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JR諫早駅から車で5分。長崎県内唯一の一級河川・本明川と並ぶように伸びている高城公園通り沿いに白を基調としたナチュラルな外観の精肉店があります。
ここは諫早のブランド豚・諫美豚(かんびとん)を生産している土井農場の直売所。ガラス張りのショーケースには赤身と脂肪のコントラストが美しい豚肉がズラリと並んでいます。
そんな精肉と並んで人気が高い商品が「諫美豚メンチかつ」。注文を受けてから店内のフライヤーで調理し、揚げたてのサクサクジューシーなメンチカツを提供してくれるんです。実はこの商品、開発のきっかけはある新聞に掲載された投稿だったそう。今回はそんな「諫美豚メンチかつ」を紹介していきたいと思います。
土井さん:2017年、新聞に掲載されたある投稿を読んだことがきっかけ。投稿したのは諫早高校に通う高校生で、内容は「人通りが少なくなっている商店街を活気づけるために諫早で育った諫美豚を使った食べ歩きフードを作ってはどうか」という提案でした。
土井さん:実際、投稿を見て「農業で地域貢献」という初心を再確認することができました。諫早高校のOBとして、地元の農業従事者として、諫早の活性化を願う若者の声を実現したい。そんな想いで街が元気になるグルメの開発に着手しました。
土井さん:諫美豚を消費者に直接届けたいという想いで直売所をオープンしたのが平成25年。ただ、精肉と加工品の販売だけで惣菜は扱っていなかったんです。でも、メンチカツを食べ歩きフードとして販売するなら揚げたてを提供したいと店舗を改装し、専用の惣菜室を作りました。
土井さん:具材は諫美豚のひき肉とタマネギ、キャベツ。それらを混ぜ合わせて形成したメンチカツを諫美豚の上質なラードで揚げます。食べ歩きやすいように大きさは10cm程度。サクサクの衣と柔らかな肉質のバランスが絶妙で、ほおばると口の中にジュワ~っとあふれ出た甘い肉汁が広がって美味しいですよ。
土井さん:自社生産した諫美豚や諫美牛、循環農法米、循環農法野菜などを販売しています。ショーケースに並べる際はお客様がわかりやすいように部位や用途などを表示。もちろん、安全安心なお米と大豆を100%与えて育てた「諫美豚プレミアム100」や「黒豚諫美豚プレミアム100」も取り扱っています。
土井さん:そうです。解体処理された諫美豚は部位ごとのブロック肉となって直売所へ届きます。そのブロック肉をスタッフが丁寧に切り分け。直売所での対面販売用だけでなく、オンラインショップでご購入いただいた商品もここで準備をして発送しています。
土井さん:最新技術によって遠くの消費者にも新鮮な商品を届けられるようになったのは生産者としては嬉しい限り。以前、諫美豚が大手ふるさと納税サイトで1位を獲得した時には、1日100件ほどの注文が入ったこともありました。嬉しい悲鳴をあげながらスタッフ皆でバタバタ作業したことも今となってはいい想い出です。
土井さん:やはり世界トップクラスの豚肉を目指して作っている「黒豚諫美豚プレミアム100」のバラ肉ですね。オススメの調理方法は素材の味を楽しめるしゃぶしゃぶ、すき焼き。自社栽培したブランド米と食用大豆だけを与えて育てることで、黒豚の持つ独自の風味がさらに引き立っていますのでぜひお試しください。
というわけで、土井代表が紹介してくださった「黒豚諫美豚プレミアム100バラ肉」を購入。しゃぶしゃぶ、すき焼き、どちらにしようかな♪と考えながら帰宅し、パックに包まれた諫美豚を改めて見ると透き通るようなピンク色の肉質と今にもとろけそうなサシに心が躍ります。
諫美豚の最大の特徴である脂の甘さとすっきり感を味わおうと、今夜のメニューは関西風すき焼きに決定!バラ肉を熱した鉄鍋に乗せるとジュ~っという音ともに脂が溶け出します。独特の豚臭さはなく、食欲をそそる香ばしい匂いがキッチンに漂います。
まずは砂糖醤油に絡めてパクリ。驚くほど柔らかいお肉を噛むと、口の中に上品な甘さと濃縮された旨味が広がります。ひとしきり舌鼓を打った後、鍋に野菜を投入。諫美豚の上質な脂が他の具材に絡まり最高のハーモニーを奏でます。
いや~、これを食べたら普通のお肉には戻れない。満腹のおなかをさすりながら、次回はしゃぶしゃぶ?それともお鍋?と考えてしまう記者なのでした。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県諫早市高城町8-10 ( Google MAP )
営業時間:
10:00~17:00(定休/日・祝)
TEL: 0957-22-2983