬を変えているんですよ。今使っているのは体を温める作用のある「杜仲」、胃腸を整えてくれる「生姜」、心身の疲れに効果がある「棗」。たっぷりと入った野菜や自家製麺との相性も抜群です。
林田さん:ありがとうございます。入潮食堂の「季節の薬膳メニュー」は定期的に更新しているので、お品書きやInstagramで内容を紹介しています。入潮食堂に来てくださっているお客様はもちろん、来てみたいという方や薬膳料理に興味があるという方もフォローしていただけたら嬉しいですね。
食事で健康をサポートするという薬膳料理の知識と技術がふんだんに盛り込まれた一杯のちゃんぽん。食べ進めるうちに額にじんわりと汗が浮かぶほど体がポカポカと温まり、器が空になる頃には食後の満足感とともに晴れやかな気分が沸き上がってくるようでした。
ちなみに、入潮食堂では薬膳料理以外の通常メニューも充実。先代から50年守り続けてきた「ちゃんぽん」や「皿うどん」、「カツ丼」のほか、長崎のご当地グルメ「トルコライス」や海の温泉街らしい「あら煮定食(数量限定)」などもご用意しています。
記者の個人的なオススメは自家製の皮で包んだ手作りぎょうざ。口の中で旨味が溢れるジューシーな餡と入潮食堂オリジナルの薬膳辣油はまさに最強タッグ。辛い物が好きという方はぜひ注文してみてくださいね♪
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県雲仙市小浜町北木指3168−7 ( Google MAP )
営業時間:
11:30~14:00、17:00~21:00(木曜定休)
TEL: 0957-74-3610